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民法の用語集

権利の主体から意思表示・物権変動・担保物権・債権・契約・親族相続まで。民法の用語を、条文と司法書士試験で問われた肢に結びつけて解説します。

262語15章
第1章

民法の基礎と権利の主体

信義則と権利濫用の禁止(1条2項・3項)しんぎそくとけんりらんようのきんし

信義則とは、権利の行使と義務の履行は信義に従い誠実に行わなければならないという原則(1条2項)で、権利の濫用の禁止とは、形式上は権利の...

権利能力と胎児(3条1項・886条・721条・965条)けんりのうりょくとたいじ

権利能力とは、権利や義務の主体となることができる資格のことで、私権の享有は出生に始まります(3条1項)。胎児は原則として権利能力を持ち...

意思能力と意思無能力の効果(3条の2)いしのうりょくといしむのうりょくのこうか

意思能力とは、自分の行為の法的な意味や結果を判断することができる精神的な能力のことで、法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有...

未成年者の行為能力(4条〜6条・成年年齢18歳)みせいねんしゃのこういのうりょく

未成年者とは、年齢18歳に達していない者のことで(4条)、未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意を得なければならず、同意を得ない...

後見・保佐・補助の開始の審判(7条〜19条・任意後見との関係)こうけんほさほじょのかいしのしんぱん

後見・保佐・補助の開始の審判とは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者・著しく不十分である者・不十分である者について...

制限行為能力者の行為の効力(日用品・13条1項の行為・同意に代わる許可・代理権の付与)せいげんこういのうりょくしゃのこういのこうりょく

制限行為能力者の行為の効力とは、成年被後見人・被保佐人・被補助人がした法律行為をどのような場合に取り消すことができるかという規律のこと...

制限行為能力者の相手方の保護(20条の催告・21条の詐術)せいげんこういのうりょくしゃのあいてがたのほご

制限行為能力者の相手方の保護とは、取り消されるかどうかわからない不安定な立場に置かれた相手方のために、追認するかどうかの確答を求める催...

身分行為と行為能力(婚姻・認知・遺言・縁組と制限行為能力者)みぶんこういとこういのうりょく

身分行為と行為能力とは、婚姻・離婚・認知・縁組・遺言のような身分上の行為には、財産上の行為を対象とする行為能力の制限の規定(5条・9条...

不在者の財産管理(25条〜29条)ふざいしゃのざいさんかんり

不在者の財産管理とは、従来の住所又は居所を去った者(不在者)の財産が放置されないよう、管理人を置かなかったときなどに、家庭裁判所が利害...

失踪宣告とその取消し(30条〜32条・同時死亡の推定)しっそうせんこくとそのとりけし

失踪宣告とは、不在者の生死が7年間(危難に遭遇した者は危難が去った後1年間)明らかでないときに、家庭裁判所が利害関係人の請求により行う...

法人の権利能力と目的の範囲(34条)ほうじんのけんりのうりょくともくてきのはんい

法人の権利能力とは、法人が権利義務の主体となる資格のことで、法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内にお...

法人の不法行為責任と代表者の権限外の行為(一般法人法77条・78条と110条)ほうじんのふほうこういせきにんとだいひょうしゃのけんげんがいのこうい

法人の不法行為責任とは、代表理事その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を法人が賠償する責任のことです(一般社団法人及...

一般社団法人・一般財団法人の機関と剰余金(一般法人法)いっぱんしゃだんほうじんいっぱんざいだんほうじんのきかんとじょうよきん

一般社団法人とは、人の集まり(社員)を基礎として設立の登記によって成立する非営利の法人で、一般財団法人とは、設立者が拠出した財産を基礎...

権利能力なき社団(成立要件・財産の総有・債務・不動産の登記)けんりのうりょくなきしゃだん

権利能力なき社団とは、団体としての組織を備え、多数決の原則が行われ、構成員が変わっても団体が存続し、代表の方法・総会の運営・財産の管理...

物の意義と不動産(85条・86条・一筆の土地の一部・建物の独立性)もののいぎとふどうさん

不動産とは、土地及びその定着物のことで(86条1項)、不動産以外の物はすべて動産です(同条2項)。民法上の物は有体物をいいます(85条)。

主物と従物(87条・従たる権利)しゅぶつとじゅうぶつ

従物とは、物の所有者がその物(主物)の常用に供するために附属させた、自己の所有に属する他の物のことで、従物は主物の処分に従います(87条)。

果実(88条・89条)かじつ

果実とは、物から生じる収益のことで、物の用法に従い収取する産出物を天然果実(88条1項)、物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物...

民法上の催告の一覧(確答がない場合の効果)みんぽうじょうのさいこくのいちらん

民法上の催告とは、相手方に一定の行為や確答を促す意思の通知のことで、催告に対して期間内に確答や行為がない場合の効果(追認擬制・取消し擬...

第2章

法律行為と意思表示

法律行為と準法律行為(意思表示・観念の通知・意思の通知・単独行為)ほうりつこういとじゅんほうりつこうい

法律行為とは、意思表示を要素とし、表示された意思の内容どおりの法律効果が生じる行為のことで、契約・単独行為・合同行為があります。準法律...

公序良俗違反と強行法規・取締法規違反(90条・91条)こうじょりょうぞくいはんときょうこうほうきとりしまりほうきいはん

公序良俗違反とは、法律行為が公の秩序又は善良の風俗に反することで、その法律行為は無効になります(90条)。強行規定に反する法律行為も無...

心裡留保(93条)しんりりゅうほ

心裡留保とは、表意者が真意ではないことを自ら知りながら意思表示をすることです。その意思表示は原則として有効ですが、相手方が真意ではない...

虚偽表示の無効と94条2項の「第三者」きょぎひょうじのむこうときゅうじゅうよんじょうにこうのだいさんしゃ

虚偽表示とは、相手方と通じてした虚偽の意思表示のことで、当事者間では無効です(94条1項)。その無効は善意の第三者に対抗することができ...

94条2項の類推適用(意思外形対応型・外形自己作出型・110条の法意の併用)きゅうじゅうよんじょうにこうのるいすいてきよう

94条2項の類推適用とは、通謀による虚偽表示がない場合でも、虚偽の外観が作られ、その作出に本当の権利者が関わっていたときに、94条2項...

錯誤の要件(表示の錯誤と基礎事情の錯誤・重要性・基礎事情の表示)さくごのようけん

錯誤とは、表意者の認識と事実が食い違っていることで、意思表示に対応する意思を欠く錯誤(表示の錯誤)と、法律行為の基礎とした事情について...

錯誤の効果と主張者(取消権者・表意者の重過失・取消し前の第三者・他制度との関係)さくごのこうかとしゅちょうしゃ

錯誤の効果とは、95条1項・2項の要件を満たす錯誤に基づく意思表示を取り消すことができることで、取り消せるのは表意者又はその代理人若し...

詐欺による意思表示と96条3項の「第三者」さぎによるいしひょうじときゅうじゅうろくじょうさんこうのだいさんしゃ

詐欺による意思表示とは、相手方又は第三者に欺かれて錯誤に陥り、その錯誤によってした意思表示のことで、取り消すことができます(96条1項...

強迫による意思表示きょうはくによるいしひょうじ

強迫による意思表示とは、不法に害悪を示されて畏怖し、その畏怖によってした意思表示のことで、取り消すことができます(96条1項)。第三者...

意思表示の到達と効力発生(97条・到達の意義・到達妨害・発信後の死亡と能力喪失)いしひょうじのとうたつとこうりょくはっせい

意思表示の到達とは、意思表示の通知が相手方の了知可能な状態に置かれること、つまり相手方の支配圏内に置かれることで、意思表示はその時から...

公示による意思表示と意思表示の受領能力(98条・98条の2)こうじによるいしひょうじといしひょうじのじゅりょうのうりょく

公示による意思表示とは、表意者が相手方を知ることができず、又はその所在を知ることができないときに、裁判所の掲示場への掲示と官報への掲載...

第3章

代理

代理の要件と顕名(99条・100条・署名代理・受働代理)だいりのようけんとけんめい

顕名とは、代理人が相手方に対して本人のためにすることを示すことです。代理人がその権限内において顕名をしてした意思表示は本人に対して直接...

代理行為の瑕疵(101条)だいりこういのかし

代理行為の瑕疵とは、代理人がした意思表示又は代理人が受けた意思表示に、意思の不存在・錯誤・詐欺・強迫や、ある事情についての悪意・有過失...

代理人の行為能力(102条)だいりにんのこういのうりょく

代理人の行為能力とは、代理人になるために行為能力が要るかという問題です。制限行為能力者も代理人になることができ、代理人としてした行為は...

代理権の範囲と消滅(103条・111条)だいりけんのはんいとしょうめつ

代理権の範囲とは代理人がどこまでの行為を本人のためにすることができるかであり、代理権の消滅とは代理権が失われることです。権限の定めのな...

復代理(104条〜106条)ふくだいり

復代理とは、代理人が自己の名で選任した者に本人を代理させることであり、選任された者を復代理人といいます。復代理人は代理人の代理人ではな...

自己契約・双方代理と利益相反行為(108条)じこけいやくそうほうだいりとりえきそうはんこうい

自己契約とは代理人が自ら相手方となって本人を代理することであり、双方代理とは同一人が当事者双方の代理人となることです。いずれも、代理人...

代理権の濫用(107条)だいりけんのらんよう

代理権の濫用とは、代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をすることです。相手方がその目的を知り、又は知ることがで...

無権代理行為の追認・追認拒絶と相手方の催告権・取消権(113条〜116条)むけんだいりこういのついにんついにんきょぜつとあいてがたのさいこくけんとりけしけん

無権代理行為とは、代理権を有しない者が他人の代理人としてした行為のことです。その契約は本人が追認しなければ本人に効力を生じず(113条...

無権代理人の責任(117条)むけんだいりにんのせきにん

無権代理人の責任とは、他人の代理人として契約をした者が、自己の代理権を証明できず本人の追認も得られないときに、相手方の選択に従い相手方...

無権代理と相続むけんだいりとそうぞく

無権代理と相続とは、無権代理行為の後に本人と無権代理人の間で相続が起きた場合に、無権代理行為の効力がどうなるかという問題です。判例は、...

代理権授与表示による表見代理(109条)だいりけんじゅよひょうじによるひょうけんだいり

代理権授与表示による表見代理とは、第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者が、その代理権の範囲内でその他人が第三者との間でした...

権限外の行為の表見代理(110条・基本代理権・正当な理由)けんげんがいのこういのひょうけんだいり

権限外の行為の表見代理とは、代理人がその権限外の行為をした場合に、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるとき、本人がその...

代理権消滅後の表見代理(112条)だいりけんしょうめつごのひょうけんだいり

代理権消滅後の表見代理とは、他人に代理権を与えた者が、代理権の消滅後にその他人が元の代理権の範囲内で第三者とした行為について、代理権の...

日常家事債務の連帯責任と110条の趣旨の類推(761条)にちじょうかじさいむのれんたいせきにんとひゃくじゅうじょうのしゅしのるいすい

日常家事債務とは、夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたことによって生じた債務で、他方も連帯してその責任を負います(76...

第4章

無効・取消し、条件・期限・期間、時効

無効と無効行為の追認・転換(119条・他人の権利の処分の追認)むこうとむこうこういのついにんてんかん

無効とは、法律行為が形式的には成立していても、初めから効力を生じないことです。無効な行為は追認によっても効力を生じませんが、当事者が無...

取消権者と取消しの方法(120条・123条)とりけしけんしゃととりけしのほうほう

取消権者とは、取り消すことができる行為を取り消すことができる者のことで、行為能力の制限による取消しでは制限行為能力者とその代理人・承継...

取消しの効果と原状回復(121条・121条の2)とりけしのこうかとげんじょうかいふく

取消しの効果とは、取り消された行為が初めから無効であったものとみなされること(121条)で、無効な行為に基づいて給付を受けた者は相手方...

取り消すことができる行為の追認と法定追認(122条〜125条)とりけすことができるこういのついにんとほうていついにん

取り消すことができる行為の追認とは、取消権者が取消権を放棄して行為を確定的に有効とする意思表示で、追認すると以後取り消すことができなく...

取消権の期間制限(126条)とりけしけんのきかんせいげん

取消権の期間制限とは、取消権が追認をすることができる時から5年間行使しないときと、行為の時から20年を経過したときに消滅することです(...

条件の種類と効力(停止条件・解除条件・既成条件・不能条件・不法条件・随意条件・条件に親しまない行為)じょうけんのしゅるいとこうりょく

条件とは、法律行為の効力の発生又は消滅を、将来発生するかどうか不確実な事実にかからせる定めのことで、成就によって効力が生じる停止条件と...

条件の成就の妨害と不正な成就(130条)じょうけんのじょうじゅのぼうがいとふせいなじょうじゅ

条件の成就の妨害とは、条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意に条件の成就を妨げることで、相手方はその条件が成就したものと...

条件付権利の保護(128条・129条)じょうけんつきけんりのほご

条件付権利とは、条件が成就すれば権利を取得し又は義務を免れるという、条件の成否未定の間の当事者の法的地位のことです。各当事者は条件の成...

期限と期限の利益(135条〜137条・出世払い)きげんときげんのりえき

期限とは、法律行為の効力の発生・消滅や債務の履行を、将来到来することが確実な事実にかからせる定めのことで、時期が決まっている確定期限と...

期間の計算(138条〜143条)きかんのけいさん

期間の計算とは、日・週・月・年などで定めた期間の起算点と満了点を決めるルールのことで、時間で定めた期間は即時から起算し、日・週・月・年...

時効の援用と援用権者(145条・144条)じこうのえんようとえんようけんしゃ

時効の援用とは、時効の利益を受けようとする者がその意思を表示することで、時効は当事者が援用しなければ裁判所がこれによって裁判をすること...

時効の利益の放棄と時効完成後の債務の承認じこうのりえきのほうきとじこうかんせいごのさいむのしょうにん

時効の利益の放棄とは、時効が完成した後に、時効による権利の得喪を生じさせないことを確定させる意思表示のことで、時効の利益はあらかじめ放...

時効の完成猶予と更新の事由(147条〜152条・旧「中断」)じこうのかんせいゆうよとこうしんのじゆう

時効の完成猶予とは、一定の事由がある間や一定の期間は時効が完成しないことで、時効の更新とは、一定の事由があったときにそれまでの期間が効...

完成猶予・更新の効力の及ぶ者(153条・154条・物上保証人・連帯債務・保証)かんせいゆうよこうしんのこうりょくのおよぶもの

完成猶予・更新の効力の及ぶ者とは、時効の完成猶予又は更新の効力が及ぶ人の範囲のことで、原則として事由が生じた当事者とその承継人の間でだ...

取得時効の要件(162条・所有の意思・平穏公然・善意無過失・占有の継続・自己物)しゅとくじこうのようけん

取得時効とは、所有の意思をもって平穏かつ公然と他人の物を一定期間占有した者が、その所有権を取得する制度のことです(162条)。期間は2...

所有権以外の財産権の取得時効(163条・賃借権・地上権・地役権)しょゆうけんいがいのざいさんけんのしゅとくじこう

所有権以外の財産権の取得時効とは、地上権・地役権・賃借権など所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって平穏かつ公然と行使する者...

消滅時効の期間(166条〜169条)しょうめつじこうのきかん

消滅時効の期間とは、権利を行使しない状態が続いたときに権利が時効で消滅するまでの期間のことで、債権は権利を行使できることを知った時から...

消滅時効の起算点しょうめつじこうのきさんてん

消滅時効の起算点とは、消滅時効の期間を数え始める時点のことで、債権では、権利を行使することができる時(客観的起算点)と、債権者が権利を...

第5章

物権総論と物権変動

物権の意義と客体(物権法定主義・一物一権主義・一筆の土地の一部・集合物・金銭)ぶっけんのいぎときゃくたい

物権とは、特定の物を直接に支配し、他人を排除できる権利です(175条)。物権は民法その他の法律に定めるもののほかは創設できず(物権法定...

物権的請求権の性質と要件(相手方の故意過失不要・時効消滅しない・費用負担)ぶっけんてきせいきゅうけんのせいしつとようけん

物権的請求権とは、物権の円満な支配が妨げられ又は妨げられるおそれがあるときに、物権者がその回復や予防を相手方に求める権利で、返還請求権...

物権的請求権の相手方(建物収去と登記名義人・間接占有者・建物賃借人)ぶっけんてきせいきゅうけんのあいてがた

物権的請求権の相手方とは、物権的請求権を行使して返還や妨害の除去を求める相手で、現に物を占有し又は妨害状態を支配している者をいいます。...

物権変動の時期と意思主義(176条・所有権移転時期・物権行為の独自性)ぶっけんへんどうのじきといししゅぎ

意思主義とは、物権の設定及び移転は当事者の意思表示のみによって効力を生じ、登記や引渡しなどの形式を要しないとする考え方です(176条)...

177条の「第三者」の範囲(制限説・不法占拠者・前主・賃借人・差押債権者)ひゃくななじゅうななじょうのだいさんしゃのはんい

177条の「第三者」とは、当事者及びその包括承継人以外の者で、不動産に関する物権の得喪及び変更の登記の欠缺を主張する正当の利益を有する...

背信的悪意者排除論と背信的悪意者からの転得者はいしんてきあくいしゃはいじょろんとはいしんてきあくいしゃからのてんとくしゃ

背信的悪意者とは、実体上物権変動があった事実を知る者で、その物権変動についての登記の欠缺を主張することが信義に反すると認められる事情が...

取消しと登記(取消し前の第三者・取消し後の第三者)とりけしととうき

取消しと登記とは、不動産の売買などが取り消された場合に、取消権者が取消しによる所有権の復帰を第三者に主張するのに登記が要るかという問題...

解除と登記(解除前の第三者・解除後の第三者)かいじょととうき

解除と登記とは、不動産の売買契約が解除された場合に、解除者が所有権の復帰を第三者に主張するのに登記が要るかという問題です。判例は、解除...

取得時効と登記(時効完成前後の第三者・起算点の固定・再度の時効取得)しゅとくじこうととうき

取得時効と登記とは、不動産を時効取得した者が、その取得を第三者に主張するのに登記が要るかという問題です。判例は、時効完成前に所有権を取...

相続と登記(共同相続・相続放棄・遺産分割・遺贈・特定財産承継遺言・遺言執行者)そうぞくととうき

相続と登記とは、相続によって不動産を取得した者が、その取得を第三者に主張するのに登記が要るかという問題です。自己の法定相続分は登記なし...

登記請求権と中間省略登記・真正な登記名義の回復とうきせいきゅうけんとちゅうかんしょうりゃくとうきしんせいなとうきめいぎのかいふく

登記請求権とは、実体の権利関係と登記が一致しないときに、登記の当事者の一方が他方に登記手続への協力を求める権利です。所有権などの物権に...

登記の有効要件と推定力(流用・不法抹消・無効登記の追認・権利推定)とうきのゆうこうようけんとすいていりょく

推定力とは、登記があればその登記どおりの権利関係があると事実上推定される登記の効力をいいます。登記は実体の権利関係に符合して初めて有効...

動産物権変動の対抗要件(178条・引渡しの4方法・登録自動車)どうさんぶっけんへんどうのたいこうようけん

動産物権変動の対抗要件とは、動産に関する物権の譲渡を第三者に対抗するために必要な引渡しのことです(178条)。引渡しには現実の引渡し・...

即時取得の要件(取引行為・占有の取得方法・善意無過失の推定・対象外の場面)そくじしゅとくのようけん

即時取得とは、取引行為によって平穏かつ公然と動産の占有を始めた者が、前主に処分の権利がないことについて善意無過失であるときに、即時にそ...

盗品・遺失物の回復請求と代価弁償(193条・194条)とうひんいしつぶつのかいふくせいきゅうとだいかべんしょう

盗品・遺失物の回復請求とは、即時取得の要件を満たす占有者に対しても、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者が盗難又は遺失...

明認方法と立木(立木法の登記がない立木)めいにんほうほうとりゅうぼく

明認方法とは、立木などについて、木の皮を削って所有者名を書く、立札を立てるなどの方法で、現在の所有者が誰かを第三者に示す慣習上の公示方...

物権の混同(179条)ぶっけんのこんどう

物権の混同とは、同一物について所有権と他の物権が同一人に帰属したときに、その他の物権が消滅することです(179条1項本文)。ただし、そ...

物権変動・物権的請求権の要件事実(所有権喪失の抗弁・対抗要件の抗弁・占有権原の抗弁)ぶっけんへんどうぶっけんてきせいきゅうけんのようけんじじつ

要件事実とは、一定の法律効果が生じるために必要な具体的な事実で、訴訟ではその効果を主張する側が主張立証します。所有権に基づく明渡請求で...

第6章

占有権・所有権

占有権の成立と占有の態様(所持・占有補助者・代理占有・自主占有と他主占有・186条の推定)せんゆうけんのせいりつとせんゆうのたいよう

占有権とは、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する権利です(180条)。占有は、自ら所持する直接占有と占有代理人...

占有の承継と相続(185条の新権原・187条・相続と占有)せんゆうのしょうけいとそうぞく

占有の承継とは、売買や相続によって前の占有者の占有を引き継ぐことです。承継人は前の占有者の占有を併せて主張するか自己の占有のみを主張す...

占有者と回復者の関係(果実の取得・滅失損傷の責任・費用償還 189条〜196条)せんゆうしゃとかいふくしゃのかんけい

占有者と回復者の関係とは、本権のない占有者が物を回復者に返すときに、果実の帰属、占有物を滅失・損傷した責任、支出した必要費・有益費の償...

占有の訴え(占有回収・占有保持・占有保全の要件と期間)せんゆうのうったえ

占有の訴えとは、占有者が本権の有無にかかわらず、占有を奪われたときは物の返還を、妨害されたときは妨害の停止を、妨害されるおそれがあると...

占有の訴えと本権の訴えの関係(202条・本権に基づく反訴・自力救済)せんゆうのうったえとほんけんのうったえのかんけい

本権の訴えとは、所有権・地上権・賃借権など占有を正当化する権利(本権)に基づいて物の返還などを求める訴えです。占有の訴えと本権の訴えは...

相隣関係(隣地使用・竹木の枝と根・境界標・水・境界線付近の建築・継続的給付の設備)そうりんかんけい

相隣関係とは、隣り合う土地の所有者どうしが、隣地の使用、竹木の枝と根、水の流れ、境界標と囲障、境界線付近の建築、電気・ガス・水道の設備...

囲繞地通行権(210条〜213条)いにょうちつうこうけん

囲繞地通行権とは、他の土地に囲まれて公道に通じない土地(袋地)の所有者が、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地(囲繞地)を通行...

不動産の付合(242条・権原・建前・増築)ふどうさんのふごう

不動産の付合とは、不動産に従として結合して分離できなくなった物の所有権を、不動産の所有者が取得することです(242条本文)。権原によっ...

動産の付合・混和・加工(243条〜248条)どうさんのふごうこんわかこう

動産の付合とは、所有者の違う動産が結合して損傷しなければ分離できなくなることで、混和は物が混ざって識別できなくなること、加工は他人の動...

共有持分の処分と放棄・相続人不存在(255条・958条の2との関係)きょうゆうもちぶんのしょぶんとほうきそうぞくにんふそんざい

共有持分とは、各共有者が共有物について持つ所有権の割合です。各共有者は持分を自由に譲渡・担保設定・放棄でき、持分を放棄したときや相続人...

共有物の使用・管理・変更(249条〜252条の2・令和3年改正)きょうゆうぶつのしようかんりへんこう

共有物の使用・管理・変更とは、共有物の扱いの重さに応じた決め方の規律です。各共有者は持分に応じて全部を使用でき(249条)、保存行為は...

共有者の一人による権利行使(保存行為・不実登記の抹消・損害賠償・共有者間の明渡し)きょうゆうしゃのひとりによるけんりこうし

共有者の一人による権利行使とは、各共有者が単独で共有物を守るためにできる請求の範囲の問題です。保存行為(252条5項)として不法占拠者...

共有物の管理費用と共有物に関する債権(253条・254条・259条)きょうゆうぶつのかんりひようときょうゆうぶつにかんするさいけん

共有物の管理費用とは、各共有者が持分に応じて負う共有物の管理の費用その他の負担です(253条1項)。共有物について他の共有者に対して持...

共有物分割(256条〜262条の2・遺産共有との区別・全面的価格賠償)きょうゆうぶつぶんかつ

共有物分割とは、共有者の請求によって共有関係を解消し、共有物を各共有者に分けることです(256条)。協議が調わなければ裁判所が現物分割...

所有者不明土地・建物の管理命令と管理不全土地・建物の管理命令(264条の2〜264条の14・令和3年改正)しょゆうしゃふめいとちたてもののかんりめいれいとかんりふぜんとちたてもののかんりめいれい

所有者不明土地・建物の管理命令とは、所有者やその所在がわからない土地や建物について、利害関係人の請求で裁判所が管理人を選任し、管理を命...

第7章

用益物権

地上権の内容と性質(265条〜269条の2・存続期間・地代・譲渡・区分地上権)ちじょうけんのないようとせいしつ

地上権とは、他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する物権です(265条)。地下又は空間だけを上下の範囲を定め...

地上権と土地賃借権の比較ちじょうけんととちちんしゃくけんのひかく

地上権とは他人の土地を工作物又は竹木の所有のために使用する物権で、土地賃借権とは賃貸借契約に基づいて土地を使用収益する債権です。同じよ...

永小作権(270条〜279条)えいこさくけん

永小作権とは、小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする物権です(270条)。小作料の支払が権利の内容に含まれるので必ず有償...

地役権の性質(付従性・随伴性・不可分性・承役地所有者の義務)ちえきけんのせいしつ

地役権とは、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地(承役地)を自己の土地(要役地)の便益に供する物権です(280条)。要役地の所有権に...

地役権の時効取得と消滅時効(283条・289条〜293条)ちえきけんのじこうしゅとくとしょうめつじこう

地役権の時効取得とは、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができる地役権を、163条の要件を満たす行使によって取得することです(...

通行地役権と承役地の譲受人(未登記地役権の対抗)つうこうちえきけんとしょうえきちのゆずりうけにん

通行地役権とは、要役地から公道などへ出るために承役地を通行することを内容とする地役権です。登記のない通行地役権でも、承役地の譲受人が通...

入会権(263条・294条)いりあいけん

入会権とは、村落の住民の集団が慣習に基づいて山林原野などを共同で使用収益する物権です。共有の性質を有する入会権には共有の規定が(263...

第8章

担保物権

担保物権の通有性と効力の比較(付従性・随伴性・不可分性・物上代位性・優先弁済的効力・留置的効力・競売申立権)たんぽぶっけんのつうゆうせいとこうりょくのひかく

担保物権の通有性とは、担保物権におおむね共通して認められる付従性・随伴性・不可分性・物上代位性のことです。民法の担保物権は留置権・先取...

留置権の成立要件(物と債権の牽連性・弁済期・占有が不法行為で始まらないこと)りゅうちけんのせいりつようけん

留置権とは、他人の物の占有者がその物に関して生じた債権を有するときに、その債権の弁済を受けるまでその物を留置できる法定担保物権です(2...

留置権の効力と消滅(引換給付判決・果実・保存に必要な使用・無断賃貸・代担保・占有喪失・期限の許与)りゅうちけんのこうりょくとしょうめつ

留置権の効力とは、留置権者が債権の全部の弁済を受けるまで目的物の全部を留め置き、果実を収取して弁済に充てることができることです(296...

一般の先取特権(306条〜310条・335条・336条)いっぱんのさきどりとっけん

一般の先取特権とは、共益の費用・雇用関係・子の監護の費用・葬式の費用・日用品の供給の5つの原因によって生じた債権を持つ者が、債務者の総...

動産の先取特権(311条〜324条・333条の追及効の制限)どうさんのさきどりとっけん

動産の先取特権とは、不動産の賃貸借・旅館の宿泊・運輸・動産の保存・動産の売買など8つの原因によって生じた債権を持つ者が、債務者の特定の...

不動産の先取特権(325条〜328条・337条〜340条)ふどうさんのさきどりとっけん

不動産の先取特権とは、不動産の保存・工事・売買によって生じた債権を持つ者が、債務者の特定の不動産について優先弁済を受ける法定担保物権で...

先取特権の順位と他の担保物権との競合(329条〜334条)さきどりとっけんのじゅんいとたのたんぽぶっけんとのきょうごう

先取特権の順位とは、同じ財産の上に複数の先取特権や他の担保物権が競合したときに、どれが先に弁済を受けるかの順序です(329条〜334条...

動産売買先取特権の物上代位(304条・転売代金・請負代金・差押えの意義)どうさんばいばいさきどりとっけんのぶつじょうだいい

動産売買先取特権の物上代位とは、動産の売主が、買主の転売によって生じた代金債権など目的動産に代わる債権に対し、払渡し又は引渡しの前に差...

質権総論と動産質(342条〜355条・要物性・代理占有の禁止・転質・流質・占有喪失)しちけんそうろんとどうさんしち

質権とは、債権者が債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、その物について他の債権者に先立って弁済を受ける約定担保物権...

不動産質(356条〜361条)ふどうさんしち

不動産質とは、不動産を目的とする質権です。不動産質権者は目的不動産を用法に従い使用収益でき、その代わりに管理の費用を負担し、利息を請求...

債権質(362条〜366条・対抗要件・直接取立て・担保価値維持義務)さいけんしち

債権質とは、債権を目的とする質権です(362条1項)。対抗要件は債権譲渡と同じく第三債務者への通知又はその承諾で(364条)、質権者は...

抵当権の設定と付従性・物上保証人の地位(369条・将来債権・流用登記・不法原因給付)ていとうけんのせっていとふじゅうせいぶつじょうほしょうにんのちい

抵当権とは、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って弁済を受ける約定担保物権です(3...

抵当権の効力の及ぶ範囲(370条・371条・付加一体物・従物・従たる権利・果実・分離物)ていとうけんのこうりょくのおよぶはんい

抵当権の効力の及ぶ範囲とは、抵当権が抵当不動産のほかにどの物・権利・果実に及ぶかの問題です。抵当権は、抵当地の上の建物を除き、抵当不動...

抵当権に基づく物上代位(賃料・転貸賃料・保険金・損害賠償請求権・差押えの意義・債権譲渡・相殺・敷金・転付命令)ていとうけんにもとづくぶつじょうだいい

抵当権に基づく物上代位とは、抵当権者が、抵当不動産の売却・賃貸・滅失・損傷によって債務者(所有者)が受けるべき金銭その他の物に対しても...

抵当権侵害(妨害排除請求・抵当権者への直接明渡し・損害賠償・期限の利益の喪失)ていとうけんしんがい

抵当権侵害とは、抵当不動産の損傷・不法占有・競売妨害目的の占有など、抵当不動産の交換価値の実現を妨げ、抵当権者の優先弁済請求権の行使を...

法定地上権の成否(388条)ほうていちじょうけんのせいひ

法定地上権とは、土地とその上の建物が同一の所有者に属する場合に、その土地又は建物に設定された抵当権の実行で所有者が別々になったとき、建...

一括競売(389条)いっかつけいばい

一括競売とは、抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたとき、抵当権者が土地とともにその建物を競売することです(389条1項本文)。抵当...

抵当権と賃借権(395条の明渡猶予・387条の同意の登記による対抗)ていとうけんとちんしゃくけん

抵当権と賃借権とは、同じ不動産の上で対抗要件の先後によって優劣が決まる二つの権利のことです。抵当権設定登記に後れる賃借権は競売で効力を...

第三取得者の保護(代価弁済・抵当権消滅請求・費用償還・買受人)だいさんしゅとくしゃのほご

第三取得者とは、抵当権が設定された不動産の所有権などを抵当権設定者から取得した者のことです。民法は、その者が抵当権の負担から抜け出す方...

抵当権の処分(376条・377条・転抵当・抵当権の譲渡と放棄・順位の譲渡と放棄・順位の変更)ていとうけんのしょぶん

抵当権の処分とは、抵当権者が、抵当権を他の債権の担保とすること(転抵当)と、同一の債務者に対する他の債権者の利益のために抵当権又はその...

共同抵当(392条・393条・物上保証人と後順位抵当権者)きょうどうていとう

共同抵当とは、債権者が同一の債権の担保として数個の不動産に抵当権を有することです。同時に配当するときは各不動産の価額に応じて債権の負担...

抵当権の消滅(396条・397条・混同・消除主義・目的物の滅失)ていとうけんのしょうめつ

抵当権の消滅とは、被担保債権の弁済などによる付従性での消滅のほか、目的物の滅失、競売による売却、混同、第三者による抵当不動産の時効取得...

根抵当権の設定と変更(398条の2〜398条の18・被担保債権の範囲・債務者・譲渡・相続)ねていとうけんのせっていとへんこう

根抵当権とは、設定行為で定めるところにより、債務者との一定の種類の取引などから生ずる一定の範囲に属する不特定の債権を、極度額の限度にお...

根抵当権の元本の確定と確定後の権利(398条の19〜398条の22)ねていとうけんのがんぽんのかくていとかくていごのけんり

根抵当権の元本の確定とは、根抵当権が担保する元本債権が特定され、その後に生じる元本は担保されなくなることです。確定すると随伴性などが生...

譲渡担保の法的構成と実行(受戻権・清算義務・弁済期後の処分・設定者の地位)じょうとたんぽのほうてきこうせいとじっこう

譲渡担保とは、債務の担保のために目的物の所有権を債権者に移転し、債務が弁済されれば設定者に戻り、弁済されなければ債権者が目的物を処分す...

集合動産・集合債権の譲渡担保しゅうごうどうさんしゅうごうさいけんのじょうとたんぽ

集合動産・集合債権の譲渡担保とは、倉庫の在庫商品のように構成部分が入れ替わる動産の集まりを種類・所在場所・量的範囲などで特定して一個の...

所有権留保(仮登記担保・代理受領を含む)しょゆうけんりゅうほ

所有権留保とは、売買で目的物を買主に引き渡した後も、代金が完済されるまで目的物の所有権を売主に留めておき、代金債権の担保とすることです...

第9章

債権の目的と効力

特定物債権と保存義務(400条)・注意義務の程度の一覧とくていぶつさいけんとほぞんぎむ

特定物債権とは、この絵画・この建物のように、当事者が物の個性に着目して定めた特定物の引渡しを目的とする債権のことで、債務者は引渡しをす...

種類債権の特定と選択債権(401条・406条〜411条)しゅるいさいけんのとくていとせんたくさいけん

種類債権とは、ビール1ダース・米1トンのように、目的物を種類と数量だけで指定した債権のことで、債務者が物の給付をするのに必要な行為を完...

金銭債権と利息債権(402条〜405条・外国通貨・重利)きんせんさいけんとりそくさいけん

金銭債権とは、一定額の金銭の支払を目的とする債権のことで、債務者は各種の通貨で弁済でき、外国の通貨で債権額を指定したときも日本の通貨で...

法定利率と金銭債務の特則(404条・419条・417条の2)ほうていりりつときんせんさいむのとくそく

法定利率とは、当事者が利率を定めなかったときに使う法律上の利率のことで、年3パーセントを出発点とし、3年を一期として基準割合の変動に応...

履行遅滞の時期(412条・期限の種類と債務の性質別の一覧)りこうちたいのじき

履行遅滞とは、債務者が履行期に履行できるのに履行しないことで、遅滞の責任を負う時期は、確定期限があれば期限の到来した時、不確定期限があ...

履行不能・原始的不能と代償請求権(412条の2・413条の2・422条の2)りこうふのうげんしてきふのうとだいしょうせいきゅうけん

履行不能とは、債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能であることで、債権者はその履行を請求できなくなり...

債務不履行の要件(帰責事由・履行補助者・主張立証責任)さいむふりこうのようけん

債務不履行とは、債務者がその債務の本旨に従った履行をしないこと又は債務の履行が不能であることで、債権者はこれによって生じた損害の賠償を...

損害賠償の範囲と算定時期(416条)そんがいばいしょうのはんいとさんていじき

損害賠償の範囲とは、債務不履行によって生じた損害のうち賠償させる部分のことで、通常生ずべき損害が原則で、特別の事情によって生じた損害は...

損害賠償の方法・賠償額の予定・過失相殺(417条〜422条)そんがいばいしょうのほうほうばいしょうがくのよていかしつそうさい

損害賠償の方法とは、債務不履行による損害をどのような形で賠償するかのことで、別段の意思表示がなければ金銭で定めます(417条)。賠償額...

信義則上の義務(安全配慮義務・契約締結過程の説明義務)しんぎそくじょうのぎむ

安全配慮義務とは、ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入った当事者間において、その法律関係の付随義務として、相手方の生命や健...

受領遅滞(413条)と受領義務じゅりょうちたい

受領遅滞とは、債務者が債務の本旨に従った履行の提供をしたのに、債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができないことで、特...

履行の強制(414条・直接強制・代替執行・間接強制・意思表示の擬制)りこうのきょうせい

履行の強制とは、債務者が任意に債務を履行しないときに、債権者が民事執行法などの手続に従い、直接強制、代替執行、間接強制その他の方法で債...

債権者代位権の要件(被保全債権・保全の必要性・被代位権利)さいけんしゃだいいけんのようけん

債権者代位権とは、債権者が自己の債権を保全するため必要があるときに、債務者に属する権利(被代位権利)を債務者に代わって行使できる権利の...

債権者代位権の行使と効果(423条の2〜423条の6)さいけんしゃだいいけんのこうしとこうか

債権者代位権の行使とは、債権者が自己の名で、債務者に属する権利(被代位権利)を相手方(第三債務者)に対して行使することで、目的が可分な...

債権者代位権の転用(423条の7・登記請求権・妨害排除請求権)さいけんしゃだいいけんのてんよう

債権者代位権の転用とは、債務者の責任財産を保全するという本来の目的を離れて、登記請求権や賃借権のような特定の債権を実現するために債権者...

詐害行為取消権の要件と類型別の特則(424条〜424条の4)さがいこういとりけしけんのようけんとるいけいべつのとくそく

詐害行為取消権とは、債務者が債権者を害することを知ってした財産権を目的とする行為の取消しを、債権者が裁判所に請求できる権利のことで、被...

詐害行為取消権の行使と効果(424条の5〜426条)さがいこういとりけしけんのこうしとこうか

詐害行為取消権の行使とは、債権者が受益者又は転得者を被告とする訴えによって、債務者がした行為の取消しとその行為で移転した財産の返還(返...

第10章

多数当事者の債権債務・保証・債権譲渡・債務引受

多数当事者の債権債務の類型(分割・不可分・連帯・不真正連帯)たすうとうじしゃのさいけんさいむのるいけい

多数当事者の債権債務の類型とは、債権者又は債務者が数人いる場合の関係を、別段の意思表示がない限り等しい割合で分かれる分割債権・分割債務...

連帯債務の影響関係(絶対的効力と相対的効力、437条〜441条)れんたいさいむのえいきょうかんけい

連帯債務とは、性質上可分な給付について、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人の債務者が各自全部の履行をする義務を負い、一人が弁済...

連帯債務者間の求償(442条〜445条)れんたいさいむしゃかんのきゅうしょう

連帯債務者間の求償とは、連帯債務者の一人が弁済その他自己の財産をもって共同の免責を得たときに、その額が自己の負担部分を超えるかどうかに...

連帯債権・不可分債権・不可分債務(428条〜435条の2)れんたいさいけんふかぶんさいけんふかぶんさいむ

連帯債権とは、性質上可分な給付について、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人の債権者が各自全ての債権者のために全部の履行を請求で...

保証債務の成立と性質(446条〜449条・付従性・随伴性・補充性)ほしょうさいむのせいりつとせいしつ

保証債務とは、主たる債務者がその債務を履行しないときに保証人がその履行をする責任を負う債務で、債権者と保証人の間の書面による保証契約で...

保証人の抗弁と主債務者との影響関係(452条・453条・457条・458条)ほしょうにんのこうべんとしゅさいむしゃとのえいきょうかんけい

保証人の抗弁とは、債権者から履行を請求された保証人が主張できる防御で、催告の抗弁・検索の抗弁(452条・453条)と、主たる債務者の抗...

保証人の求償(459条〜465条)と物上保証人ほしょうにんのきゅうしょう

保証人の求償とは、保証人が債務の消滅行為をしたときに主たる債務者に償還を求めることで、委託を受けた保証人は支出額と法定利息等を求償でき...

根保証と継続的保証(465条の2〜465条の5・身元保証・賃借人の保証)ねほしょうとけいぞくてきほしょう

根保証とは、一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証で、保証人が法人でない個人根保証契約は、極度額を書面で定めなければ効力...

保証人保護の情報提供義務と保証意思宣明公正証書(458条の2・458条の3・465条の6・465条の10)ほしょうにんほごのじょうほうていきょうぎむとほしょういしせんめいこうせいしょうしょ

保証人保護の情報提供義務とは、事業のための債務の保証を委託する主たる債務者の契約締結時の情報提供(465条の10)、委託を受けた保証人...

債権譲渡の自由と譲渡制限の意思表示(466条〜466条の5)さいけんじょうとのじゆうとじょうとせいげんのいしひょうじ

債権譲渡とは、債権の同一性を保ったまま契約によって債権を移転することで、債権は原則として自由に譲渡できます(466条1項)。譲渡制限の...

将来債権の譲渡(466条の6)しょうらいさいけんのじょうと

将来債権の譲渡とは、意思表示の時にまだ発生していない債権を譲渡することで、その時に債権が現に発生していることは要らず、譲受人は債権が発...

債権譲渡の対抗要件と二重譲渡の優劣(467条・債権譲渡登記)さいけんじょうとのたいこうようけんとにじゅうじょうとのゆうれつ

債権譲渡の対抗要件とは、譲受人が債権の取得を債務者その他の第三者に主張するための要件で、債務者に対しては譲渡人の通知又は債務者の承諾、...

債権譲渡と債務者の抗弁(468条・異議をとどめない承諾の廃止)さいけんじょうととさいむしゃのこうべん

債権譲渡と債務者の抗弁とは、債権が譲渡されても、債務者が対抗要件具備時までに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗できることです...

併存的債務引受(470条・471条)へいぞんてきさいむひきうけ

併存的債務引受とは、引受人が債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担し、債務者の債務もそのまま存続...

免責的債務引受(472条〜472条の4)めんせきてきさいむひきうけ

免責的債務引受とは、引受人が債務者の債務と同一の内容の債務を負担し、債務者は自己の債務を免れる債務の引受けです(472条1項)。債権者...

第11章

債権の消滅

弁済の提供と弁済の場所・費用・受取証書(484条〜487条・492条・493条)べんさいのていきょうとべんさいのばしょひようとうけとりしょうしょ

弁済の提供とは、債務者が給付の実現に必要な準備をして債権者に受領を求めることで、債務の本旨に従って現実にするのが原則ですが、債権者があ...

第三者弁済(474条)だいさんしゃべんさい

第三者弁済とは、債務者以外の第三者が他人の債務を弁済することで、債務の性質が許さないときや当事者が禁止・制限したときを除いて認められま...

受領権者としての外観を有する者に対する弁済(478条〜481条)じゅりょうけんしゃとしてのがいかんをゆうするものにたいするべんさい

受領権者としての外観を有する者に対する弁済とは、債権者や受領権限を与えられた者ではないのに、取引上の社会通念に照らして受領権者らしく見...

弁済の充当(488条〜491条)べんさいのじゅうとう

弁済の充当とは、債務者の給付が債務の全部を消滅させるのに足りないときに、その給付をどの債務又はどの部分に当てるかを決めることで、合意が...

代物弁済(482条)だいぶつべんさい

代物弁済とは、弁済者が債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をし、その他の給付を...

預金・預貯金債権をめぐる判例の横断(誤振込み・払戻し・取引経過の開示・遺産分割)よきんよちょきんさいけんをめぐるはんれいのおうだん

預貯金債権とは、預金口座又は貯金口座に係る預金又は貯金に係る債権のことで(466条の5第1項)、預金契約は消費寄託の性質を持ちますが、...

弁済による代位の要件と効果(499条〜501条・原債権と求償権)べんさいによるだいいのようけんとこうか

弁済による代位とは、債務者のために弁済をした者が、債務者に対する求償権の範囲内で、債権者が有していた債権の効力及び担保としての一切の権...

代位者相互の関係・一部代位・担保保存義務(501条3項・502条・504条)だいいしゃそうごのかんけいいちぶだいいたんぽほぞんぎむ

代位者相互の関係とは、保証人・物上保証人・第三取得者など代位できる者が複数いるときに、誰が誰にどの割合で代位できるかの規律で、あわせて...

弁済供託(494条〜498条)べんさいきょうたく

弁済供託とは、弁済者が、債権者の受領拒絶・受領不能又は過失なく債権者を確知できないことを理由に、債権者のために弁済の目的物を供託所に供...

相殺の要件と方法(505条・506条・508条)そうさいのようけんとほうほう

相殺とは、二人が互いに同種の目的を有する債務を負担し、双方の債務が弁済期にあるときに、一方の意思表示によって対当額で双方の債務を消滅さ...

相殺の禁止(509条〜510条・505条2項)そうさいのきんし

相殺の禁止とは、相殺適状にあっても相殺が許されない場合のことで、悪意による不法行為や人の生命・身体の侵害による損害賠償債務を受働債権と...

差押えと相殺(511条)さしおさえとそうさい

差押えと相殺とは、差し押さえられた債権の第三債務者が、差押債務者に対する自分の債権で相殺して差押債権者に対抗できるかの問題で、差押え前...

債権譲渡と相殺(469条)さいけんじょうととそうさい

債権譲渡と相殺とは、譲渡された債権の債務者が譲渡人に対する債権で相殺して譲受人に対抗できるかの問題で、対抗要件具備時より前に取得した債...

更改(513条〜518条)こうかい

更改とは、当事者が従前の債務に代えて、給付の内容について重要な変更をするもの、債務者が第三者と交替するもの、又は債権者が第三者と交替す...

免除(519条)めんじょ

免除とは、債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示することで、債権者の単独行為として債権を消滅させます(519条)。

債権の混同(520条)さいけんのこんどう

債権の混同とは、債権と債務が同一人に帰属することで、その債権は消滅しますが、その債権が第三者の権利の目的であるときは消滅しません(52...

第12章

契約総論

契約の成立(申込みと承諾・到達主義・意思実現)けいやくのせいりつ

契約の成立とは、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(申込み)に対して相手方が承諾をしたときに、契約が効力を持つ合意として成...

申込みの撤回・失効と申込者の死亡(523条〜526条)もうしこみのてっかいしっこうともうしこみしゃのしぼう

申込みの撤回とは、申込者が自分のした申込みを将来に向かってなかったことにすることで、承諾期間を定めた申込みは撤回できず、期間を定めない...

定型約款(548条の2〜548条の4)ていけいやっかん

定型約款とは、定型取引(ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引で、内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合...

同時履行の抗弁権の成否(533条・肯定例と否定例の一覧)どうじりこうのこうべんけんのせいひ

同時履行の抗弁権とは、双務契約の当事者の一方が、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む)を提供するまで、...

同時履行の抗弁権の効果(存在効果・提供の継続・引換給付判決)と留置権との比較どうじりこうのこうべんけんのこうか

同時履行の抗弁権の効果とは、同時履行の抗弁権が付いている債務について、履行期を過ぎても履行遅滞の責任を負わず(存在効果)、訴訟で主張さ...

危険負担(536条・履行拒絶権としての構成)きけんふたん

危険負担とは、双務契約の一方の債務が当事者双方の責めに帰することができない事由によって履行できなくなった場合に、その債務の債権者が反対...

解除の要件(催告解除・無催告解除・軽微な不履行・帰責事由不要)かいじょのようけん

解除の要件とは、債務不履行を理由に契約を解除するために満たすべき条件で、催告による解除(541条)は相当の期間を定めた催告と期間内の不...

解除権の行使と消滅(540条・544条・547条・548条)かいじょけんのこうしとしょうめつ

解除権の行使とは、契約又は法律の規定により解除権を有する当事者が、相手方に対する意思表示によって契約を解除することで、その意思表示は撤...

解除の効果(545条・原状回復・使用利益・利息・損害賠償)かいじょのこうか

解除の効果とは、解除権の行使によって生じる法律効果で、契約は遡って消滅し、各当事者は相手方を原状に復させる義務を負い、金銭には受領の時...

第三者のためにする契約と契約上の地位の移転(537条〜539条の2)だいさんしゃのためにするけいやくとけいやくじょうのちいのいてん

第三者のためにする契約とは、契約により当事者の一方(債務者)が第三者に対してある給付をすることを約し、その第三者が債務者に対して直接に...

書面・方式を要する契約と要物契約の一覧(横断)しょめんほうしきをようするけいやくとようぶつけいやくのいちらん

要物契約とは、合意に加えて目的物の引渡しがあって初めて成立する契約で、現行民法では書面によらない消費貸借がこれに当たります(587条)...

契約類型別の終了・任意解除・報酬の比較(貸借型・役務提供型の横断)けいやくるいけいべつのしゅうりょうにんいかいじょほうしゅうのひかく

任意解除とは、債務不履行がなくても当事者の一方がいつでも契約を終わらせることができることで、委任の各当事者(651条)や請負の注文者(...

第13章

契約各論

書面によらない贈与の解除(550条)しょめんによらないぞうよのかいじょ

書面によらない贈与とは、贈与の意思が書面に表されていない贈与のことで、各当事者が解除をすることができますが、履行の終わった部分について...

贈与の効力(551条〜554条・負担付贈与・定期贈与・死因贈与)ぞうよのこうりょく

贈与の効力とは、贈与者が負う引渡義務の内容と特殊な贈与の扱いのことで、贈与者は目的物を特定した時の状態で引き渡すことを約したものと推定...

他人物売買(561条)たにんぶつばいばい

他人物売買とは、他人の権利(権利の一部が他人に属する場合のその一部を含みます)を売買の目的とする売買で、契約は有効に成立し、売主はその...

契約不適合責任の救済手段(562条〜564条・追完・代金減額・損害賠償・解除)けいやくふてきごうせきにんのきゅうさいしゅだん

契約不適合責任とは、引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないときに売主が負う責任で、買主は追完請求・代金減...

契約不適合責任の期間制限と特則(566条・568条・572条・数量超過)けいやくふてきごうせきにんのきかんせいげんととくそく

契約不適合責任の期間制限とは、種類又は品質の不適合について、買主が不適合を知った時から1年以内に売主に通知しなければ責任を追及できなく...

手付(557条・解約手付と履行の着手)てつけ

手付とは、契約の締結の際に当事者の一方から相手方に交付される金銭で、売買では解約手付と推定され、買主は手付を放棄し、売主は倍額を現実に...

売買の付随規定と買戻し(573条〜581条)ばいばいのふずいきていとかいもどし

売買の付随規定とは、代金の支払期限・支払場所、果実と代金の利息の帰属、代金の支払拒絶といった売買に付随する事項を定めた規定のことで(5...

危険の移転(567条)と売買の受領遅滞きけんのいてん

危険の移転とは、売買の目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由で滅失・損傷した場合の損失が、目的物の引渡し(又は契約に適合す...

消費貸借と準消費貸借(587条〜592条)しょうひたいしゃくとじゅんしょうひたいしゃく

消費貸借とは、借主が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還することを約して貸主から金銭その他の物を受け取る契約で(587条。書面でする...

使用貸借(593条〜600条)しようたいしゃく

使用貸借とは、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその物を無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還することを約す...

賃貸借の存続期間・更新・終了と原状回復(民法601条〜622条)ちんたいしゃくのそんぞくきかんこうしんしゅうりょうとげんじょうかいふく

賃貸借の存続期間とは、賃貸借が続く期間のことで、50年を超えることができず(604条)、期間の定めの有無に応じて期間満了・黙示の更新・...

賃貸人の修繕義務・賃料減額と賃借人の費用償還(606条〜611条)ちんたいにんのしゅうぜんぎむちんりょうげんがくとちんしゃくにんのひようしょうかん

賃貸人の修繕義務とは、賃貸人が負う賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務で(606条1項)、これに対応して、賃借人には必要費・有益...

賃借権の対抗力・妨害排除と賃貸人の地位の移転(605条〜605条の4)ちんしゃくけんのたいこうりょくぼうがいはいじょとちんたいにんのちいのいてん

賃借権の対抗力とは、不動産賃借権を登記その他の対抗要件によって、その不動産を取得した第三者に主張できる効力のことで(605条、借地借家...

無断譲渡・転貸と信頼関係破壊の法理(612条)むだんじょうとてんたいとしんらいかんけいはかいのほうり

無断譲渡・転貸とは、賃借人が賃貸人の承諾を得ずに賃借権を譲渡し、又は賃借物を転貸することで、賃借人が第三者に使用収益させれば賃貸人は解...

適法な転貸の効果(613条・合意解除と債務不履行解除)てきほうなてんたいのこうか

適法な転貸とは、賃貸人の承諾を得てする転貸のことで、転借人は賃借人の債務の範囲を限度として賃貸人に直接義務を負い(613条1項)、賃貸...

敷金(622条の2)しききん

敷金とは、いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の金銭債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付す...

借地権(借地借家法:存続期間・更新・対抗力・建物買取請求・定期借地)しゃくちけん

借地権とは、建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権です(借地借家法2条1号)。借地借家法は、存続期間を30年以上とし、正当の事由...

借家権(借地借家法:更新・解約申入れ・正当事由・定期建物賃貸借・造作買取・居住権の承継)しゃくやけん

借家権とは、借地借家法の適用を受ける建物の賃借権です。借地借家法は、賃貸人の更新拒絶と解約申入れに正当の事由を要求し、期間の定めのある...

請負の報酬と仕事の完成・注文者の解除(632条〜634条・641条・642条)うけおいのほうしゅうとしごとのかんせいちゅうもんしゃのかいじょ

請負とは、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約する契約です(632条)。報酬...

請負人の契約不適合責任(636条・637条・559条準用)うけおいにんのけいやくふてきごうせきにん

請負人の契約不適合責任とは、引き渡した仕事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないときに、売買の規定の準用(559条)によ...

完成建物の所有権の帰属(請負)かんせいたてもののしょゆうけんのきぞく

完成建物の所有権の帰属とは、建物の建築請負で完成した建物の所有権が注文者と請負人のどちらに原始的に帰属するかの問題です。判例は、特約が...

委任の受任者の義務(644条〜647条)いにんのじゅにんしゃのぎむ

委任の受任者の義務とは、委任事務を処理する受任者が委任者に対して負う義務です。受任者は、無償でも善良な管理者の注意をもって事務を処理し...

委任者の義務(648条〜650条・報酬・費用・代弁済・損害賠償)いにんしゃのぎむ

委任者の義務とは、委任者が受任者に対して負う報酬・費用・損害についての義務です。報酬は特約がある場合に限られ後払いが原則ですが(648...

委任の解除と終了(651条〜656条)いにんのかいじょとしゅうりょう

委任の解除とは、委任の各当事者がいつでもすることができる解除です(651条1項)。相手方に不利な時期の解除や受任者の利益をも目的とする...

寄託(657条〜666条・保管義務・返還・混合寄託・消費寄託)きたく

寄託とは、当事者の一方がある物を保管することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって効力を生ずる諾成契約です(657条)。...

組合の業務執行と組合員の変動(667条〜683条・脱退・加入・解散)くみあいのぎょうむしっこうとくみあいいんのへんどう

組合の業務執行とは、民法上の組合の業務を決定し執行することです。組合の業務は組合員の過半数で決定し各組合員が執行しますが、業務執行者を...

組合財産と組合債務(675条〜677条・債権者の権利行使・団体の比較)くみあいざいさんとくみあいさいむ

組合財産とは、各組合員の出資その他の組合の財産で、総組合員の共有に属します(668条)。組合員は持分の処分を組合と取引の相手方に対抗で...

和解(695条・696条)わかい

和解とは、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約する契約です(695条)。争いの目的とした事項は、後に真実が判明し...

費用償還の一覧(必要費・有益費の横断)ひようしょうかんのいちらん

費用償還の一覧とは、他人の物や事務について支出した必要費・有益費を誰がどの範囲で償還するかを、占有者・賃借人・使用借主・留置権者・第三...

第14章

事務管理・不当利得・不法行為

事務管理の成立と管理者の義務(697条〜701条)じむかんりのせいりつとかんりしゃのぎむ

事務管理とは、義務なく他人のためにその事務の管理を始めることで、管理者は、事務の性質に従い最も本人の利益に適合する方法で、本人の意思を...

事務管理の効果(702条・費用償還・代弁済・報酬と損害賠償の否定・本人名義の法律行為)じむかんりのこうか

事務管理の効果とは、事務管理が成立したときに本人と管理者の間に生じる権利義務のことで、管理者は本人のために有益な費用の償還と有益な債務...

不当利得の要件と効果(703条・704条・受益者の善意悪意・現存利益)ふとうりとくのようけんとこうか

不当利得とは、法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼすことで、受益者は、善意ならその利益の存...

騙取金・横領金による弁済と不当利得へんしゅきんおうりょうきんによるべんさいとふとうりとく

騙取金・横領金による弁済と不当利得とは、債務者が第三者から騙取又は横領した金銭で自己の債権者に弁済した場合に、被害者が弁済を受けた債権...

転用物訴権てんようぶつそけん

転用物訴権とは、契約に基づいて給付をした者が、契約の相手方の無資力で対価を回収できないときに、その給付で利益を受けた第三者に不当利得の...

非債弁済・期限前の弁済・他人の債務の弁済(705条〜707条)ひさいべんさいきげんまえのべんさいたにんのさいむのべんさい

非債弁済とは、債務が存在しないのに弁済として給付することで、債務の存在しないことを知っていた者は返還を請求できず(705条)、期限前の...

不法原因給付(708条)ふほうげんいんきゅうふ

不法原因給付とは、公序良俗に反するなど不法な原因のためにされた給付のことで、給付をした者はその返還を請求できませんが、不法な原因が受益...

一般不法行為の要件(709条・712条・713条・720条)いっぱんふほうこういのようけん

一般不法行為とは、故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害し、これによって損害を生じさせることで、加害者は損害を賠...

名誉毀損・プライバシーと救済方法(710条・723条)めいよきそんぷらいばしーときゅうさいほうほう

名誉毀損とは、人の品性・徳行・名声・信用などについて社会から受ける客観的評価を低下させることで、被害者は財産以外の損害の賠償(710条...

損害と損害賠償請求権者(慰謝料の相続・近親者の慰謝料・胎児・逸失利益)そんがいとそんがいばいしょうせいきゅうけんしゃ

損害賠償請求権者とは、不法行為による損害の賠償を請求できる者のことで、被害者本人の慰謝料請求権は死亡すれば当然に相続され、生命侵害の場...

過失相殺・素因・損益相殺(722条2項)かしつそうさいそいんそんえきそうさい

過失相殺とは、被害者に過失があるときに裁判所がこれを考慮して損害賠償の額を定めることで(722条2項)、判例はこれを被害者側の過失や被...

不法行為の損害賠償請求権の期間制限と遅延損害金(724条・724条の2)ふほうこういのそんがいばいしょうせいきゅうけんのきかんせいげんとちえんそんがいきん

不法行為の損害賠償請求権の期間制限とは、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年)、不法...

責任無能力者の監督義務者等の責任(714条)せきにんむのうりょくしゃのかんとくぎむしゃとうのせきにん

責任無能力者の監督義務者等の責任とは、未成年者や精神上の障害のある者が責任能力を欠いて賠償責任を負わない場合に、その者を監督する法定の...

使用者責任と求償(715条・失火責任法との関係)しようしゃせきにんときゅうしょう

使用者責任とは、ある事業のために他人を使用する者が、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任のことで、使用者が選...

工作物責任と動物占有者の責任(717条・718条)こうさくぶつせきにんとどうぶつせんゆうしゃのせきにん

工作物責任とは、土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害が生じたときに、まず占有者が、占有者が損害の発生を防止する...

共同不法行為(719条)と求償・影響関係きょうどうふほうこうい

共同不法行為とは、数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えることで、各自が連帯して損害の全額を賠償する責任を負い、加害者が誰か分か...

債務不履行責任と不法行為責任の比較(横断)さいむふりこうせきにんとふほうこういせきにんのひかく

債務不履行責任と不法行為責任の比較とは、同じ損害について契約上の債務の不履行(415条)と不法行為(709条)のどちらで賠償を求めるか...

第15章

親族・相続

親族の範囲・親等と姻族関係の終了(725条〜730条)しんぞくのはんいしんとうといんぞくかんけいのしゅうりょう

親族の範囲とは、民法上の親族を六親等内の血族・配偶者・三親等内の姻族とする定めで(725条)、親等は世代数を数えて定め(726条)、姻...

婚姻の成立(婚姻意思・婚姻障害・無効と取消し)こんいんのせいりつ

婚姻の成立とは、当事者間に婚姻をする意思があり、婚姻障害(731条・732条・734条〜736条)がなく、戸籍法の定めるところにより届...

婚姻の効力と夫婦財産制(750条〜762条・日常家事債務・夫婦間の時効)こんいんのこうりょくとふうふざいさんせい

婚姻の効力とは、婚姻によって夫婦の間に生じる効果で、夫婦の氏(750条)・同居協力扶助の義務(752条)・夫婦間の権利の時効の完成猶予...

離婚の成立と離婚意思(763条〜771条)りこんのせいりつとりこんいし

離婚の成立とは、夫婦が協議で離婚意思を合致させて戸籍法の届出をすること(協議上の離婚。763条・764条・739条1項)、又は770条...

離婚の効果(復氏・婚氏続称・子の監護・親子交流・養育費・子の氏の変更)りこんのこうか

離婚の効果とは、離婚によって生じる身分上・財産上の効果で、婚姻によって氏を改めた者の当然の復氏と婚氏続称(767条)、子の監護をすべき...

財産分与(768条)ざいさんぶんよ

財産分与とは、離婚をした者の一方が相手方に対して財産の分与を請求することで(768条1項・771条)、協議が調わなければ離婚の時から5...

内縁(準婚理論・不当破棄・死亡解消・居住権・扶養利益)ないえん

内縁とは、婚姻の届出をしていないが、男女が相協力して夫婦としての共同生活を営む結合のことで、判例は婚姻に準ずる関係(準婚関係)として、...

嫡出推定と嫡出否認(772条〜778条の4・令和4年改正)ちゃくしゅつすいていとちゃくしゅつひにん

嫡出推定とは、妻が婚姻中に懐胎した子と、婚姻前に懐胎し婚姻成立後に生まれた子を、当該婚姻における夫の子と推定することで(772条1項)...

推定の及ばない子・親子関係不存在確認と生殖補助医療すいていのおよばないこしんしかんけいふそんざいかくにんとせいしょくほじょいりょう

推定の及ばない子とは、772条の要件を形式的には満たすものの、妻が夫の子を懐胎することが外観上明白に不可能な時期に懐胎したため嫡出推定...

認知(779条〜789条)にんち

認知とは、嫡出でない子について、父又は母が戸籍法の届出又は遺言によって法律上の親子関係を生じさせることで(779条・781条)、出生の...

普通養子縁組(792条〜817条・要件・効果・離縁)ふつうようしえんぐみ

普通養子縁組とは、縁組の意思を持つ当事者が届出をすることで、養子が縁組の日から養親の嫡出子の身分を取得し(809条)、実方との親族関係...

特別養子(817条の2〜817条の11)とくべつようし

特別養子とは、家庭裁判所が養親となる者の請求により、817条の3から817条の7までの要件があるときに審判で成立させる、実方の父母及び...

親権者の決定・変更と親権の喪失・停止・辞任(818条〜819条・834条〜837条)しんけんしゃのけっていへんこうとしんけんのそうしつていしじにん

親権者の決定とは、誰が未成年の子の親権者になるかの定めで、父母の婚姻中は双方、子が養子なら養親(とその配偶者である父母)が親権者となり...

親権の内容と利益相反行為(820条〜832条)しんけんのないようとりえきそうはんこうい

親権の内容とは、親権を行う者が子の利益のために持つ監護教育の権利義務(820条〜823条)と財産管理・代表の権限(824条〜832条)...

後見の機関(未成年後見人・成年後見人・後見監督人の選任と職務)こうけんのきかん

後見の機関とは、被後見人の財産を管理し代表する後見人(未成年後見人・成年後見人)と、後見人の事務を監督する後見監督人のことで、未成年後...

扶養(877条〜881条)ふよう

扶養とは、自力で生活できない親族の生活を他の親族が支えることで、直系血族と兄弟姉妹は当然に互いに扶養の義務を負い、3親等内の親族は特別...

相続人(相続順位・代襲相続・同時死亡・胎児)そうぞくにん

相続人とは、被相続人の財産上の権利義務を承継する者で、配偶者は常に相続人となり、子が第1順位、直系尊属が第2順位、兄弟姉妹が第3順位で...

相続欠格と推定相続人の廃除(891条〜895条)そうぞくけっかくとすいていそうぞくにんのはいじょ

相続欠格とは、被相続人等を故意に死亡させようとして刑に処せられた者や遺言書を偽造・破棄した者など891条の事由に当たる者が当然に相続人...

相続分(法定相続分・指定相続分・特別受益・寄与分・特別寄与料・相続分の譲渡)そうぞくぶん

相続分とは、共同相続人が相続財産全体に対して持つ割合のことで、遺言で指定されなければ900条・901条の法定相続分により、特別受益(9...

相続財産の範囲と共同相続財産の帰属(896条〜899条・可分債権・預貯金・賃料・祭祀財産)そうぞくざいさんのはんいときょうどうそうぞくざいさんのきぞく

相続財産とは、相続人が相続開始の時から承継する被相続人の財産に属した一切の権利義務のことで、被相続人の一身に専属したものと祭祀財産は除...

遺産分割(906条〜914条)いさんぶんかつ

遺産分割とは、共同相続人の共有に属する相続財産を各相続人に分けて帰属させる手続で、共同相続人の協議により、協議が調わなければ家庭裁判所...

相続の承認と放棄(915条〜940条・熟慮期間・法定単純承認・限定承認)そうぞくのしょうにんとほうき

相続の承認と放棄とは、相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月の熟慮期間内に、被相続人の権利義務を無限に承継する...

相続人の不存在と特別縁故者(951条〜959条)そうぞくにんのふそんざいととくべつえんこしゃ

相続人の不存在とは、相続人のあることが明らかでない場合のことで、相続財産は法人となり、家庭裁判所が選任した相続財産清算人が清算をし、相...

遺言の方式(960条〜984条)いごんのほうしき

遺言の方式とは、遺言が民法の定める方式に従わなければ効力を生じないとされる作成の決まりのことで、普通の方式として全文・日付・氏名を自書...

遺言の効力・撤回と遺言執行者(985条〜1027条)いごんのこうりょくてっかいといごんしっこうしゃ

遺言の効力・撤回とは、遺言が遺言者の死亡の時から効力を生じ、遺言者はいつでも遺言の方式に従って撤回できることをいい、遺言執行者とは、遺...

遺贈と特定財産承継遺言(964条・986条〜1003条・1014条)いぞうととくていざいさんしょうけいいごん

遺贈とは、遺言によって包括又は特定の名義で財産の全部又は一部を他人に無償で与えることで、特定財産承継遺言とは、遺産分割の方法の指定とし...

遺留分(1042条〜1049条・算定・侵害額請求・放棄)いりゅうぶん

遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人に法律上保障された遺産の取り分で、直系尊属のみが相続人なら遺留分を算定するための財産の価額の3分の1、...

配偶者居住権と配偶者短期居住権(1028条〜1041条)はいぐうしゃきょじゅうけんとはいぐうしゃたんききょじゅうけん

配偶者居住権とは、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた配偶者が、遺産分割又は遺贈によって取得する、その建物の全部を原...

民法を肢別で解く

用語で読んだ論点を、過去問の肢でそのまま確かめられます。無料プランは月100問まで。