司法書士試験AIブートラボ 司法書士AIブートラボ

表題部の更正(職権)ひょうだいぶのこうせい

不動産登記 第11章 表示に関する登記 過去問で2肢

表題部の登記事項に初めから錯誤や遺漏があったときに訂正する更正の登記で、所有者の申請のほか登記官が職権ですることもできます。権利部の職権更正との違い、申請できる者、表題部所有者の更正との区別が肢で突かれます。

表題部の更正は、土地や建物の表題部の登記事項に初めから錯誤または遺漏があったときに、その登記事項を訂正する登記です。地積や床面積の測り違い、地目や種類の誤り、所在の書き間違いが対象です。不動産登記法28条により登記官が職権ですることができ、申請する場合は38条と53条が申請できる者を表題部所有者または所有権の登記名義人に限っています。権利に関する登記の職権更正が登記官の過誤に限られ法務局長の許可を要するのに対し、表示に関する登記は登記官が実地調査で現況を確かめて自ら直せる建付けです。肢で突かれるのは、この職権の範囲と、申請人の資格、表題部所有者そのものの更正との区別です。

不動産登記法 第28条

(職権による表示に関する登記)
表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。

職員が帳簿の表題部を開き、現地の写真と見比べて自分で誤った行を直している。窓の外で別の職員が敷地を測る
表題部の更正は登記官が職権ででき、申請できるのは表題部所有者か所有権の登記名義人に限られます
職権でできる・局長許可不要申請人は所有者のみ表題部所有者の更正は33条

表示に関する登記は登記官が職権でき、更正もその一つです

表示に関する登記は登記官が職権ですることができるという28条の原則は、表題登記、変更の登記、更正の登記、滅失の登記のすべてに及びます。登記官は実地調査権を使って現況を確かめ、職権表示登記等事件簿に登記の目的と立件の年月日を記録して登記します。地図を訂正するときや地積測量図などの図面を訂正するときも同じ事件簿に立件します。所有者の申請を待たずに登記記録を現況に合わせられるのが、権利に関する登記にはない特徴です。

権利部の職権更正と違って法務局長の許可は要りません

権利に関する登記の更正は申請が原則で、登記官が職権で更正できるのは登記官自身の過誤による錯誤または遺漏があるときに限られます。職権で更正するときも登記上の利害関係を有する第三者がいればその承諾が要り、法務局または地方法務局の長の許可を得てする決まりです。表題部の更正にはこの制限がなく、登記官の過誤でなく申請人の測り違いであっても、登記官が調査のうえで職権で直すことができます。表示に関する登記は権利関係を動かさないので、職権の幅が広く設計されています。

申請できるのは表題部所有者か所有権の登記名義人に限られます

表題部の更正の登記を申請できるのは、土地については38条、建物については53条により、表題部所有者または所有権の登記名義人に限られます。共用部分である旨の登記がある建物では所有者です。抵当権者や賃借人は申請できず、登記官に職権の発動を促す申出ができるにとどまるのが建前です。相続などの一般承継があったときは、承継人が申請できます。地積の更正には更正後の地積測量図、床面積の更正には建物図面と各階平面図を添えます。

地番の更正と表題部所有者の更正は別の仕組みです

38条が列挙する更正の対象から地番は外れています。地番は登記所が付す番号なので、誤りがあれば登記官が職権で直す事項です。表題部所有者の氏名や住所の更正は31条、表題部所有者そのものが誤っていたときの更正は33条が別に定めています。後者は真の所有者が表題部所有者の承諾を証する情報を添えて申請するなど、所有者を入れ替えるための独自の要件を持ちます。地積や地目の更正の話と表題部所有者の更正の話は、肢の中で入れ替えられる組合せです。

区分建物の一棟の表示の更正は他の区分建物にも効力が及びます

区分建物が属する一棟の建物の所在や構造、床面積についての更正の登記は、同じ一棟の建物に属する他の区分建物についてされた更正の登記としての効力を持ちます。登記官は職権で他の区分建物の登記記録にも同じ更正を記録します。一棟の表示は各区分建物の登記記録に共通して記録されているので、一つだけ直すと食い違いが生じるからです。敷地権の不存在を原因とする表題部の更正には、特定登記の権利者の承諾による消滅の登記の規定が準用されます。

不動産登記法 第38条

(土地の表題部の更正の登記の申請)
第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第三十四条第一項第一号、第三号若しくは第四号に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。

試験ではこう問われる

  1. 表題部の更正を登記官が職権でするのに法務局長の許可は要るか(要らない。権利部の職権更正とは違う)
  2. 表題部の更正の登記を申請できるのは誰か(表題部所有者か所有権の登記名義人。共用部分の建物は所有者)
  3. 地番の誤りはどう直すか(登記所が付す番号なので登記官が職権で直す)
  4. 表題部所有者そのものの更正は地積の更正と同じ規定か(違う。33条の独自の要件)
  5. 一棟の建物の表示の更正は他の区分建物にも効力が及ぶか(及ぶ。登記官が職権で記録)
不動産登記を肢別で解く

この用語で問われた肢を、解説つきでそのまま解けます。無料プランは月100問まで。

関連する用語

変更・更正・抹消

更正登記

登記をした時点から登記と実体が一致していなかったとき、錯誤や遺漏のある部分を正しい内容に改める登記です。誰が申請人...
表示に関する登記

地目変更・地積更正

土地の用途が変わったときにする地目の変更の登記と、登記記録の面積が初めから誤っていたときにする地積の更正の登記です...
表示に関する登記

登記官の実地調査権

表示に関する登記の申請があったときや職権で登記しようとするときに、登記官が不動産の現況を調査し、現地を検査したり関...
所有権の登記(売買・保存)

表題部所有者の氏名住所変更・更正

表題部に記録された所有者の氏名や名称、住所を変えたり正したりする表示に関する登記です。誰が申請できるか、持分の変更...
変更・更正・抹消

登記官の職権更正

登記官が権利に関する登記に錯誤や遺漏を発見したときの手続で、通知を経て、登記官の過誤によるものだけを法務局長の許可...