不動産の表示(申請情報)ふどうさんのひょうじ
申請情報に記載する、どの土地や建物についての申請かを特定する事項で、土地は所在・地番・地目・地積、建物は所在・家屋番号・種類・構造・床面積です。登記記録と一致しなければ却下されること、区分建物で何をどこまで書くかが肢で突かれます。
不動産の表示は、不動産登記令3条7号と8号が申請情報の内容として求める、申請の対象となる土地や建物を特定する事項です。土地なら所在する市区町村と字、地番、地目、地積を、建物なら所在と地番、家屋番号、種類、構造、床面積を記載し、附属建物や区分建物ではさらに項目が増えます。申請情報の内容である不動産が登記記録と合致しないときは、不動産登記法25条6号により申請が却下されます。不動産番号を記載すれば表示の記載を省略できますが、記述式の答案や雛形では表示をそのまま書く練習が欠かせません。肢で突かれるのは、登記記録と食い違ったときの扱いと、区分建物で書くべき項目の範囲です。
不動産登記令 第3条第1項第7号土地の表示に関する登記又は土地についての権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる事項

土地は所在・地番・地目・地積、建物は家屋番号から床面積までです
土地の表示は、所在する市、区、郡、町、村と字、地番、地目、地積の四つで、登記記録の表題部をそのまま写します。建物の表示は、所在する市区町村と字と土地の地番、家屋番号、種類、構造、床面積で、名称があればその名称、附属建物があればその所在と種類・構造・床面積も加えます。地番や家屋番号は、表題登記の申請や表題登記のない不動産についての保存の登記などではまだ存在しないので記載を要しません。表示に関する登記では変更後の表示を、権利に関する登記では現在の表示を書くという違いも押さえておく点です。
登記記録と一致しないと却下され、行政区画の変更は救われます
申請情報の不動産の表示が登記記録と合致しなければ、25条6号の却下事由になり、補正で直せなければ却下されます。地目や地積が実態と違っていても、権利に関する登記は登記記録どおりの表示で申請でき、表示の変更の登記は所有者が1か月以内に申請する別の義務です。行政区画やその名称の変更は、規則92条により登記記録に変更の登記があったものとみなされるので、申請の前提として表示の変更は要りません。登記名義人の住所の行政区画の変更も同じ扱いで、地番変更を伴わない行政区画の変更があったときに「その前提として,甲土地についてBの住所の変更の登記を申請しなければならない」という肢は誤りです。
区分建物は一棟の建物と敷地権の表示まで記載します
区分建物では、その建物が属する一棟の建物の所在と地番、構造と床面積を先に記載し、続けて専有部分の家屋番号・種類・構造・床面積を記載します。一棟の建物に名称があってそれを申請情報にするときは、令3条8号の定めにより一棟の構造と床面積を省けます。敷地権付き区分建物では、敷地権の目的である土地の表示と、敷地権の種類と割合を加えます。同じ一棟に共用部分である旨の登記がされた建物があっても、「当該共用部分である旨の登記がされた建物の種類,構造及び床面積を申請情報の内容としなければならない」という肢は誤りで、申請の対象でない建物の表示は要りません。不動産番号で省略できるのは建物と土地の表示までで、敷地権の種類と割合は省略できません。
要役地や名義人の表示とも連動します
地役権の登記では承役地の申請情報に要役地の表示が登記事項として入り、土地区画整理で要役地の地番が変わったときは、「AとBは共同して乙土地の地役権の変更の登記を申請することができる」という肢のとおり変更の登記で整えます。所有権の登記名義人の住所や氏名が登記記録と違うときは、不動産の表示ではなく名義人の表示の問題です。売買などの共同申請では前提として変更の登記を申請し、相続の登記では被相続人の同一性を証する情報で足ります。亡くなった人の相続財産法人名義とする変更の登記で住所と氏名が死亡時と違えば、「Aの住所及び氏名の変更についての登記原因及びその日付を申請情報の内容とすることを要する」という肢が正しい肢です。表示を写す作業は単純に見えて、どの表示が何の登記事項なのかを意識すると誤りに気づけます。
不動産登記令 第3条第1項第8号建物の表示に関する登記又は建物についての権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる事項
試験ではこう問われる
- 土地と建物の表示には何を書くか(土地は所在・地番・地目・地積、建物は所在・家屋番号・種類・構造・床面積)
- 登記記録と一致しない表示で申請するとどうなるか(25条6号で却下。登記記録どおりの表示で申請する)
- 行政区画の変更で前提の変更登記は要るか(要らない。みなし規定で変更があったものとされる)
- 区分建物の表示に共用部分の建物や敷地権の割合は要るか(共用部分の建物は不要、敷地権の種類と割合は必要)
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