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区分建物くぶんたてもの

不動産登記 第10章 区分建物と敷地権 過去問で14肢

一棟の建物のうち構造上区分され、独立して住居や店舗などの用途に使える部分で、区分所有法の専有部分に当たるものです。登記記録と申請情報が一棟の建物と専有部分の二層になる点が肢で突かれます。

区分建物は、一棟の建物の構造上区分された部分で、独立して住居・店舗・事務所・倉庫などの用途に使えるもののうち、区分所有法2条3項の専有部分に当たる建物です。不動産登記法2条22号が定義し、規約で共用部分とされたものも含みます。マンションの一室がその典型で、一室ごとに一個の建物として登記記録が作られるのが普通の建物との違いです。部屋が属する一棟の建物の表示と、敷地を使う権利である敷地権が登記に絡んでくるため、申請情報に何を書くかが肢で突かれます。

不動産登記法 第2条第1項第22号

区分建物 一棟の建物の構造上区分された部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものであって、建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第三項に規定する専有部分であるもの(区分所有法第四条第二項の規定により共用部分とされたものを含む。)をいう。

マンションの断面図で一室だけが塗られ、夫婦がその一室を指さし、登記所の職員が台帳を見せている
区分建物は一棟の建物の中の構造上・利用上独立した専有部分で、一室ごとに登記記録が作られます
一棟の表示と専有部分の表示の二層名称を書けば一棟の構造・床面積は省略共用部分の表示は申請情報に不要

構造上と利用上の独立性がある専有部分が区分建物です

一棟の建物の一部を区分建物として登記するには、壁や床で他の部分と区切られていることと、その部分だけで住居や店舗として使えることの両方が要ります。区分所有法1条が定めるこの二つの独立性を満たす部分が専有部分で、専有部分以外の廊下や階段、エレベーター室などは共用部分です。共用部分のうち、構造上当然に共用になる法定共用部分は登記の対象になりません。管理人室や集会室のように本来は専有部分になれる部分を規約で共用部分にしたものが規約共用部分で、不動産登記法上は区分建物として扱われたうえで共用部分である旨の登記がされるものです。

登記記録は一棟と専有部分の二層です

区分建物の登記記録には、まず一棟の建物の所在・構造・床面積・名称を記録する表題部があり、その下に各専有部分ごとの表題部が続きます。敷地権があるときは、一棟の表題部に敷地権の目的である土地の表示が、専有部分の表題部に家屋番号・種類・構造・床面積のほか敷地権の種類と割合が記録されます。不動産登記法44条1項7号から9号までがこの区分建物固有の登記事項を定め、床面積の計算も普通の建物と違うのが特徴です。不動産登記規則115条により、普通の建物は壁の中心線で囲まれた面積ですが、区分建物は壁の内側線で囲まれた部分の水平投影面積で計算します。

一棟の名称を書けば構造・床面積は省けます

区分建物について権利に関する登記を申請するときは、専有部分の家屋番号・種類・構造・床面積に加えて、一棟の建物の所在と地番、構造と床面積を申請情報の内容にします。一棟の建物に名称があるときはその名称を書き、名称を書けば一棟の構造と床面積は書かなくてよいと不動産登記令3条8号ヘとトが定めています。「区分建物の所有権の移転の登記を申請する場合において、当該建物が属する一棟の建物の名称を申請情報として提供したときは、当該建物が属する一棟の建物の構造及び床面積を申請情報として提供することを要しない」という肢は正しい肢です。名称が無いマンションでは、不動産番号を申請情報の内容にしない限り、構造と床面積を省略することはできません。

不動産番号でも敷地権の種類・割合は省略できません

不動産番号を申請情報の内容にすると、不動産登記令6条1項により建物の表示に当たる事項と、敷地権の目的である土地の所在・地番・地目・地積を省略できます。しかし敷地権の種類と割合は省略の対象に入っていません。「敷地権付き区分建物について所有権の移転の登記を申請する場合において、当該区分建物の不動産番号を申請情報の内容としたときは、敷地権の目的となる土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番、地目、地積、敷地権の種類及び割合を申請情報の内容とすることを要しない」という肢は、種類と割合まで省略できるとしている点で誤りです。省略できる範囲は、不動産番号から機械的に引ける土地の表示までだと押さえておくと迷いません。

共用部分の建物の表示は申請情報に要りません

一棟の建物の中に共用部分である旨の登記がされた建物があっても、専有部分の所有権の移転の登記を申請するときにその共用部分の種類・構造・床面積を申請情報に書く必要はありません。「敷地権付き区分建物の所有権の移転の登記を申請する場合において、当該建物が属する一棟の建物に共用部分である旨の登記がされた建物があるときは、当該共用部分である旨の登記がされた建物の種類、構造及び床面積を申請情報の内容としなければならない」という肢は誤りで、同じ趣旨の「売買を原因とする当該区分建物の所有権の移転の登記を申請するときは、当該共用部分である旨の登記のされた建物の種類、構造及び床面積を申請情報の内容としなければならない」という肢も誤りです。共用部分は専有部分の処分に当然に従うので、申請情報で特定する必要がないからです。敷地権の表示は書くのに共用部分の表示は書かない、という対比で覚えます。

不動産登記令 第3条第1項第8号

建物の表示に関する登記又は建物についての権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる事項

試験ではこう問われる

  1. 一棟の建物の名称を申請情報に書けば、一棟の構造と床面積を省略できるか(できる)
  2. 不動産番号を申請情報の内容にすれば、敷地権の種類と割合まで省略できるか(できない。省略できるのは土地の所在・地番・地目・地積まで)
  3. 共用部分である旨の登記がされた建物の種類・構造・床面積を、専有部分の移転登記の申請情報に書くか(書かない)
  4. 区分建物の床面積はどこで測るか(壁の内側線。普通の建物は壁の中心線)

この用語が問われた肢

R8 問17 ウ正しい

区分建物の所有権の移転の登記を申請する場合において、当該建物が属する一棟の建物の名称を申請情報として提供したときは、当該建物が属する一棟の建物の構造及び床面積を申請情報として提供することを要しない。

R5 問21 イ誤り

敷地権付き区分建物について所有権の移転の登記を申請する場合において、当該区分建物の不動産番号を申請情報の内容としたときは、敷地権の目的となる土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番、地目、地積、敷地権の種類及び割合を申請情報の内容とすることを要しない。

R6 問21 エ誤り

敷地権付き区分建物が属する一棟の建物に共用部分である旨の登記がされた建物がある場合において、売買を原因とする当該区分建物の所有権の移転の登記を申請するときは、当該共用部分である旨の登記のされた建物の種類、構造及び床面積を申請情報の内容としなければならない。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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