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登記の申請の代理(司法書士)とうきのしんせいのだいり

不動産登記 第1章 登記の仕組みと申請の骨格 過去問で36肢

登記の申請は本人のほか任意代理人や法定代理人がすることができ、業として代理できるのは司法書士などの資格者代理人です。代理権が消えない事由、委任の範囲、資格者代理人だけに認められる役割が肢で突かれます。

登記の申請の代理は、申請人本人に代わって代理人が申請情報を提供することで、委任による任意代理と、親権者や成年後見人による法定代理があります。司法書士法3条1項1号は登記に関する手続の代理を司法書士の業務と定め、業として申請を代理できるのは司法書士や土地家屋調査士などの資格者代理人に限られます。代理人によって申請するときは、不動産登記令7条1項2号により委任状などの代理権限を証する情報を添付するのが決まりです。不動産登記法17条は、本人の死亡や法人の合併、法定代理人の交代があっても委任による代理権は消滅しないと定め、申請の途中で代理権が失われる事故を防いでいます。肢で突かれるのは、代理権が残るかどうかと、資格者代理人だけに認められる本人確認情報の提供や、登記識別情報を代理人が受け取るための特別の委任の扱いです。

不動産登記法 第17条

(代理権の不消滅)
登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。
一 本人の死亡
二 本人である法人の合併による消滅
三 本人である受託者の信託に関する任務の終了
四 法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更

依頼人の夫婦が司法書士に家の模型と委任状を預け、司法書士が一人で登記所の窓口に申請書を差し出す
登記の申請は代理人によってでき、業として代理できるのは司法書士などの資格者代理人です
本人の死亡や代表者の交代で代理権は消えない登記の申請は利益相反にならない識別情報の受領には特別の委任

本人の死亡や代表者の交代では代理権は消えません

民法の原則では本人の死亡で代理権が消えますが、不動産登記法17条は登記の申請の代理権について別の扱いを定めます。本人の死亡、法人の合併による消滅、受託者の任務の終了、法定代理人の死亡や代理権の消滅・変更があっても、委任による代理人の権限は消滅しません。会社の代表取締役から委任を受けた後にその人が辞任したときに、「Xは,当該委任に係る登記を申請することができない」という肢は誤りです。代表者が会社を代表して申請した後、完了するまでの間にその代表者について破産手続開始の決定がされても、「当該申請は却下される」という肢は誤りで、申請は有効なまま処理されます。

委任の範囲は委任状の記載で決まります

任意代理人の権限は委任状に書かれた委任事項の範囲に限られ、登記の目的や不動産が特定されていることが要ります。委任事項として「登記原因証明情報である平成何年何月何日付地上権設定契約証書記載のとおりの地上権の設定の登記の申請を委任する」旨の記載があれば、「この委任状をBの代理権を証する情報として提供して,地上権の設定の登記を申請することができる」という肢のとおりです。所有権の登記名義人が義務者として委任するときは、令18条により原則として委任状に記名押印し、作成後3か月以内の印鑑証明書を添えます。公証人の認証を受けた委任状など、規則49条の例外もあります。申請のためだけに作った委任状は原本の還付を請求できず、外国に住む本人が日本の公証人の認証を受けた委任状についても、「当該委任状の原本の還付を請求することができない」という肢が正しい肢です。

法定代理人も申請を代理し、登記の申請自体は利益相反になりません

未成年者の親権者や成年後見人は法定代理人として申請し、成年後見人は「後見登記等ファイルに記録された事項を証明した書面を提供することができる」という肢のとおり登記事項証明書で代理権を証します。親権者と子の利益が相反する法律行為は家庭裁判所が選任した特別代理人がしますが、その行為に基づく登記の申請は利益相反行為ではありません。特別代理人が契約した後でも「Cは,Aを代理して当該法律行為に基づく登記を申請することができる」という肢は正しい肢です。本人確認情報を提供するときは、成年後見人が申請しているなら「当該本人確認情報は,当該成年後見人についてのものであることを要する」という肢のとおり、実際に申請する法定代理人について作成します。

資格者代理人には本人確認情報と登記識別情報の受領の役があります

登記識別情報を提供できないとき、不動産登記法23条4項1号により資格者代理人が本人確認情報を提供すれば事前通知を省けます。本人確認情報を提供するときは「当該申請代理人が司法書士であることを証する情報を提供しなければならない」という肢が正しい肢です。本人確認情報の内容が相当で申請人が義務者であることが確実と認められれば、「前の住所地への通知はされない」という肢のとおりです。登記識別情報は申請人本人に通知されるのが原則で、代理人が受け取るには資格者代理人かどうかを問わず特別の委任が要ります。「同社がAに登記識別情報の通知を受けるための特別の委任をしていないときは,Aに対して登記識別情報は通知されない」という肢は正しく、特別の委任がなくても「通知を受けることができる」という肢は誤りです。特別の委任を受けた司法書士は、「当該申請代理人の住所を送付先とすることができる」という肢のとおり自分の事務所で受け取れる扱いです。

司法書士法 第3条第1項第1号

登記又は供託に関する手続について代理すること。

試験ではこう問われる

  1. 本人の死亡や代表者の辞任・破産で申請の代理権は消えるか(消えない。17条)
  2. 委任状には何が要るか(委任事項の特定。所有権の義務者なら記名押印と3か月以内の印鑑証明書)
  3. 特別代理人が契約した登記を親権者が代理できるか(できる。登記の申請は利益相反行為ではない)
  4. 資格者代理人の本人確認情報を出すときに何を添えるか(司法書士であることを証する情報)
  5. 司法書士が登記識別情報を受け取るには何が要るか(特別の委任。なければ本人に通知)
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