附属建物ふぞくたてもの
表題登記がある建物に附属し、その建物と一体のものとして一個の建物として登記される物置や車庫などの建物です。附属建物に抵当権が及ぶか、新築したときにどの登記をするかが肢で突かれます。
附属建物は、表題登記がある建物に附属する建物であって、その建物と一体のものとして一個の建物として登記されるものです。不動産登記法2条23号が定義し、母屋に対する物置や車庫、離れが典型です。附属建物は独立した登記記録を持たず、主である建物の表題部に符号を付けて種類、構造、床面積が記録される建物です。一個の建物として扱われるので、主である建物の所有権や抵当権は附属建物にも当然に及ぶことになります。肢で突かれるのは、附属建物を新築したときにする登記の種類と、既存の抵当権が附属建物に及ぶかという点になります。
不動産登記法 第2条第1項第23号附属建物 表題登記がある建物に附属する建物であって、当該表題登記がある建物と一体のものとして一個の建物として登記されるものをいう。

附属建物は主である建物の表題部に符号付きで記録されます
附属建物があるときは、その所在と地番、種類、構造、床面積が主である建物の表題部の登記事項です。家屋番号は主である建物のものだけで、附属建物には符号1、符号2のように符号が付く仕組みです。建物図面と各階平面図は主である建物と附属建物を合わせて一個の建物として作成します。附属建物が区分建物であることもあり、その場合は附属建物が属する一棟の建物の所在と地番も登記事項です。
附属建物を新築したら表題登記ではなく表題部の変更の登記です
既に表題登記がある建物の敷地に物置を建てたときは、新しい建物の表題登記ではなく、附属建物の新築による建物の表題部の変更の登記を申請します。表題部所有者または所有権の登記名義人が、新築の日から1か月以内に申請する義務を負い、登記官は表題部に附属建物の符号、種類、構造、床面積を記録します。附属建物の新築工事の先取特権の保存の登記がされているときは、建築が完了した後に遅滞なく申請する特則があります。附属建物の新築工事の先取特権の保存の登記がされているときは、建築が完了した後に遅滞なく申請するという特則です。物置を独立した建物として登記したいなら、附属建物にせず単独の建物として表題登記をします。附属建物として登記した後に独立させるなら建物の分割の登記です。
既存の抵当権は附属建物に当然に及び、及ぼす変更の登記はできません
附属建物は主である建物と一体で一個の建物なので、主である建物に設定されていた抵当権は、附属建物の新築による変更の登記がされれば附属建物にも及びます。「抵当権の設定の登記がされている建物に隣接して新たに物置を建てたため,当該物置を附属建物とする表題部の変更の登記がされた場合は,既存の抵当権の効力を当該附属建物に及ぼす旨の抵当権の変更の登記を申請することができる」という肢は誤りです。及ぼす旨の変更の登記は、持分を目的とする抵当権を同じ不動産の所有権全部に及ぼすときなどに使う登記で、同じ一個の建物に含まれる附属建物には使いません。
附属建物の新築工事の先取特権の保存には設計書の情報が要ります
建物の新築工事の費用を担保する不動産工事の先取特権の保存の登記は、工事を始める前に費用の予算額を登記してしておくものです。附属建物を新築する場合も同じで、「所有権の登記がある建物の附属建物を新築する場合において、当該附属建物の工事代金債権を担保するために不動産工事の先取特権の保存の登記を申請するときは、添付情報として新築する附属建物の設計書の内容を証する情報を提供しなければならない」という肢は正しい肢です。工事が終わって附属建物の変更の登記がされると、先取特権はその附属建物の部分に及びます。
附属建物の分割と合併で主従の関係を組み替えられます
附属建物を登記記録上別の一個の建物にするのが建物の分割の登記で、逆に独立した建物を他の建物の附属建物にするのが建物の合併の登記のうちの附属合併です。どちらも表題部所有者または所有権の登記名義人が申請し、申請義務はありません。所有者が違う建物を附属建物にすることはできず、主である建物と附属建物の所有者は常に同じです。附属建物だけを売りたいときは分割の登記を先にして、独立した建物にしてから移転の登記をします。
不動産登記法 第44条第1項第5号附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積
試験ではこう問われる
- 附属建物の表示はどこに記録されるか(主である建物の表題部に符号付きで)
- 附属建物を新築したときにする登記は何か(表題部の変更の登記。1か月以内)
- 主である建物の抵当権は附属建物に及ぶか(及ぶ。及ぼす旨の変更の登記はできない)
- 附属建物の新築工事の先取特権の保存に設計書の内容を証する情報は要るか(要る)
- 附属建物だけを売るにはどうするか(分割の登記で独立させてから移転の登記)
この用語が問われた肢
抵当権の設定の登記がされている建物に隣接して新たに物置を建てたため,当該物置を附属建物とする表題部の変更の登記がされた場合は,既存の抵当権の効力を当該附属建物に及ぼす旨の抵当権の変更の登記を申請することができる。
所有権の登記がある建物の附属建物を新築する場合において、当該附属建物の工事代金債権を担保するために不動産工事の先取特権の保存の登記を申請するときは、添付情報として新築する附属建物の設計書の内容を証する情報を提供しなければならない。
解説と関連先例は肢別演習で読めます。
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