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登記官の職権更正とうきかんのしょっけんこうせい

不動産登記 第6章 変更・更正・抹消 過去問で5肢

登記官が権利に関する登記に錯誤や遺漏を発見したときの手続で、通知を経て、登記官の過誤によるものだけを法務局長の許可を得て職権で更正する制度です。職権抹消との手続の違いが肢で突かれます。

登記官の職権更正は、登記官が権利に関する登記に錯誤や遺漏があることを発見したときの不動産登記法67条の手続です。まず登記権利者と登記義務者に通知し、錯誤や遺漏が登記官の過誤によるものであれば、監督する法務局または地方法務局の長の許可を得て職権で更正します。申請人の側の誤りで生じた錯誤は当事者の申請で直すべきもので、登記官が勝手に書き換えることはできません。登記官の過誤であっても、利害関係人がいるときはその承諾がなければ職権では更正できず、似た制度である不動産登記法71条の職権抹消とは対象も手続も別物です。肢では、職権更正と職権抹消の手続を一つずつ入れ替えて問われます。

不動産登記法 第67条第2項

登記官は、前項の場合において、登記の錯誤又は遺漏が登記官の過誤によるものであるときは、遅滞なく、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得て、登記の更正をしなければならない。ただし、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の更正につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この項において同じ。)がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。

職員が台帳の誤りに気づき、上司が許可の印の書面を渡し、職員が一行を書き直して窓口の外へ通知の封筒を渡す
登記官の職権更正は、登記官の過誤による錯誤・遺漏に限り、法務局長の許可を得て行い、前後に通知します
登記官の過誤のみ法務局長の許可発見時と更正後に通知利害関係人の承諾が要る

発見したら当事者に通知し、過誤によるものだけ職権で直します

登記官は権利に関する登記に錯誤や遺漏を発見したとき、遅滞なく登記権利者と登記義務者に通知し、どちらもいないときは登記名義人に通知します。登記権利者、登記義務者、登記名義人がそれぞれ二人以上いるときは、その区分ごとに一人へ通知すれば足りる定めで、代位者がいるときは発見時の通知も代位者宛てです。錯誤や遺漏が申請人の提出した情報の誤りによるものなら、通知を受けた当事者が更正や抹消を申請します。登記官の過誤によるものであるときに限り、登記官は遅滞なく職権で更正しなければなりません。職権更正に当たっては、登記官を監督する法務局または地方法務局の長の許可が要ります。

許可と事後の通知は職権更正にだけあります

職権更正には法務局または地方法務局の長の許可が要りますが、71条の職権抹消には許可は要りません。「職権による登記の抹消については,法務局又は地方法務局の長の許可を得る必要はありませんが,職権による登記の更正については,その登記官を監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得なければなりません」という肢は正しい肢です。更正をした後は、登記官は登記権利者と登記義務者にその旨を通知し、代位者がいれば代位者にも通知します。職権抹消では抹消した後の通知の定めがなく、「職権による登記の更正については,それらの者に対して登記の更正をした旨を通知します」という肢は正しい肢です。登記官が職権で更正したときは、不動産登記規則151条により、許可をした者の職名、許可の年月日、登記の年月日を記録します。

利害関係人の承諾がなければ職権でも更正できません

登記官の過誤による錯誤でも、登記上の利害関係を有する第三者がいる場合には、その第三者の承諾があるときに限って職権で更正できます。承諾がなければ、当事者の申請による更正に委ねるほかありません。職権抹消では、登記官は利害関係人を含む関係者に一月以内の期間を定めて異議を述べる機会を与え、異議がなければ抹消するので、承諾そのものは要件になっていません。「登記官は,当該第三者の承諾を得ずに,職権による登記の抹消又は更正をすることができます」という肢は誤りです。

職権抹消は25条の却下事由に当たる登記が対象です

不動産登記法71条の職権抹消は、権利に関する登記を完了した後に、その登記が25条1号から3号まで、または13号の却下事由に当たることを発見したときの手続です。管轄違い、登記事項以外の事項を目的とする登記、登記することができないものを目的とする登記、そして一度した登記と同じ内容の登記がこれに当たります。「職権による登記の抹消がされるのは,管轄違いの登記又は登記事項以外の事項の登記を目的とする登記がされている場合に限られます」という肢は、対象を二つに絞っている点で誤りです。登記官は、登記権利者・登記義務者・利害関係人に一月以内の期間を定めて異議がなければ抹消する旨を通知し、住所が分からなければ公告し、異議がないか理由がなければ職権で抹消します。あらかじめ更正や抹消をする旨を通知するとする「登記官は,あらかじめ,登記権利者及び登記義務者に対して,職権による登記の抹消又は職権による登記の更正をする旨を通知します」という肢は誤りです。

不動産登記法 第71条第1項

登記官は、権利に関する登記を完了した後に当該登記が第二十五条第一号から第三号まで又は第十三号に該当することを発見したときは、登記権利者及び登記義務者並びに登記上の利害関係を有する第三者に対し、一月以内の期間を定め、当該登記の抹消について異議のある者がその期間内に書面で異議を述べないときは、当該登記を抹消する旨を通知しなければならない。

試験ではこう問われる

  1. 職権更正の対象(登記官の過誤による錯誤・遺漏に限る。申請人の誤りは申請で直す)
  2. 許可の要否(職権更正は法務局長の許可が要る。職権抹消は不要)
  3. 通知の時期(発見時に錯誤がある旨を通知。更正後にも通知。抹消は異議期間の通知)
  4. 利害関係人の承諾(職権更正は承諾がなければできない。職権抹消は異議手続)
  5. 職権抹消の対象(25条1〜3号・13号の却下事由)
不動産登記を肢別で解く

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