表題登記ひょうだいとうき
表示に関する登記のうち、その不動産について表題部に最初にされる登記です。誰が申請義務を負うか、表題登記がない不動産に直接保存登記ができるのは誰かが肢で突かれます。
表題登記は、表示に関する登記のうち、その不動産について表題部に最初にされる登記です。不動産登記法2条20号が定義し、土地なら新たに生じた土地や表題登記がない土地の所有権を取得した者が、建物なら新築した者などが、取得の日から1か月以内に申請する義務を負います。登記記録はこの登記で初めて作られ、所在や地番、地目、地積といった不動産の表示と、所有権の登記がない間の所有者である表題部所有者が記録されます。肢で突かれるのは、申請義務者が誰か、表題登記を経ずに所有権の保存の登記ができる者は誰かという線引きです。
不動産登記法 第2条第1項第20号表題登記 表示に関する登記のうち、当該不動産について表題部に最初にされる登記をいう。

表題登記は所有者が単独で申請し、登記識別情報は通知されません
表示に関する登記には登記権利者と登記義務者という対立構造がないので、表題登記は所有者が単独で申請します。申請情報には不動産の表示と所有者の氏名・住所を書き、土地なら土地所在図と地積測量図、建物なら建物図面と各階平面図、所有権を証する情報、住所を証する情報を添えます。表題登記で記録されるのは表題部所有者であって登記名義人ではないため、登記識別情報は通知されません。登録免許税もかからず、申請の代理は土地家屋調査士の業務です。
土地は36条、建物は47条が1か月以内の申請義務を定めています
新たに生じた土地または表題登記がない土地の所有権を取得した者は、取得の日から1か月以内に表題登記を申請しなければなりません。建物については新築した建物または区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者が同じ義務を負います。区分建物を新築した者に相続があったときは、相続人も被承継人を表題部所有者とする表題登記を申請できます。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。
判決で所有権を確認された者は表題登記なしで保存登記できます
所有権の保存の登記は原則として表題部所有者かその一般承継人が申請します。ただし、所有権を有することが確定判決で確認された者と収用で所有権を取得した者は、表題登記がない不動産について直接保存登記を申請できます。登記官が職権で不動産の表示を登記するので、申請人が図面を添えます。「表題登記のない建物について,Aが,当該建物の所有権を有することを確認する旨の確定判決に基づいて,当該建物の表題登記の申請をすることなくAを登記名義人とする所有権の保存の登記の申請をする場合には,当該建物の建物図面及び各階平面図を提供しなければならない」という肢は正しい肢です。
所有権の確認は判決の理由中でされていれば足ります
確定判決で所有権が確認されたといえるには、所有権確認訴訟の判決である必要はありません。移転登記手続を命ずる給付判決でも、理由中で申請人が現在の所有者であることが確認されていれば足ります。「表題登記のない国有地について、国に対してAへの所有権の移転の登記手続をすべきことを命ずる判決が確定した場合には、当該判決の理由中で当該土地の現在の所有者がAである旨が説示されていたとしても、Aは、自己を所有権の登記名義人とする所有権の保存の登記を申請することができない」という肢は誤りです。被告が国であることも結論を変えません。
表題登記があるだけでは権利に関する登記の土台になりません
表題登記は不動産の物理的な状況と所有者を公示するだけで、権利部はまだありません。地役権の設定の登記は要役地に所有権の登記があることが前提なので、表題部所有者しかいない土地を要役地にすることはできません。「Aが所有権の登記名義人である甲土地を承役地とし、所有権の登記はないがBを表題部所有者とする表題登記のある乙土地を要役地とする地役権の設定の登記の申請は、することができない」という肢は正しい肢です。抵当権の設定なども同じで、まず所有権の保存の登記を入れてから権利の登記を申請する順序です。
不動産登記法 第36条(土地の表題登記の申請)
新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。
試験ではこう問われる
- 表題登記の申請義務者は誰で、期間はいつまでか(所有権を取得した者が取得の日から1か月以内)
- 表題登記がない不動産に直接保存登記を申請できるのは誰か(確定判決で所有権を確認された者と収用で取得した者)
- 判決の理由中で所有権が確認された給付判決でも保存登記を申請できるか(できる)
- 表題登記がない建物の保存登記に建物図面と各階平面図は要るか(要る)
- 表題部所有者しかいない土地を要役地として地役権の設定の登記ができるか(できない)
この用語が問われた肢
表題登記のない国有地について、国に対してAへの所有権の移転の登記手続をすべきことを命ずる判決が確定した場合には、当該判決の理由中で当該土地の現在の所有者がAである旨が説示されていたとしても、Aは、自己を所有権の登記名義人とする所有権の保存の登記を申請することができない。
Aが所有権の登記名義人である甲土地を承役地とし、所有権の登記はないがBを表題部所有者とする表題登記のある乙土地を要役地とする地役権の設定の登記の申請は、することができない。
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