司法書士試験AIブートラボ 司法書士AIブートラボ

登記名義人とうきめいぎにん

不動産登記 第1章 登記の仕組みと申請の骨格 過去問で191肢

登記記録の権利部に、所有権や抵当権などの権利について権利者として記録されている者です。誰が登記名義人で、名義人の氏名や住所が登記記録と違うときにどの申請で前提の変更の登記が要るかが肢で突かれます。

登記名義人は、登記記録の権利部に、不動産登記法3条各号の権利について権利者として記録されている者です。所有権なら甲区の現在の所有者、抵当権なら乙区の抵当権者がこれに当たり、表題部に記録されているだけの表題部所有者は登記名義人ではありません。登記識別情報は申請人自らが登記名義人となる登記で通知され、登記義務者も登記名義人に限られるので、登記名義人かどうかは申請の形を決める出発点です。氏名や住所の変更・更正の登記は登記名義人が単独で申請でき、所有権の登記名義人には令和8年4月1日から変更の日から2年以内に申請する義務が課されます。肢で突かれるのは、登記記録上の氏名・住所と現在のそれが違うときに、前提として変更の登記が要る場面と要らない場面の線引きになります。

不動産登記法 第2条第1項第11号

登記名義人 登記記録の権利部に、次条各号に掲げる権利について権利者として記録されている者をいう。

台帳の下段の名前欄を確かめる男性と、古い住所と新しい住所の紙を見比べる職員
登記名義人は権利部に権利者として記録された者で、氏名・住所の変更は単独で申請します
権利部に権利者として記録氏名・住所の変更は単独申請令和8年4月1日から2年以内の申請義務

氏名・住所の変更や更正は登記名義人の単独申請です

登記名義人の氏名・名称・住所の変更の登記や更正の登記は、権利の内容を動かさないので登記義務者がおらず、不動産登記法64条により登記名義人が単独で申請します。「登記名義人の氏名についての変更の登記は、登記権利者及び登記義務者が共同して申請しなければならない」という肢は誤りです。登記原因は住所移転や氏名変更で、縁組で氏が変わった場合の登記原因を「縁組」とする肢も誤りです。令和8年4月1日からは、所有権の登記名義人は氏名・名称・住所の変更の日から2年以内にこの登記を申請する義務を負います。

所有権の名義人として残る側の表示が違えば前提の登記が要ります

所有権の登記名義人の現在の住所が登記記録と違うと、登記官は申請人が登記名義人と同一人かを登記記録から確かめられません。義務者として所有権を失う側でも、権利者として所有権の登記名義人のまま残る側でも同じで、所有権の登記名義人が地上権の抹消の権利者として申請するときに「住所の変更により当該所有権の登記名義人の現在の住所と登記記録上の住所とが異なるときは、当該申請をする前提として、当該所有権の登記名義人の住所の変更の登記を申請しなければならない」という肢は正しい肢です。判決による移転の登記で判決書に新旧の住所が併記されていても、前提として住所の変更の登記を申請しなければならないとする肢も正しい肢として出ています。

抹消される側の名義人の変更には前提の登記は要りません

登記記録から消える側の名義人の表示が食い違うときは、変更を証する情報を提供すれば足り、前提の変更の登記は要りません。錯誤による所有権の移転の抹消で、権利者として所有権を取り戻す前所有者の氏名が養子縁組で変わっていても、「前提としてAの氏名についての変更の登記を申請しなければならない」という肢は誤りです。抹消される登記の名義人についても同じで、転借権の抹消を申請するときに「その前提として,Bの住所の変更の登記の申請をしなければならない」という肢は誤りです。仮登記の名義人が住所を変えた後に仮登記を抹消するときも、住所の変更を証する情報を提供すれば足り、「住所の変更の登記をすることなく,…本件仮登記の抹消を申請することができる」という肢は正しい肢です。行政区画の名称の変更で住所の表記だけが変わったときも、前提の変更の登記は要りません。

相続財産法人名義にするのは氏名の変更の登記です

所有権の登記名義人が死亡し相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は法人となるので、亡A相続財産とする登記名義人の氏名の変更の登記をします。相続財産清算人の選任の審判書に相続人不存在による選任であることと死亡年月日が書かれていれば、「その添付情報として,Aの相続を証する戸籍謄本を提供することは要しない」という肢は正しい肢です。死亡時の住所と氏名が登記記録と違っていれば、「Aの住所及び氏名の変更についての登記原因及びその日付を申請情報の内容とすることを要する」という肢のとおり、変更の経過を申請情報に書きます。相続財産清算人の住所を証する情報は要りません。

不動産登記法 第64条第1項

登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。

試験ではこう問われる

  1. 登記名義人の氏名や住所の変更の登記は共同申請か(単独申請)
  2. 所有権の登記名義人の住所が登記記録と違うとき、判決書に併記があれば前提の変更の登記を省けるか(省けない)
  3. 所有権移転の抹消で回復する前所有者の氏名変更や、抹消される登記の名義人の住所変更に前提の登記は要るか(要らない。変更を証する情報で足りる)
  4. 相続財産法人名義とする変更の登記で戸籍や清算人の住所証明情報は要るか(審判書で明らかなら戸籍は要らず、住所証明情報も要らない)
  5. 所有権の登記名義人の住所変更の申請義務はいつから何年以内か(令和8年4月1日から、変更の日から2年以内)

この用語が問われた肢

R7 問19 オ誤り

縁組により氏が変更した場合に申請する登記名義人の氏名の変更の登記の登記原因は、「縁組」である。

R6 問18 ア正しい

所有権の登記名義人が地上権の設定の登記の抹消の申請をする場合において、住所の変更により当該所有権の登記名義人の現在の住所と登記記録上の住所とが異なるときは、当該申請をする前提として、当該所有権の登記名義人の住所の変更の登記を申請しなければならない。

R2 問17 ア正しい

判決による所有権の移転の登記を申請する場合において,登記義務者である被告の現在の住所が住所の移転により登記記録上の住所と相違しているときは,判決書正本に被告の現在の住所とともに登記記録上の住所が併記されているときであっても,前提として所有権の登記名義人の住所についての変更の登記を申請しなければならない。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

不動産登記を肢別で解く

この用語で問われた肢を、解説つきでそのまま解けます。無料プランは月100問まで。

関連する用語

登記識別情報と本人確認

登記識別情報

登記が完了したときに登記名義人となった申請人へ通知される、12桁の英数字の符号です。次にその人が登記義務者になる申...
変更・更正・抹消

登記名義人の氏名・住所の変更登記

登記名義人の氏名や名称、住所が登記の後に変わったときに、登記記録の表示を現在のものに改める登記です。単独で申請でき...
変更・更正・抹消

住所等変更登記の申請義務(令和8年4月)

所有権の登記名義人の氏名・名称・住所に変更があったときに、2年以内に変更の登記を申請しなければならないとする義務で...
登記の仕組みと申請の骨格

表題部所有者

所有権の登記がない不動産の登記記録の表題部に、所有者として記録されている者です。誰が所有権の保存の登記を申請できる...
登記の仕組みと申請の骨格

登記権利者・登記義務者

権利に関する登記をすることで登記上直接に利益を受ける者が登記権利者、直接に不利益を受ける登記名義人が登記義務者です...