設立登記の申請書の添付書面せつりつとうきのしんせいしょのてんぷしょめん
株式会社の設立の登記の申請書に商業登記法47条2項が列挙する書面と、発起人の同意または一致を証する書面です。どの場面でどの書面が要り、どれが要らないかの組合せが肢で突かれます。
設立登記の申請書の添付書面は、株式会社の設立の登記を申請するときに商業登記法47条2項が列挙する書面と、同条3項の発起人全員の同意または一致があったことを証する書面です。定款、設立時募集株式の引受けの申込みを証する書面、変態設立事項に関する調査報告書や証明書、払込みを証する書面、設立時役員の就任承諾書、創立総会議事録などが並びます。商業登記規則61条の印鑑証明書、本人確認証明書、資本金の額の計上に関する証明書(登記実務では出資が金銭のみなら不要)がそこに加わり、代理人が申請するなら委任状も要ります。設立の登記は会社を代表すべき者が申請し、申請人の資格を証する書面はこれらの添付書面そのものです。肢で突かれるのは、場面ごとにどの書面が要り、どれが要らないかの組合せです。
商業登記法 第47条第2項設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次の書面を添付しなければならない。
一 定款
二 会社法第五十七条第一項の募集をしたときは、同法第五十八条第一項に規定する設立時募集株式の引受けの申込み又は同法第六十一条の契約を証する書面
三 定款に会社法第二十八条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、次に掲げる書面
イ 検査役又は設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあつては、設立時取締役及び設立時監査役)の調査報告を記載した書面及びその附属書類
ロ 会社法第三十三条第十項第二号に掲げる場合には、有価証券(同号に規定する有価証券をいう。以下同じ。)の市場価格を証する書面
ハ 会社法第三十三条第十項第三号に掲げる場合には、同号に規定する証明を記載した書面及びその附属書類
四 検査役の報告に関する裁判があつたときは、その謄本
五 会社法第三十四条第一項の規定による払込みがあつたことを証する書面(同法第五十七条第一項の募集をした場合にあつては、同法第六十四条第一項の金銭の保管に関する証明書)
六 株主名簿管理人を置いたときは、その者との契約を証する書面
七 設立時取締役が設立時代表取締役を選定したときは、これに関する書面
八 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社であるときは、設立時執行役の選任並びに設立時委員及び設立時代表執行役の選定に関する書面
九 創立総会及び種類創立総会の議事録
十 会社法の規定により選任され又は選定された設立時取締役、設立時監査役及び設立時代表取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあつては設立時監査等委員である設立時取締役及びそれ以外の設立時取締役並びに設立時代表取締役、設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合にあつては設立時取締役、設立時委員、設立時執行役及び設立時代表執行役)が就任を承諾したことを証する書面
十一 設立時会計参与又は設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面
イ 就任を承諾したことを証する書面
ロ これらの者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。
ハ これらの者が法人でないときは、設立時会計参与にあつては会社法第三百三十三条第一項に規定する者であること、設立時会計監査人にあつては同法第三百三十七条第一項に規定する者であることを証する書面
十二 会社法第三百七十三条第一項の規定による特別取締役(同項に規定する特別取締役をいう。以下同じ。)による議決の定めがあるときは、特別取締役の選定及びその選定された者が就任を承諾したことを証する書面

定款は本店所在地を管轄する法務局の公証人が認証したものです
設立の登記の申請書には公証人の認証を受けた定款を添付します。認証をする公証人は、設立する会社の本店の所在地を管轄する法務局または地方法務局に所属する公証人でなければならず、「設立の登記の申請書に,設立しようとする会社の本店の所在地を管轄する法務局又は地方法務局に所属しない公証人が認証した定款を添付して,設立の登記の申請をすることができない」という肢は正しい肢です。定款に設立に際して出資される財産の価額または最低額の記載が無いままの認証は無効です。後から発起人全員の同意で追完して同意書に認証を受けても、その定款で設立の登記を申請することはできません。
発起人の決め方で同意書と一致書面を使い分けます
登記すべき事項について発起人全員の同意または発起人の一致を要するときは、その同意または一致があったことを証する書面を添付します。設立時発行株式に関する事項と募集事項は全員の同意、発起設立で定款によらずに設立時役員を選任するときは発起人の議決権の過半数、本店や支店の所在場所と株主名簿管理人は過半数の一致です。募集設立の設立時役員は創立総会で選任します。「定款で設立時取締役,設立時会計参与,設立時監査役又は設立時会計監査人を定めず,後にこれらの者を選任したときは,これらの者の選任につき発起人全員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない」という肢は誤りです。定款に株主名簿管理人を置く旨の定めがあり、その決定について定款に別段の定めが無いときは、過半数の一致を証する書面と株主名簿管理人との契約を証する書面を添付します。
変態設立事項の書面は定款に記載があるときだけ要ります
定款に現物出資などの記載があるときは、検査役または設立時取締役の調査報告を記載した書面と附属書類、市場価格を証する書面、専門家の証明を記載した書面と附属書類を場合に応じて添付します。検査役の報告に関する裁判があればその謄本も添付します。記載が無ければどれも要らず、「定款にいわゆる変態設立事項についての定めがない場合には,設立時取締役の調査報告を記載した書面及びその附属書類を添付することなく,設立の登記を申請することができる」という肢は正しい肢です。価額の総額が500万円を超えず検査役の調査が要らない場合でも、設立時取締役の調査報告書は要ります。
法人発起人の証明書や利益相反の議事録は要りません
発起人が法人であっても、その法人の登記事項証明書や会社法人等番号は要らず、発起行為が法人の目的の範囲外と添付書面から明らかに認められない限り申請は受理されます。「同一の登記所の管轄区域内に発起人となる当該会社の本店があるときを除き,発起人となる当該会社の登記事項証明書を添付し,又は発起人となる当該会社の会社法人等番号を記載しなければならない」という肢は誤りです。法人発起人の代表取締役が設立時代表取締役を兼ねるときも、利益相反取引を承認した議事録は要りません。設立時会計参与や設立時会計監査人を選任したときは、就任承諾書に加えて法人なら登記事項証明書、個人なら資格を証する書面を添付します。法人の登記事項証明書は、同じ登記所の管轄区域内に主たる事務所があるときや申請書に会社法人等番号を記載したときは省略できます。法人の登記事項証明書は、同じ登記所の管轄区域内に主たる事務所があるときや申請書に会社法人等番号を記載したときは省略できるという例外付きです。
休眠会社と同一の商号・本店では設立の登記ができません
添付書面が揃っていても、登記記録の側から却下される場合があります。法務大臣の公告後2か月以内に届出をせず職権で解散の登記がされた休眠会社は、清算が結了するまで登記記録が残ります。休眠会社と商号と本店の所在場所を同じくする株式会社の設立の登記はできません。「法務大臣の公告後 2 か月以内に事業を廃止していない旨の届出をせず,職権で解散の登記がされた休眠会社と商号及び本店の所在場所を同一とする株式会社の設立の登記を申請することはできない」という肢は正しい肢です。設立の登記では新株予約権に関する事項は登記できず、募集設立でも新株予約権区に記録される事項を登記することはできません。
商業登記法 第47条第3項登記すべき事項につき発起人全員の同意又はある発起人の一致を要するときは、前項の登記の申請書にその同意又は一致があつたことを証する書面を添付しなければならない。
試験ではこう問われる
- 本店所在地を管轄しない法務局に所属する公証人の認証した定款で申請できるか(できない)
- 発起設立で設立時役員を選任した書面は全員の同意書か(違う。発起人の議決権の過半数による選任を証する書面)
- 変態設立事項の記載が無いとき調査報告書は要るか(要らない)
- 法人発起人の登記事項証明書や会社法人等番号は要るか(要らない)
- みなし解散した休眠会社と同じ商号・本店で設立の登記ができるか(できない)
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