登記事項証明書・印鑑証明書の交付とうきじこうしょうめいしょ
登記簿に記録されている事項を証明する登記事項証明書は誰でも請求でき、登記所に提出した印鑑の証明書は印鑑を提出した者だけが請求できます。証明書の種類と記載される範囲、請求できる者、交付されない場合が肢で突かれます。
登記事項証明書は、商業登記法10条により何人も手数料を納付して交付を請求できる、登記簿に記録されている事項を証明した書面です。現在事項証明書・履歴事項証明書・閉鎖事項証明書・代表者事項証明書の4種類があり、他の登記所の登記官にも請求できます。印鑑証明書は、商業登記法12条により登記所に印鑑を提出した者が請求できる書面で、会社の実印を証します。肢で突かれるのは、証明書の種類と載る範囲、誰が請求できるか、交付されない場合です。
商業登記法 第10条第1項何人も、手数料を納付して、登記簿に記録されている事項を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。

登記事項証明書は4種類で、誰でもどの登記所でも請求できます
商業登記規則30条1項は、現在事項証明書・履歴事項証明書・閉鎖事項証明書・代表者事項証明書の4種類を定め、「登記事項証明書には、現在事項証明書、履歴事項証明書、閉鎖事項証明書、代表者事項証明書の 4 種類がある」という肢は正しい肢です。請求は何人もでき、商業登記法10条2項により他の登記所の登記官に対してもできます。「閉鎖事項証明書の記載事項となる閉鎖した登記記録の保存期間は、閉鎖した日から30年間である」という肢は誤りで、閉鎖登記記録の保存期間は閉鎖した日から20年間です。手数料は書面で請求するときは収入印紙で納め、オンラインで請求するときは電子納付です。
現在事項と履歴事項では載る範囲が違います
現在事項証明書には、現に効力を有する登記事項のほか、会社成立の年月日、役員の就任の年月日、商号と本店の変更に係る事項で現に効力を有するものの直前のものが載ります。「現在事項証明書には,会社の商号及び本店の登記の変更に係る事項で現に効力を有するものの直前のものも記載される」という肢は正しい肢です。履歴事項証明書は、請求日の3年前の日の属する年の1月1日からの抹消事項と効力を失った事項が加わります。「履歴事項証明書には,現在事項証明書に記載される事項のほか,当該履歴事項証明書の交付の請求があった日の 3 年前の日から請求日までの間に抹消する記号を記録された登記事項及びその間に登記された事項で現に効力を有しないものが記載される」という肢は誤りで、起算点は3年前の日の属する年の1月1日です。
代表者事項証明書は代表権の存続を証明できないときに交付されません
代表者事項証明書は会社の代表者の代表権に関する登記事項で現に効力を有するものを証明します。「例えば,登記簿に記録されている存続期間が満了しているにもかかわらず,解散の登記をしていない会社の代表者事項証明書は,交付を受けることができません」という答えは正しい肢です。存続期間が満了した会社は解散しているので、代表取締役の代表権が現に効力を有するとは証明できません。反対に、破産手続開始の登記がされた会社の決定当時の代表者について「交付を受けることができません」という答えは誤りで、破産手続開始によっても代表者の登記は抹消されないため交付されます。
印鑑証明書は印鑑を提出した者だけが請求できます
商業登記法12条1項は、登記の申請書に押印すべき者や支配人などで印鑑を登記所に提出した者が印鑑証明書の交付を請求できると定めます。「何人も、手数料を納付して、登記所に提出された印鑑の証明書の交付を請求することができる」という肢は誤りです。令和3年2月15日施行の押印見直しで印鑑の提出は任意になりましたが、書面で申請書に押印する者は届出印を押すので、その場合は印鑑の提出が前提です。提出した者が印鑑証明書を請求できる仕組みは変わらず、書面で請求するときは印鑑カードを提示し、他の登記所でも請求できます。
添付書面としての登記事項証明書は、法令が求める場面に限られます
登記事項証明書は添付書面として使われることもあり、会計監査人が法人のときの登記事項証明書が典型です。「発起人が会社である場合における設立の登記の申請書には、同一の登記所の管轄区域内に発起人となる当該会社の本店があるときを除き、発起人となる当該会社の登記事項証明書を添付し、又は発起人となる当該会社の会社法人等番号を記載しなければならない」という肢は誤りで、発起人が会社であることを証する書面を求める規定はありません。「取締役が成年被後見人となった場合における当該取締役の退任の登記の申請書には,後見開始の審判書の謄本及びその確定証明書を添付し,又は後見に関する登記に係る登記事項証明書を添付しなければならない」という肢は正しい肢で、後見登記の登記事項証明書は商業登記のそれとは別の証明書です。
商業登記法 第12条第1項次に掲げる者でその印鑑を登記所に提出した者は、手数料を納付して、その印鑑の証明書の交付を請求することができる。
一 第十七条第二項の規定により登記の申請書に押印すべき者(委任による代理人によつて登記の申請をする場合には、委任をした者又はその代表者)
二 支配人
三 破産法(平成十六年法律第七十五号)の規定により会社につき選任された破産管財人又は保全管理人
四 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)の規定により会社につき選任された管財人又は保全管理人
五 会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)の規定により選任された管財人又は保全管理人
六 外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)の規定により会社につき選任された承認管財人又は保全管理人
試験ではこう問われる
- 登記事項証明書の4種類と、閉鎖登記記録の保存期間を問う肢
- 現在事項証明書と履歴事項証明書に載る範囲と起算点をすり替える肢
- 存続期間の満了や破産手続開始のときに代表者事項証明書が交付されるかを問う肢
- 印鑑証明書を何人も請求できるとする肢
- 発起人が法人のときや取締役の後見開始のときに登記事項証明書を添付するかを問う肢
この用語が問われた肢
登記事項証明書には、現在事項証明書、履歴事項証明書、閉鎖事項証明書、代表者事項証明書の 4 種類がある。
閉鎖事項証明書の記載事項となる閉鎖した登記記録の保存期間は、閉鎖した日から30年間である。
現在事項証明書には、会社の商号及び本店の登記の変更に係る事項で現に効力を有するものの直前のものも記載される。
履歴事項証明書には、現在事項証明書に記載される事項のほか、当該履歴事項証明書の交付の請求があった日の 3 年前の日から請求日までの間に抹消する記号を記録された登記事項及びその間に登記された事項で現に効力を有しないものが記載される。
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