定款ていかん
会社の組織と活動の根本規則で、株式会社では発起人が作成して公証人の認証を受けます。登記の申請書に定款を添付する場面と、議事録の記載で定款の添付を省ける場面が肢で突かれます。
定款は、会社の目的・商号・本店の所在地などを定めた会社の根本規則で、株式会社では会社法26条1項により発起人が作成して全員が署名または記名押印し、公証人の認証を受けて効力を生じます。会社法27条が絶対的記載事項を5つ列挙し、設立の登記の申請書には商業登記法47条2項1号により定款を添付するのが出発点です。設立後の登記では、定款の定めがなければ登記すべき事項に無効や取消しの原因が生じる申請に商業登記規則61条1項により定款を添付します。任期満了による退任を証する書面として定款を添付する場面もあります。肢で突かれるのは、定款を添付する場面と省ける場面の線引きです。
会社法 第26条第1項株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。

定款は発起人が作成し、絶対的記載事項は5つです
株式会社の定款は発起人が作成し、その全員が署名または記名押印します。電磁的記録で作るときは署名や記名押印に代わる措置として電子署名をします。会社法27条の絶対的記載事項は、目的・商号・本店の所在地・設立に際して出資される財産の価額またはその最低額・発起人の氏名または名称及び住所の5つです。5つのうち一つでも欠けば定款は無効で、公証人の認証も受けられません。
定款の定めがなければ無効原因となる登記には定款を添付します
商業登記規則61条1項は、定款の定めや裁判所の許可がなければ登記すべき事項に無効や取消しの原因が存することとなる申請に、定款または許可書の添付を求めます。「定款に「取締役が2名あるときは,取締役の互選によって代表取締役1名を置く。」旨の定めがあり,取締役A及びB並びに代表取締役Aが登記されている会社について,取締役Aが取締役を辞任した場合におけるBを代表取締役とする変更の登記の申請書には,定款を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。「株主に株式の割当てを受ける権利を与えてする募集株式の発行の場合において,取締役会設置会社が募集事項を取締役会の決議により決定したときは,募集株式の発行による変更の登記の申請書に,取締役会の議事録に加え,定款を添付しなければならない」という肢も正しい肢です。非公開会社が株主割当ての募集事項を取締役会で定めるには、会社法202条3項2号の定款の定めが要るからです。
定款の内容が他の添付書面から明らかなら省けます
任期満了による退任を証するための定款は、退任の事実が他の添付書面から読み取れれば要りません。「定款に,取締役の任期を選任後 2 年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までと定めている会社の取締役が重任した場合において,取締役の重任による変更の登記の申請書に添付した当該取締役の選任に係る定時株主総会の議事録に,当該取締役がその定時株主総会の終結の時に任期満了により退任する旨が記載されているときは,当該申請書に定款の添付を要しない」という肢は正しい肢です。任期満了による退任の時期は本来定款で証しますが、議事録が退任を証する書面になるので定款を省けます。反対に、商業登記規則61条1項により定款そのものが求められる場面では、議事録から定めの内容が読み取れても定款を添付します。
設立の登記には定款が必須で、認証後の変更は限られます
設立の登記の申請書には商業登記法47条2項1号により定款を添付し、「設立の登記の申請書には,定款を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。会社法30条2項により、公証人の認証を受けた定款は会社の成立前には、変態設立事項の変更や発行可能株式総数の定めなど会社法が認める場合を除いて変更できません。「当該設立が発起設立である場合において,公証人の認証を受けた定款に記載された商号を発起人の全員の同意により変更し,当該変更を明らかにした書面に発起人全員が記名押印した上で公証人の認証を受けたときは,変更後の定款に基づき設立の登記の申請をすることができる」という肢は正しい肢です。発起設立で発起人全員の同意により変更し、改めて認証を受けた定款なら、変更後の内容で設立の登記ができる扱いです。
商業登記規則 第61条第1項定款の定め又は裁判所の許可がなければ登記すべき事項につき無効又は取消しの原因が存することとなる申請については、申請書に、定款又は裁判所の許可書を添付しなければならない。
試験ではこう問われる
- 取締役の互選規定や定款に基づく取締役会決議で、定款の添付が要るかを問う肢
- 議事録に任期満了の時期が書いてあるときに定款を添付させる肢
- 認証後の定款を会社の成立前に変更できる場面(発行可能株式総数、商号の変更と再認証)を問う肢
- 絶対的記載事項を欠く定款の効力と、設立の登記に定款が要るかを問う肢
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