創立総会そうりつそうかい
募集設立で払込期日の後に発起人が招集する設立時株主の総会で、設立時役員の選任や定款の変更を決議します。何を決議でき、どの要件で決議し、議事録で何が足りるかが肢で突かれます。
創立総会は、募集設立において発起人が招集する設立時株主の総会です。会社法65条により、発起人は設立時募集株式の払込期日または払込期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく招集しなければなりません。発起設立には創立総会が無く、創立総会では発起人が設立に関する事項を報告し、設立時取締役などを選任し、設立時取締役が設立手続の調査結果を報告します。設立の登記の申請書には創立総会の議事録を添付し、創立総会で決めた事項はこの議事録で証します。肢で突かれるのは、創立総会で決められる事項の範囲、決議の要件、そして議事録で足りる事項と発起人の同意書が要る事項の線引きです。
会社法 第65条第1項第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第五十条第一項又は第百二条第二項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。

設立時役員の選任と定款の変更は創立総会の権限です
募集設立では、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役、設立時会計監査人の選任は創立総会の決議で行います。創立総会は招集の目的である事項以外を決議できませんが、定款の変更と設立の廃止はいつでも決議できます。本店の具体的な所在場所のように発起人が決められる事項を創立総会で決議したときも、議事録で足ります。「当該設立が募集設立であり,定款に本店の具体的な所在場所を定めなかった場合には,その所在場所を定める創立総会議事録を添付して,設立の登記を申請することができる」という肢は正しい肢です。
募集事項と資本準備金の定めは創立総会では決められません
設立時募集株式の数や払込金額、成立後の資本金と資本準備金の額に関する事項は、定款に定めが無ければ発起人全員の同意で決める事項です。創立総会の議事録では代わりになりません。「定款に出資された財産の一部を資本準備金とする旨の記載がなく,後にこれを定めたときは,成立後の会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項について決議した創立総会の議事録を添付しなければならない」という肢は誤りです。他方で発行可能株式総数は定款の記載事項なので、払込期日の後に定めるときは創立総会の定款変更の決議によります。「定款に記載した発行可能株式総数を払込期日の後に変更したときは,発行可能株式総数について決議した創立総会の議事録を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。
決議要件は総議決権の過半数かつ出席議決権の3分の2以上です
創立総会の決議は、議決権を行使できる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した設立時株主の議決権の3分の2以上に当たる多数で行います。株主総会の普通決議や特別決議とは要件の組み方が違い、出席者の3分の2だけでは足りません。総議決権の3分の2を持つ株主が出席してその3分の2で商号変更の定款変更を決議したという肢は誤りです。総議決権の過半数を有する株主が出席して出席議決権の3分の2以上で設立時役員を選任したという肢も誤りです。種類株式発行会社でない会社で全部の株式を譲渡制限株式にする定款の変更は、議決権を行使できる設立時株主の半数以上であってその議決権の3分の2以上という別の要件で決議します。
書面による全員の同意があれば決議を省略できます
発起人が創立総会の目的である事項を提案し、その事項について議決権を行使できる設立時株主の全員が書面または電磁的記録で同意したときは、決議があったものとみなされます。設立の登記の申請書には、議事録に代えてこの場合に該当することを証する書面を添付でき、みなし決議の事項を内容とする議事録を添付することもできます。「議決権を行使することができる設立時株主の全員が書面により同意の意思表示をしたときは,提案を可決する旨の決議があったものとみなされた事項を内容とする創立総会の議事録を添付して,設立の登記を申請することができる」という肢は正しい肢です。議決権を行使できない種類株式の設立時株主は、全員の数に入りません。
変態設立事項を変更する決議をしたら登記期間の起算点がずれます
創立総会は、定款に定めた変態設立事項を不当と認めたときに変更する決議ができ、反対した設立時株主は決議後2週間以内に引受けを取り消せます。引受けの取消しの期間を待つため、その決議の日から2週間を経過した日が会社法911条2項の比較に加わり、創立総会の終結の日などと比べて最も遅い日から2週間以内に設立の登記をします。「当該事項を削除する定款変更の決議をしたときは,本店の所在地における設立の登記の申請は,当該決議がされた創立総会の終結の日から 2 週間以内にしなければならない」という肢は誤りです。設立時取締役の調査報告を記載した書面は創立総会に報告した内容を記載したもので、欠席した設立時取締役を除いて作ることはできません。
会社法 第82条第1項発起人が創立総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき設立時株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の創立総会の決議があったものとみなす。
試験ではこう問われる
- 本店の所在場所を創立総会で決議したとき発起人の一致書面も要るか(要らない)
- 資本準備金の定めを創立総会議事録で証せるか(証せない。発起人全員の同意書)
- 創立総会の決議要件は出席議決権の3分の2だけか(違う。総議決権の過半数も要る)
- 全員の書面同意があれば議事録に代えて何を添付できるか(該当することを証する書面)
- 変態設立事項を変更する決議をしたとき登記期間はいつから数えるか(決議の日から2週間を経過した日も含めて最も遅い日)
この用語が問われた肢
当該設立が募集設立であり、定款に本店の具体的な所在場所を定めなかった場合には、その所在場所を定める創立総会議事録を添付して、設立の登記を申請することができる。
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