機関の設置・廃止の登記きかんのせっちはいしのとうき
取締役会・監査役・監査役会・会計参与・会計監査人・委員会を置く旨の定款の定めを設け、または廃止したときにする変更の登記です。定款変更の議事録と役員の就任・退任の登記を一つの申請書にまとめること、同時に申請しないと却下されること、清算中の制限が肢で突かれます。
機関の設置・廃止の登記は、会社法326条2項の定款の定めで機関を置き、または置かなくなったときにする変更の登記です。会社法911条3項15号から23号までが、取締役会から指名委員会等までの各機関について、置いている旨と構成員を登記事項にしています。定款の定めは株主総会の特別決議で変わるので、添付書面の中心は株主総会議事録と株主リストです。機関を置けば就任、廃止すれば任期満了の退任が連動することが多いので、実際に生じた役員の変更の登記も同じ申請書に載せます。肢で突かれるのは、どの登記を同時に申請しなければならないか、何が職権で消えるか、解散や清算の場面で廃止できるかです。
会社法 第326条(株主総会以外の機関の設置)
株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。
株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。

設定の登記は定款変更の議事録に役員の就任の書面を重ねます
機関を置く旨の定款の定めを設けると、その機関を構成する役員や会計監査人を選任して就任の登記も同時にします。株主総会議事録と株主リストのほか、商業登記法54条の就任承諾書を添えます。再任でない取締役・監査役・執行役なら商業登記規則61条7項の本人確認証明書(印鑑証明書を添付する者を除く)、代表取締役や代表執行役なら同条4項から6項までの印鑑証明書も要ります。会計参与や会計監査人なら、商業登記法54条2項により資格を証する書面や登記事項証明書も添えます。監査等委員会設置会社になるなら会計監査人設置会社の定めも要るので、「併せて会計監査人設置会社の定めの設定による変更の登記の申請をしなければならない」という肢は正しい肢です。取締役会を置かない会社が委員会型になるときは、取締役会設置会社の定めの設定も同時に申請します。
廃止の登記は役員の任期満了による退任の登記と一つの申請書にします
監査役・会計参与・会計監査人を置く旨の定めを廃止すると、会社法336条4項1号・334条2項・338条3項によりその任期は定款変更の効力発生時に満了します。廃止の登記と退任の登記を同時に申請し、退任を証する書面は定款変更の株主総会議事録で足ります。監査役会を廃止したときは社外監査役である旨の登記の根拠がなくなるので、「当該定めの廃止の登記を申請するときは、当該申請と同時に、社外監査役である旨の登記がされている監査役について、社外監査役である旨の登記の抹消を申請しなければならない」という肢は正しい肢です。同時にしなければ商業登記法24条11号の却下事由になります。
機関設計の変更は申請で消し、解散では職権で消えます
監査役設置会社が委員会型の会社になるときは、監査役設置会社の定めの廃止を申請で登記します。「監査役設置会社が委員会設置会社の定めの設定による変更の登記の申請をした場合には,監査役設置会社の定めの登記は,登記官の職権により抹消される」という肢は誤りです。職権で抹消されるのは解散の登記の場面で、商業登記規則72条1項により取締役会・特別取締役・会計参与・会計監査人・監査等委員会・指名委員会等に関する登記に抹消する記号が記録されます。「会計監査人設置会社が株主総会の決議により解散した場合は、解散の登記の申請と同時に、会計監査人設置会社の定めの廃止及び会計監査人の任期満了による退任の登記の申請をしなければならない」という肢は誤りです。
清算株式会社では清算開始時の状態で廃止できる定めが決まります
会社法477条4項により、清算開始時に公開会社か大会社だった清算株式会社は監査役を置かなければならず、監査役設置会社の定めの廃止の登記はできません。監査役会は清算株式会社では任意なので廃止の登記ができます。清算株式会社の監査役は会社法480条1項により、監査役を置く旨や会計限定の定めを廃止する定款変更の効力発生時に退任します。「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めのある監査役を置く清算株式会社において、当該定めを廃止した場合には、当該監査役の退任による変更の登記を申請しなければならない」という肢は正しい肢です。
株式の譲渡制限の廃止は機関設計を通じて役員の登記を動かします
全部の株式の譲渡制限を廃止する定款変更は公開会社への移行で、会社法327条1項1号により取締役会が必置になります。取締役会を置いていなければ取締役会設置会社の定めの設定が、監査役を置いていなければ監査役の設置も同時に要り、会社法332条7項3号と336条4項4号により取締役と監査役の任期が満了します。「会社法上の公開会社でない監査役会設置会社が株式の譲渡制限に関する規定を廃止する旨の定款の変更をした場合には、役員の任期満了による退任の登記をもしなければならない」という肢は正しい肢です。種類株主総会で取締役を選任する定款の定めが会社法112条1項によって廃止されたものとみなされたときは、員数の別段の定めを示すために定款を添付します。「当該定款の定めの廃止による変更の登記の申請書には、定款を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。
商業登記法 第24条第1項第11号同時にすべき他の登記の申請を同時にしないとき。
試験ではこう問われる
- 機関を置く旨の定めの設定で同時に申請する登記は何か(役員の就任と連動して要る機関の設定)
- 監査役会の廃止と社外監査役である旨の抹消は同時に申請するか(同時に申請する。欠けば却下)
- 委員会型への移行で監査役設置会社の定めは職権で消えるか(消えない。廃止を申請する)
- 解散の登記で職権抹消される機関の登記はどれか(取締役会・特別取締役・会計参与・会計監査人・委員会)
- 清算開始時に公開会社だった清算株式会社は監査役設置会社の定めを廃止できるか(できない)
この用語が問われた肢
取締役会及び監査役を置く旨の定款の定めがある大会社ではない会社において、監査役設置会社の定めの廃止の登記とともに監査等委員会設置会社の定めの設定による変更の登記を申請する場合には、併せて会計監査人設置会社の定めの設定による変更の登記の申請をしなければならない。
監査役会を置く旨の定款の定めを廃止した場合において、当該定めの廃止の登記を申請するときは、当該申請と同時に、社外監査役である旨の登記がされている監査役について、社外監査役である旨の登記の抹消を申請しなければならない。
監査役会設置会社が監査役会を置く旨の定款の定めを廃止した場合には,当該定めの廃止の登記を申請すると同時に,社外監査役である旨の登記がされている監査役について社外監査役である旨の登記の抹消を申請しなければならない。
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