取締役会設置会社とりしまりやくかいせっちがいしゃ
取締役会を置く旨の定款の定めがある株式会社と、会社法の規定で取締役会を置かなければならない株式会社です。置かなければならない会社の範囲、取締役3名と監査役の同時設置、設定と廃止の登記の添付書面が肢で突かれます。
取締役会設置会社は、会社法2条7号により、取締役会を置く株式会社と、法律の規定で取締役会を置かなければならない株式会社のことです。公開会社・監査役会設置会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社は、会社法327条1項により取締役会を置く義務があります。取締役会設置会社である旨は会社法911条3項15号の登記事項で、置く旨の定款の定めを設けたり廃止したりすると、2週間以内に変更の登記を申請します。肢で突かれるのは、取締役会を置くと連動して要る機関と員数、そして設定と廃止の登記の添付書面です。
会社法 第327条(取締役会等の設置義務等)
次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない。
一 公開会社
二 監査役会設置会社
三 監査等委員会設置会社
四 指名委員会等設置会社
取締役会設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。ただし、公開会社でない会計参与設置会社については、この限りでない。
会計監査人設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。
監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、監査役を置いてはならない。
監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人を置かなければならない。
指名委員会等設置会社は、監査等委員会を置いてはならない。

公開会社と委員会型の会社は取締役会を置かなければなりません
会社法327条1項は、公開会社・監査役会設置会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社に取締役会の設置を義務づけます。公開会社でない会社も、監査役会や委員会を置くなら取締役会が要り、それ以外なら置くか置かないかを定款で選べます。取締役会を置かない会社が委員会型の会社へ移るときは、取締役会設置会社の定めの設定も同時に要ります。「取締役会を設置していない会社が新たに委員会設置会社の定めの設定による変更の登記の申請をする場合には,取締役会設置会社の定めの設定による変更の登記も併せて申請しなければならない」という肢は正しい肢です。取締役会設置会社は会社法331条5項により取締役が3人以上要り、会社法327条2項により監査役も置きます。公開会社でない会計参与設置会社は監査役を置かずに済む例外ですが、会計監査人を置くなら同条3項により監査役が要り、委員会型の会社は同条4項により監査役を置けません。
設定の登記は定款変更の議事録と新任取締役の就任の書面です
取締役会を置く旨の定めは定款の変更なので、株主総会の特別決議の議事録と株主リストが商業登記法46条2項と商業登記規則61条3項の添付書面です。取締役が3人に足りなければ選任して就任の登記も同時に申請し、在任を続ける取締役の分は改めて添えません。監査役を新たに置くなら監査役設置会社の定めの設定と監査役の就任の登記も同じ申請書に載せる形です。代表取締役は取締役会で選定するので取締役会議事録と就任承諾書を添え、商業登記規則61条6項の印鑑証明書は変更前の代表取締役が議事録に届出印を押していれば省略できます。退任したのに権利義務を有する取締役を代表取締役に選定することは登記実務で認められています。「取締役会設置会社において,退任した取締役であってなお取締役としての権利義務を有する者を代表取締役とする代表取締役の就任による変更の登記の申請は,することができない」という肢は誤りです。
廃止の登記では代表取締役の定め方が変わります
取締役会設置会社の定めを廃止すると取締役会で選定していた代表取締役の根拠がなくなり、廃止後は各取締役が代表権を持つのが原則で、定款・互選・株主総会の決議で代表取締役を定めることもできます。定款の定めで代表取締役の定め方が変わる場面では、商業登記規則61条1項により定款を添付します。「定款に「取締役が2名あるときは,取締役の互選によって代表取締役1名を置く。」旨の定めがあり,取締役A及びB並びに代表取締役Aが登記されている会社について,取締役Aが取締役を辞任した場合におけるBを代表取締役とする変更の登記の申請書には,定款を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。Aの辞任でBが唯一の取締役になり、互選の定めが働かずに当然に代表権を持つことを、定款で登記官に示すからです。互選の定めを廃止して代表取締役を定めなかったときは、他の取締役は法律上当然に代表権を回復するので、就任承諾書は要りません。「従前代表権を有しなかった他の取締役を代表取締役とする変更の登記の申請書には,当該他の取締役が代表取締役に就任することを承諾したことを証する書面を添付しなければならない」という肢は誤りです。
取締役会設置会社では取締役会の決議で足りる定款変更があります
単元株式数を減らしたり廃止したりする定款変更は、会社法195条1項により取締役会設置会社では取締役会の決議でできます。「単元株式数を定款で定めている取締役会設置会社が,取締役会において,単元株式数についての定款の定めを廃止する決議をした場合は,当該取締役会の議事録を添付して,単元株式数の定めの廃止による変更の登記を申請することができる」という肢は正しい肢です。株式の分割と同時にする発行可能株式総数の増加も、現に2以上の種類の株式を発行していなければ、分割の比率の範囲内に限って取締役会の決議でできます。発行している種類株式が2以上なら株主総会の特別決議が要り、取締役会議事録だけで済ませる肢は誤りです。
解散すると取締役会設置会社である旨は職権で抹消されます
株主総会の決議などで解散の登記をすると、商業登記規則72条1項1号により、取締役会設置会社である旨の登記と取締役・代表取締役・社外取締役に関する登記に抹消する記号が記録されます。清算株式会社には取締役会がなく、代わりに清算人会を置くことができるからです。監査役設置会社である旨と監査役会設置会社である旨は同じ条に挙がっていないので、解散しても抹消されません。機関ごとに解散で消えるものと残るものを分けて覚えるところです。
会社法 第911条第3項第15号取締役会設置会社であるときは、その旨
試験ではこう問われる
- 取締役会を置かない会社が委員会型の会社になるとき、取締役会設置会社の定めの設定も同時に要るか(要る)
- 権利義務を有する取締役を代表取締役に選定して登記できるか(できる)
- 互選の定款の定めで代表取締役を定めるとき定款の添付は要るか(要る)
- 取締役会設置会社の単元株式数の廃止は取締役会の決議でできるか(できる)
- 解散の登記で取締役会設置会社である旨は職権で抹消されるか(される。監査役設置会社の旨は残る)
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