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監査等委員会設置会社かんさとういいんかいせっちがいしゃ

商業登記 第6章 機関設計と機関の登記 過去問で3肢

監査等委員会を置く旨の定款の定めがある株式会社で、監査等委員である取締役3人以上が監査役の代わりに監査を担います。監査役を置けず会計監査人が必置であること、取締役を2種類に分けて登記すること、移行で任期が満了することが肢で突かれます。

監査等委員会設置会社は、会社法2条11号の2により監査等委員会を置く株式会社のことです。監査等委員会は会社法399条の2により全ての監査等委員で組織し、監査等委員は取締役でなければなりません。会社法331条6項により監査等委員である取締役は3人以上でその過半数が社外取締役、会社法327条4項と5項により監査役を置けず会計監査人を置きます。会社法911条3項22号により、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役を分けて氏名を登記し、社外取締役である旨も登記します。肢で突かれるのは、員数の数え方、移行時に同時に申請する登記、任期の満了です。

会社法 第399条の2

(監査等委員会の権限等)
監査等委員会は、全ての監査等委員で組織する。
監査等委員は、取締役でなければならない。
監査等委員会は、次に掲げる職務を行う。
監査等委員がその職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について監査等委員会設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査等委員会設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査等委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。

会議机の片側に腕章の三人の取締役が並び、監査役の席は片付けられている
監査等委員会設置会社は監査等委員である取締役3人以上が監査を担い、監査役を置けず会計監査人が必置です
監査等委員3人以上・過半数社外監査役不可・会計監査人必置取締役を2種類に分けて登記移行で任期満了

監査等委員3人以上とそれ以外の取締役で取締役会を作ります

監査等委員会設置会社は会社法327条1項3号により取締役会設置会社で、監査等委員である取締役は会社法331条6項により3人以上、過半数が社外取締役です。監査等委員でない取締役には3人のような員数の定めはなく、会社法399条の13第3項により代表取締役をその中から選定するので1人いれば足ります。取締役会の員数3人は監査等委員も含めて数えます。「定款に取締役の員数に関して別段の定めがない監査等委員会設置会社において,監査等委員である取締役以外の取締役 3 名のうち 1 名が辞任した場合であっても,当該辞任による変更の登記を申請することはできない」という肢は誤りです。監査等委員である取締役は会社法329条2項によりそれ以外の取締役と区別して選任し、任期は会社法332条1項と3項により監査等委員が2年、それ以外が1年です。

登記は取締役を2種類に分け、社外取締役である旨も書きます

会社法911条3項22号により、監査等委員会設置会社である旨のほか、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役の氏名を区別して登記します。取締役のうち社外取締役であるものは、監査等委員かどうかを問わず社外取締役である旨を登記します。「設立しようとする会社が監査等委員会設置会社である会社の場合において,監査等委員ではない設立時取締役が社外取締役であるときは,設立の登記の申請書には,登記すべき事項として当該設立時取締役が社外取締役である旨を記載しなければならない」という肢は正しい肢です。会社法399条の13第6項の重要な業務執行の決定を取締役に委任できる旨の定款の定めがあるときは、その旨も登記事項です。

移行の登記では監査役の廃止と会計監査人の設置を同時に申請します

監査役設置会社が監査等委員会設置会社になる定款変更をすると、会社法327条4項により監査役を置けなくなるので、監査役設置会社の定めの廃止と監査役の退任の登記を同時に申請します。会計監査人を置いていなければ、会社法327条5項により会計監査人設置会社の定めの設定と会計監査人の就任の登記も要ります。「取締役会及び監査役を置く旨の定款の定めがある大会社ではない会社において、監査役設置会社の定めの廃止の登記とともに監査等委員会設置会社の定めの設定による変更の登記を申請する場合には、併せて会計監査人設置会社の定めの設定による変更の登記の申請をしなければならない」という肢は正しい肢です。既に会計監査人設置会社であれば、その設定の登記は要りません。取締役会を置いていない会社なら、取締役会設置会社の定めの設定も必要です。

移行の定款変更で取締役と監査役の任期は満了します

会社法332条7項1号により、監査等委員会を置く旨の定款変更をすると取締役の任期はその効力発生時に満了し、会社法336条4項2号により監査役の任期も満了します。従前の取締役が監査等委員でない取締役として選び直されたときは重任の登記、監査等委員である取締役になるときは退任と就任の登記を申請します。任期満了の退任を証する書面は定款変更の株主総会議事録で十分です。監査等委員会を置く旨の定めを廃止する定款変更をしたときも、会社法332条7項2号により取締役の任期は満了します。監査役設置会社になるなら、監査役設置会社の定めの設定と監査役の就任の登記も同時に必要です。

解散すると監査等委員会設置会社である旨は職権で抹消されます

解散の登記をすると、商業登記規則72条1項5号により監査等委員会設置会社である旨の登記に抹消する記号が記録されます。監査等委員である取締役に関する登記と、業務執行の決定の委任についての定款の定めがある旨の登記も同じ号で抹消されます。会社法477条5項により、清算開始時に監査等委員会設置会社であって監査役を置く義務がある清算株式会社では、監査等委員である取締役が監査役になります。取締役に関する登記も同条1項1号で抹消されるので、申請で消す登記は残りません。

会社法 第911条第3項第22号

監査等委員会設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項

試験ではこう問われる

  1. 監査等委員でない取締役が2人になっても辞任の登記はできるか(できる。下限は監査等委員の3人)
  2. 社外取締役である旨は監査等委員でない取締役についても登記するか(登記する)
  3. 監査等委員会設置会社になるとき会計監査人設置会社の定めの設定は同時に要るか(会計監査人を置いていなければ要る)
  4. 移行の定款変更で取締役と監査役の任期はどうなるか(効力発生時に満了する)
  5. 解散の登記で監査等委員会設置会社である旨は抹消されるか(職権で抹消される)

この用語が問われた肢

R2 問29 イ誤り

定款に取締役の員数に関して別段の定めがない監査等委員会設置会社において,監査等委員である取締役以外の取締役 3 名のうち 1 名が辞任した場合であっても,当該辞任による変更の登記を申請することはできない。

R3 問28 ア正しい

設立しようとする会社が監査等委員会設置会社である会社の場合において,監査等委員ではない設立時取締役が社外取締役であるときは,設立の登記の申請書には,登記すべき事項として当該設立時取締役が社外取締役である旨を記載しなければならない。

R4 問30 エ正しい

取締役会及び監査役を置く旨の定款の定めがある大会社ではない会社において、監査役設置会社の定めの廃止の登記とともに監査等委員会設置会社の定めの設定による変更の登記を申請する場合には、併せて会計監査人設置会社の定めの設定による変更の登記の申請をしなければならない。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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