監査役会設置会社かんさやくかいせっちがいしゃ
監査役会を置く旨の定款の定めがある株式会社と、公開会社である大会社のように監査役会を置かなければならない株式会社です。社外監査役である旨の登記、廃止の登記との同時申請、監査役会が関わる会計監査人の登記が肢で突かれます。
監査役会設置会社は、会社法2条10号により監査役会を置く株式会社と、法律の規定で監査役会を置かなければならない株式会社のことです。会社法328条1項により、公開会社である大会社は監査等委員会設置会社と指名委員会等設置会社を除いて監査役会と会計監査人を置く義務があります。監査役会設置会社は会社法335条3項により監査役が3人以上で、その半数以上が社外監査役でなければなりません。会社法911条3項18号により、監査役会設置会社である旨と社外監査役である旨を登記します。肢で突かれるのは、社外監査役である旨の登記が監査役会設置会社だけの登記事項であることと、監査役会が会計監査人の解任や一時会計監査人の選任に関わるときの添付書面です。
会社法 第328条(大会社における監査役会等の設置義務)
大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。
公開会社でない大会社は、会計監査人を置かなければならない。

公開会社である大会社だけが監査役会を置く義務を負います
会社法328条1項は、公開会社でない会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社を除く大会社に、監査役会と会計監査人の設置を義務づけます。公開会社でない大会社は会計監査人だけが必置です。会計監査人設置会社になるからといって監査役会まで要るわけではなく、「取締役会及び監査役を置く旨の定款の定めがある会社法上の公開会社であって大会社ではない会社が、新たに会計監査人設置会社の定めの設定による変更の登記をする場合には、併せて監査役会設置会社の定めの設定による変更の登記の申請をしなければならない」という肢は誤りです。監査役会設置会社は会社法327条1項2号により取締役会設置会社でもなければなりません。
社外監査役である旨は監査役会設置会社だけの登記事項です
会社法911条3項18号は、監査役会設置会社であるときに限って、監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨を登記させます。監査役会を置かない会社では、社外の監査役がいても社外監査役である旨は登記しません。監査役会を置く旨の定款の定めを廃止したときは、社外監査役である旨の登記の根拠がなくなるので、廃止の登記と同時に抹消を申請します。「監査役会設置会社が監査役会を置く旨の定款の定めを廃止した場合には,当該定めの廃止の登記を申請すると同時に,社外監査役である旨の登記がされている監査役について社外監査役である旨の登記の抹消を申請しなければならない」という肢は正しい肢です。同時にしなければ、商業登記法24条11号の同時にすべき他の登記の申請を同時にしないときに当たります。
監査役会がする会計監査人の解任には監査役全員の同意書を添えます
会社法340条1項と4項により、監査役会は職務上の義務違反などを理由に会計監査人を解任でき、その解任には監査役全員の同意が要ります。「職務を怠ったことを理由として監査役会が会計監査人を解任した場合には、会計監査人の退任による変更の登記の申請書には、監査役の全員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。株主総会の決議で解任したときの添付書面は株主総会議事録と株主リストです。会社法344条により議案の内容は監査役会が決めますが、「株主総会の決議により会計監査人を解任した場合には、会計監査人の退任による変更の登記の申請書には、監査役会が当該株主総会の議案の内容を決定したことを証する書面を添付しなければならない」という肢は誤りです。
一時会計監査人は会計監査人が欠けてから監査役会が選任します
会計監査人が欠けたのに遅滞なく選任されないときは、会社法346条4項と6項により監査役会が一時会計監査人の職務を行うべき者を選任します。「会計監査人が欠けた場合において、監査役会の決議によって一時会計監査人の職務を行うべき者を選任したときは、当該一時会計監査人の職務を行うべき者の就任による変更の登記の申請書には、一時会計監査人を選任した監査役会の議事録を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。退任する前に選任しておくことはできず、「唯一の会計監査人が資格喪失により退任する前に,監査役会の決議によって一時会計監査人の職務を行うべき者を選任した場合には,当該監査役会の議事録を添付して,一時会計監査人の職務を行うべき者の就任による変更の登記の申請をすることができる」という肢は誤りです。後任の会計監査人の就任の登記をすると、商業登記規則68条1項により一時会計監査人の登記は職権で抹消され、抹消の申請は要りません。
清算株式会社は監査役会を置く義務がないので廃止の登記ができます
会社法477条4項が清算株式会社に義務づけるのは監査役であって、監査役会ではありません。解散前に公開会社である大会社であっても、清算株式会社となった後に監査役会を置く旨の定めを廃止すれば、その廃止の登記を申請できます。「解散前に会社法上の公開会社であり,かつ,会社法上の大会社であった会社は,解散して清算株式会社となった後に定款を変更して監査役会を置く旨の定めを廃止しても,監査役会設置会社の定めの廃止の登記をすることができない」という肢は誤りです。監査役設置会社の定めの廃止ができないのと対照的なので、監査役と監査役会を分けて覚えるところです。
会社法 第911条第3項第18号監査役会設置会社であるときは、その旨及び監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨
試験ではこう問われる
- 会計監査人設置会社になるとき監査役会設置会社の定めの設定も同時に要るか(要らない)
- 監査役会の廃止と社外監査役である旨の抹消は同時に申請するか(同時に申請する)
- 監査役会が会計監査人を解任したときの添付書面は何か(監査役全員の同意書)
- 一時会計監査人の職務を行うべき者は会計監査人の退任前に選任できるか(できない)
- 清算株式会社は監査役会設置会社の定めを廃止できるか(できる。監査役設置会社の定めと違う)
この用語が問われた肢
取締役会及び監査役を置く旨の定款の定めがある会社法上の公開会社であって大会社ではない会社が、新たに会計監査人設置会社の定めの設定による変更の登記をする場合には、併せて監査役会設置会社の定めの設定による変更の登記の申請をしなければならない。
監査役会設置会社が監査役会を置く旨の定款の定めを廃止した場合には,当該定めの廃止の登記を申請すると同時に,社外監査役である旨の登記がされている監査役について社外監査役である旨の登記の抹消を申請しなければならない。
監査役会を置く旨の定款の定めを廃止した場合において、当該定めの廃止の登記を申請するときは、当該申請と同時に、社外監査役である旨の登記がされている監査役について、社外監査役である旨の登記の抹消を申請しなければならない。
職務を怠ったことを理由として監査役会が会計監査人を解任した場合には、会計監査人の退任による変更の登記の申請書には、監査役の全員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。
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