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抵当権の変更(債権額・利息・債務者)ていとうけんのへんこう

不動産登記 第7章 抵当権と根抵当権 過去問で13肢

登記した抵当権の債権額・利息・債務者などが後から変わったときにする登記です。誰と誰の共同申請か、登記原因は何か、後順位者の承諾で付記か主登記かが分かれる点が肢の軸です。

抵当権の変更は、抵当権の登記事項が登記後に変わったときに、その内容を直す登記です。債権額の増減、利息や損害金の定めの変更、債務者の交替や住所氏名の変更などが対象で、変更後の事項と登記原因を申請情報にします。原則として権利に関する登記の変更は、登記上の利害関係を有する第三者の承諾を証する情報があれば付記登記、なければ主登記でされます。申請人は、変更で利益を受ける側が登記権利者、不利益を受ける側が登記義務者です。肢では、債務者が変わる場面の登記原因と申請人、承諾の要否、変更登記が要るかどうかが問われます。

不動産登記法 第66条

(権利の変更の登記又は更正の登記)
権利の変更の登記又は更正の登記は、登記上の利害関係を有する第三者(権利の変更の登記又は更正の登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)の承諾がある場合及び当該第三者がない場合に限り、付記登記によってすることができる。

台帳の前で銀行員と家の持ち主が1行を指さし、職員が書き直している場面
抵当権の変更は、債権額・利息・債務者など登記事項が後から変わったときに内容を直す登記です
債務者変更は抵当権者と設定者相続か免責的債務引受か承諾で付記か主登記か

債務者の変更は抵当権者と設定者の共同申請です

債務者が交替する変更は、抵当権者を登記権利者、設定者である所有権の登記名義人を登記義務者として申請します。債務者自身は申請人になりません。設定者は登記識別情報を提供しますが、抵当権の債務者に関する変更では登記識別情報を提供する限り印鑑証明書は要らず、根抵当権の債務者の変更と扱いが違います。抵当証券が発行されている抵当権の債務者の氏名や住所の変更は、債務者が単独で申請できます。債務者の住所が移転したときの変更も同じく共同申請で、抵当権者が設定者に代位して単独で申請することはできません。「Cは、単独で、Aを代位して、Bが住所を移転したことによる抵当権の変更の登記を申請することができる」という肢は誤りです。

相続で債務を引き受けたときの登記原因は相続です

債務者が死亡し、相続人の一人が遺産分割協議で債務を単独で引き受け、債権者がそれを承認したときは、相続を登記原因として、その相続人を債務者とする変更の登記を申請できます。「Cが死亡し、Cの相続人であるX及びY間において、遺産分割協議によりXがDの承認を得てCの債務を単独で引き受けた場合には、相続を登記原因として、Xを債務者とする乙区1番の抵当権の変更の登記を申請することができる」という肢は正しい肢です。相続人でない第三者が債務を引き受けたときは、免責的債務引受を登記原因にします。

会社分割で債務を承継しなければ変更登記は要りません

債務者である会社が吸収分割をしても、分割契約で承継会社が被担保債務を承継すると定めなければ、債務者は変わらないので変更の登記は要りません。「吸収分割契約においてB社が当該抵当権の被担保債務を承継する旨を定めなかったときは、会社分割による債務者の変更の登記を申請することを要しない」という肢は正しい肢です。債務を承継する定めがあれば、会社分割を登記原因として債務者を変える登記をします。

一部移転後に一方の債権だけ弁済されたときも変更登記です

抵当権の一部が債権一部譲渡で移転して抵当権者が二人になった後、そのうち一人の債権だけが弁済されたときは、抹消ではなく「Aの債権弁済」を登記原因とする抵当権の変更の登記をします。「当該抵当権の被担保債権のうちAの債権のみが弁済されたときは、『Aの債権弁済』を登記原因として、抵当権の変更の登記を申請することができる」という肢は正しい肢です。抵当権そのものは残るので、抹消ではなく内容の変更として扱います。

後順位者の承諾があれば付記、なければ主登記です

債権額の増額のように後順位の担保権者に不利な変更は、その承諾を証する情報を提供すれば付記登記、提供しなければ主登記でされます。承諾が無くても申請は却下されません。債務者の変更や利率の引下げのように後順位者の順位に影響しない変更は、後順位者がいてもその承諾書は要らず、付記登記でされます。登記原因の日付は変更契約の日ですが、承諾が効力要件になる変更では承諾の日が原因日付になります。

民法 第472条

(免責的債務引受の要件及び効果)
免責的債務引受の引受人は債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担し、債務者は自己の債務を免れる。
免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。この場合において、免責的債務引受は、債権者が債務者に対してその契約をした旨を通知した時に、その効力を生ずる。
免責的債務引受は、債務者と引受人となる者が契約をし、債権者が引受人となる者に対して承諾をすることによってもすることができる。

試験ではこう問われる

  1. 債務者変更の登記権利者と登記義務者は誰か(抵当権者と設定者)
  2. 遺産分割で相続人の一人が債務を引き受けたときの登記原因は何か(相続)
  3. 抵当権者が設定者に代位して債務者の住所変更登記を単独でできるか(できない)
  4. 会社分割で債務の承継を定めなかったとき変更登記は要るか(要らない)
  5. 後順位者の承諾が無い債権額増額の変更登記はどうなるか(主登記でされる)
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