登記の目的とうきのもくてき
申請情報の冒頭に書く、どの権利についてどんな登記をするかを示す記載で、「所有権移転」「1番抵当権抹消」のように権利と登記の種類で表します。持分や付記登記の指し方を正しく書けるかが肢で突かれます。
登記の目的は、不動産登記令3条5号が申請情報の内容として求める記載で、どの権利についてどんな種類の登記を求めるかを一行で表します。所有権なら「所有権移転」「所有権保存」、所有権以外なら「抵当権設定」「1番抵当権抹消」のように順位番号を添え、持分が動くときは「A持分全部移転」「A持分一部移転」「共有者全員持分全部移転」と誰の持分がどこまで動くかを示します。登記の目的が同一であることは一括申請の要件の一つで、登記官が職権で抹消する場面の判断にも使われます。雛形ドリルで最初に問われる欄がこの登記の目的で、記述式では枠の採点対象です。肢で突かれるのは、付記登記や持分が絡んだときの表記の正確さです。
不動産登記令 第3条第1項第5号登記の目的

権利の種類と登記の種類を組み合わせて書きます
所有権の保存や移転は順位番号を付けずに「所有権移転」「所有権保存」と書き、既にある登記を直す更正や抹消は「2番所有権更正」のように順位番号で対象を指します。所有権以外の権利は、新しく設定するときは「抵当権設定」、既にある権利を動かすときは「1番抵当権移転」「1番抵当権抹消」のように乙区の順位番号を頭に付ける形です。登記の目的だけで、登記記録のどの登記をどう動かすのかが登記官に伝わらなければなりません。設定・移転・変更・更正・抹消・抹消回復といった登記の種類を権利の後に続け、仮登記なら「所有権移転仮登記」「所有権移転請求権仮登記」と書き分けます。登記名義人の表示の変更は「2番所有権登記名義人住所変更」の型で、何番の所有権の名義人かを示します。
持分は誰の持分がどこまで動くかを目的に書きます
共有者Aの持分が全部移るなら「A持分全部移転」、一部なら「A持分一部移転」、共有者全員の持分が全部移るなら「共有者全員持分全部移転」です。所有権以外の権利の持分でも同じで、「乙区 1 番で登記された地上権の持分を売買により取得したAが、その持分の一部を更にBに売却した場合に申請する登記の目的は、「 1 番地上権A持分一部移転」である」という肢は正しい肢です。単有の所有権の一部を移すときは「所有権一部移転」で、持分の表記と混同しないようにします。
付記登記は主登記からの枝番をたどって指します
地上権の移転と同時にされた買戻しの特約は、地上権移転の付記登記の付記登記になるので、買戻権の移転の目的は「 1 番地上権付記 1 号の付記 1 号買戻権移転」です。「何番地上権付記1号買戻権移転」とする肢は誤りで、正しい表記の肢は正しい肢として出ています。登記の目的である権利の消滅に関する定めの登記は付記登記でされるので、主登記によってされるとする肢は誤りです。付記の階層を一つ飛ばすと別の登記を指してしまうので、登記記録の枝番をそのまま写します。
目的の同一性は一括申請と職権抹消の要件に現れます
複数の不動産を一つの申請情報でまとめるには、原則として登記の目的と登記原因とその日付が同一であることが要り、同一の債権を担保する抵当権などでは目的が同一なら足ります。区分建物とその敷地の共有持分にそれぞれ抵当権の登記がされた後に敷地権である旨の登記がされたとき、「これらの抵当権の登記の目的,申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一であるときは,当該土地の所有権の共有持分についてされた抵当権の登記は,登記官が職権で抹消しなければならない」という肢は正しい肢です。目的の同一性は、申請人が書く欄の問題であると同時に、登記官が登記の同一性を判断する物差しでもあるわけです。
不動産登記令 第4条(申請情報の作成及び提供)
申請情報は、登記の目的及び登記原因に応じ、一の不動産ごとに作成して提供しなければならない。ただし、同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるときその他法務省令で定めるときは、この限りでない。
試験ではこう問われる
- 目的に順位番号を付けるのはどんなときか(既にある登記を移転・変更・更正・抹消するとき。新しい設定や所有権の保存・移転には付けない)
- 共有持分の一部が移るときの目的は何か(A持分一部移転。全員が各持分の全部を移すなら共有者全員持分全部移転)
- 地上権に付記された買戻権の移転の目的はどう書くか(1番地上権付記1号の付記1号買戻権移転)
- 登記の目的が同一であることはどこで要件になるか(一括申請、敷地権の登記後の職権抹消)
この用語が問われた肢
乙区 1 番で登記された地上権の持分を売買により取得したAが、その持分の一部を更にBに売却した場合に申請する登記の目的は、「 1 番地上権A持分一部移転」である。
甲土地を目的とする乙区 1 番で登記された地上権の移転の登記と同時に買戻しの特約の登記がされている場合において、売買を登記原因として当該特約に係る買戻権の移転の登記を申請するときの登記の目的は、「 1 番地上権付記 1 号の付記 1 号買戻権移転」である。
登記の目的である権利の消滅に関する定めの登記は、主登記によってされる。
解説と関連先例は肢別演習で読めます。
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