会社の継続かいしゃのけいぞく
解散した会社が清算の結了前に株主総会の決議や社員の同意で解散前の状態に戻ることです。どの解散事由なら継続でき、継続の登記の前に何を登記しておき、清算人の登記をどう消すかが肢で突かれます。
会社の継続は、解散した会社が清算の結了前に、株主総会の決議や社員の同意によって解散前の活動する会社に戻ることです。会社法473条は、存続期間の満了、解散事由の発生、株主総会の決議で解散した株式会社と、休眠会社のみなし解散の会社に継続を認めています。合併や破産手続開始の決定、解散命令で解散した会社には会社法473条の継続がありません。継続すると清算人は退き、取締役などの機関を改めて整えるので、登記は継続の登記と役員の就任の登記が一体になります。肢で突かれるのは、継続できる事由の範囲、解散の登記を経ることの要否、清算人の登記の消し方、持分会社と一般法人での違いです。
会社法 第473条(株式会社の継続)
株式会社は、第四百七十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、次章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、株主総会の決議によって、株式会社を継続することができる。

継続できる解散事由は三つとみなし解散です
株式会社が継続できるのは、存続期間の満了、定款で定めた解散事由の発生、株主総会の決議で解散した場合と、休眠会社として解散したものとみなされた場合です。清算が結了するまで継続でき、みなし解散の場合は解散したものとみなされた後3年以内に限られます。継続は株主総会の特別決議で決め、解散事由を定款で定めていたときは併せてその定めを変える定款変更をします。合併による解散や破産手続開始の決定、解散命令による解散には会社法473条の継続がなく、設立無効の判決で清算に入った株式会社にも継続の規定はありません。
解散と清算人の登記を経てから継続の登記をします
継続したときは2週間以内に本店の所在地で継続の登記をします。継続の登記は解散の登記と清算人の登記がされていることを前提にするので、解散の直後に継続を決めても解散の登記を省けません。「定款で定めた存続期間の満了により解散した株式会社が当該存続期間の満了後直ちに当該株式会社を継続する旨の株主総会の決議をしたときは、解散及び清算人の登記をした後でなければ当該株式会社の継続の登記の申請をすることができない」という肢は正しい肢です。実務では解散・清算人・継続・役員就任の各登記を連件や一つの申請書で出し、登録免許税は継続の登記が3万円で、解散と清算人の登記の分も納めます。
清算人の登記は職権で消え、取締役の就任を同時に申請します
継続の登記をすると、登記官は解散の登記、清算人会設置会社である旨の登記、清算人と代表清算人の登記に抹消の記号を記録します。「株主総会の決議により解散した株式会社が継続の登記を申請するときは、清算人及び代表清算人に関する登記の抹消登記をも申請しなければならない」という肢は誤りです。継続後の会社には取締役が要るので、継続を決めた株主総会で取締役を選任し、継続の登記と同時に取締役や代表取締役の就任の登記を申請する流れです。添付書面は株主総会議事録と株主リスト、取締役の就任承諾書が土台になります。取締役会を置かない会社の取締役と取締役会設置会社の代表取締役は就任承諾書に押した印鑑の印鑑証明書を、それ以外の取締役は本人確認証明書を添える区別です。登記実務では解散前と同じ人が取締役になっても再任とは扱われず、印鑑証明書の省略はなく、取締役会設置会社なら代表取締役の選定に関する書面も要ります。
持分会社は社員の同意で継続し、同意しない社員は退社します
持分会社は、存続期間の満了、解散事由の発生、総社員の同意で解散した場合に、清算結了まで社員の全部または一部の同意で継続できます。同意しなかった社員は継続の日に退社するので、その社員が登記されている合名会社・合資会社や合同会社の業務執行社員なら、継続の登記と併せて退社による変更の登記が必要です。「当該合名会社を継続することにつき同意しなかった社員について、社員の退社による変更の登記を申請しなければならない」という肢は正しい肢として出ています。設立無効の判決が確定した持分会社で無効の原因が一部の社員だけにあるときは、他の社員全員の同意で継続でき、原因のある社員は退社したものとみなす定めです。継続の登記には判決の謄本を添付し、「当該無効の原因がある社員が退社に同意したことを証する書面を添付しなければならない」という肢は誤りとされています。
一般財団法人の継続は限られ、一般社団法人は継続できます
一般社団法人は存続期間の満了、解散事由の発生、社員総会の決議で解散したときに社員総会の特別決議で継続できます。一般財団法人が継続できるのは、純資産額の不足で解散した後に純資産額が300万円以上に戻った場合と、休眠によるみなし解散の後3年以内の場合だけです。定款で定めた解散事由や存続期間の満了で解散したときは継続できません。「一般財団法人が定款で定めた解散の事由の発生により解散した場合には、清算が結了するまで、継続を決議した評議員会の議事録を添付して継続の登記の申請をすることができる」という肢は誤りです。休眠一般社団法人は解散したものとみなされた後3年以内に継続でき、「継続の登記の申請書には、総社員の半数以上であって、総社員の議決権の 3 分の 2 以上に当たる多数をもって決議した社員総会の議事録を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。基本財産の滅失による目的事業の成功の不能で解散した一般財団法人も継続の対象外です。
商業登記規則 第73条(継続の登記)
会社法第四百七十三条の規定による継続の登記をしたときは、解散の登記、清算人会設置会社である旨の登記並びに清算人及び代表清算人に関する登記を抹消する記号を記録しなければならない。
試験ではこう問われる
- 合併や破産で解散した会社は継続できるか(できない。継続できるのは存続期間満了・解散事由発生・株主総会決議・みなし解散)
- 解散の直後に継続を決めたとき解散と清算人の登記を省けるか(省けない)
- 継続の登記で清算人の登記の抹消を申請する必要はあるか(ない。職権で抹消される)
- 持分会社の継続に同意しなかった社員はどうなるか(退社し、退社の変更登記を申請する)
- 定款で定めた解散事由で解散した一般財団法人は継続できるか(できない。一般社団法人は特別決議で継続できる)
この用語が問われた肢
定款で定めた存続期間の満了により解散した株式会社が当該存続期間の満了後直ちに当該株式会社を継続する旨の株主総会の決議をしたときは、解散及び清算人の登記をした後でなければ当該株式会社の継続の登記の申請をすることができない。
株主総会の決議により解散した株式会社が継続の登記を申請するときは、清算人及び代表清算人に関する登記の抹消登記をも申請しなければならない。
定款で定めた存続期間の満了によって解散した合名会社が、社員の一部の同意によって継続する場合には、当該合名会社を継続することにつき同意しなかった社員について、社員の退社による変更の登記を申請しなければならない。
解説と関連先例は肢別演習で読めます。
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