一般財団法人いっぱんざいだんほうじん
設立者が拠出した財産を基礎にして設立される非営利の法人で、評議員・評議員会・理事・理事会・監事が必置です。財産の拠出を証する書面、必置機関が登記されないこと、解散後の監事の扱いが肢で突かれます。
一般財団法人は、設立者が300万円以上の財産を拠出し、定款を作って公証人の認証を受け、設立の登記をして成立する法人です。社員がいない代わりに評議員と評議員会が置かれ、理事会と監事も必置で、理事は3人以上要ります。設立者は生前の行為でも遺言でも設立でき、遺言のときは遺言執行者が定款を作成します。機関が法律で決まっているので、評議員会や監事を置く旨は登記事項にならず、評議員の氏名は登記されます。肢で突かれるのは、拠出の証明、登記されない機関の旨、解散後の監事の登記、継続ができないことです。
商業登記法 第47条(設立の登記)
設立の登記は、会社を代表すべき者の申請によつてする。
設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次の書面を添付しなければならない。
一 定款
二 会社法第五十七条第一項の募集をしたときは、同法第五十八条第一項に規定する設立時募集株式の引受けの申込み又は同法第六十一条の契約を証する書面
三 定款に会社法第二十八条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、次に掲げる書面
イ 検査役又は設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあつては、設立時取締役及び設立時監査役)の調査報告を記載した書面及びその附属書類
ロ 会社法第三十三条第十項第二号に掲げる場合には、有価証券(同号に規定する有価証券をいう。以下同じ。)の市場価格を証する書面
ハ 会社法第三十三条第十項第三号に掲げる場合には、同号に規定する証明を記載した書面及びその附属書類
四 検査役の報告に関する裁判があつたときは、その謄本
五 会社法第三十四条第一項の規定による払込みがあつたことを証する書面(同法第五十七条第一項の募集をした場合にあつては、同法第六十四条第一項の金銭の保管に関する証明書)
六 株主名簿管理人を置いたときは、その者との契約を証する書面
七 設立時取締役が設立時代表取締役を選定したときは、これに関する書面
八 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社であるときは、設立時執行役の選任並びに設立時委員及び設立時代表執行役の選定に関する書面
九 創立総会及び種類創立総会の議事録
十 会社法の規定により選任され又は選定された設立時取締役、設立時監査役及び設立時代表取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあつては設立時監査等委員である設立時取締役及びそれ以外の設立時取締役並びに設立時代表取締役、設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合にあつては設立時取締役、設立時委員、設立時執行役及び設立時代表執行役)が就任を承諾したことを証する書面
十一 設立時会計参与又は設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面
イ 就任を承諾したことを証する書面
ロ これらの者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。
ハ これらの者が法人でないときは、設立時会計参与にあつては会社法第三百三十三条第一項に規定する者であること、設立時会計監査人にあつては同法第三百三十七条第一項に規定する者であることを証する書面
十二 会社法第三百七十三条第一項の規定による特別取締役(同項に規定する特別取締役をいう。以下同じ。)による議決の定めがあるときは、特別取締役の選定及びその選定された者が就任を承諾したことを証する書面
登記すべき事項につき発起人全員の同意又はある発起人の一致を要するときは、前項の登記の申請書にその同意又は一致があつたことを証する書面を添付しなければならない。
会社法第八十二条第一項(同法第八十六条において準用する場合を含む。)の規定により創立総会又は種類創立総会の決議があつたものとみなされる場合には、第二項の登記の申請書に、同項第九号の議事録に代えて、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。

財産の拠出を証する書面を添付し、遺言書は添付しません
設立者は定款の認証後、設立の登記までに拠出する財産の全部を給付し、設立の登記の申請書には財産の拠出の履行があったことを証する書面を添付します。「一般財団法人の設立の登記の申請書には,財産の拠出の履行があったことを証する書面を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。遺言で定款の内容を定めたときは遺言執行者が定款を作成して認証を受けるので、添付するのは認証を受けた定款で、遺言書そのものは添付しません。「当該遺言に係る遺言書又は遺言書情報証明書を添付しなければならない」という肢は誤りです。拠出財産の価額は300万円以上で、設立後に純資産額が2期連続で300万円未満になると解散します。
評議員会・理事会・監事は必置なので設置の旨は登記されません
一般財団法人には評議員、評議員会、理事、理事会、監事が必ず置かれ、法律で決まっている機関の設置の旨は登記事項になりません。「一般財団法人の設立の登記の申請書には,登記すべき事項として,評議員会を置く一般財団法人である旨を記載しなければならない」という肢は誤りです。「監事を置く一般財団法人の設立の登記の申請書には,登記すべき事項として,監事を置く一般財団法人である旨を記載しなければならない」という肢も誤りです。評議員の氏名は登記事項で、「設立の登記の申請書には、登記すべき事項として、評議員の氏名を記載しなければならない」という肢は正しい肢です。会計監査人を置いたときはその旨と氏名または名称を登記します。
印鑑証明書は設立時代表理事に要り、他の理事には要りません
一般財団法人は理事会設置が必置なので、印鑑証明書を添付するのは設立時代表理事の就任承諾書についてです。「設立の登記の申請書には,法人を代表しない設立時理事が就任を承諾したことを証する書面の印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付することを要しない」という肢は正しい肢です。代表しない設立時理事と設立時監事には本人確認証明書を添付します。公告方法として主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法を定めることができ、「公告方法として「主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法」を登記することはできない」という肢は誤りです。貸借対照表の電磁的開示のためのアドレスを登記するときに理事会議事録は要らず、「当該事項について決議した理事会の議事録を添付しなければならない」という肢は誤りです。
解散後も監事を置く定めがあれば監事設置法人の旨を登記します
一般財団法人が解散して清算法人になると監事は必置ではなくなります。解散後も監事を置く旨の定款の定めがあるときと、清算開始の時に大規模一般財団法人だったときに監事設置法人である旨を登記します。「解散後も監事を置く旨の定款の定めのある一般財団法人が、定款で定めた存続期間の満了により解散した場合において、清算人の登記をするときは、監事設置法人である旨をも登記しなければならない」という肢は正しい肢です。解散前からの監事がそのまま続くので、「これらの登記と同時に監事の退任及び就任による変更の登記を申請しなければならない」という肢は誤りです。解散と最初の清算人の登記を一つの申請書で申請しても定款の添付は要り、「定款を添付することを要しない」という肢は誤りです。
解散事由の定めは登記され、定款事由で解散した財団は継続できません
存続期間や解散事由についての定款の定めは登記事項ですが、基本財産の滅失などによる目的事業の成功の不能で解散する旨を定款で定めても、その定めは登記しません。「当該解散の事由を登記しなければならない」とする肢が誤りとされているのは、目的事業の成功の不能による解散が定款の定めを待たずに生じる法定の解散事由であり、定款で重ねて定めても登記事項に当たらないからです。定款で定めた解散事由の発生や存続期間の満了で解散した一般財団法人は継続できず、「清算が結了するまで、継続を決議した評議員会の議事録を添付して継続の登記の申請をすることができる」という肢は誤りです。解散した一般財団法人は存続法人になる合併もできません。
商業登記法 第54条(取締役等の変更の登記)
取締役、監査役、代表取締役又は特別取締役(監査等委員会設置会社にあつては監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役、代表取締役又は特別取締役、指名委員会等設置会社にあつては取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役)の就任による変更の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。
会計参与又は会計監査人の就任による変更の登記の申請書には、次の書面を添付しなければならない。
一 就任を承諾したことを証する書面
二 これらの者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。
三 これらの者が法人でないときは、会計参与にあつては会社法第三百三十三条第一項に規定する者であること、会計監査人にあつては同法第三百三十七条第一項に規定する者であることを証する書面
会計参与又は会計監査人が法人であるときは、その名称の変更の登記の申請書には、前項第二号に掲げる書面を添付しなければならない。ただし、同号ただし書に規定する場合は、この限りでない。
第一項又は第二項に規定する者の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。
試験ではこう問われる
- 一般財団法人の設立の登記に財産の拠出の履行を証する書面は要るか(要る)
- 遺言で設立するとき遺言書を添付するか(しない。認証を受けた定款を添付する)
- 評議員会・理事会・監事の設置の旨は登記事項か(登記事項でない。評議員の氏名は登記する)
- 解散後も監事を置く定めがある財団の清算人の登記で監事設置法人の旨を登記するか(する。監事の退任・就任の登記は不要)
- 定款で定めた解散事由で解散した一般財団法人は継続できるか(できない)
この用語が問われた肢
一般財団法人の設立の登記の申請書には,財産の拠出の履行があったことを証する書面を添付しなければならない。
設立者が遺言において定款の内容を定めた場合における一般財団法人の設立の登記の申請書には,当該遺言に係る遺言書又は遺言書情報証明書を添付しなければならない。
一般財団法人の設立の登記の申請書には,登記すべき事項として,評議員会を置く一般財団法人である旨を記載しなければならない。
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