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一般社団法人いっぱんしゃだんほうじん

商業登記 第13章 一般社団・財団法人と特例有限会社 過去問で20肢

人の集まりを基礎にして、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律により設立される非営利の法人です。設立の要件と添付書面、株式会社との登記事項の違いが肢で突かれます。

一般社団法人は、2人以上の設立時社員が定款を作り、公証人の認証を受けて、主たる事務所の所在地で設立の登記をすることで成立する法人です。平成20年12月1日に施行された一般社団法人及び一般財団法人に関する法律が根拠で、事業の公益性を問わず登記だけで設立でき、剰余金の分配はできません。機関は社員総会と理事が必置で、定款で理事会、監事、会計監査人を置けます。登記の手続は商業登記法が準用されるので株式会社と似ていますが、登記事項と決議要件に固有の違いがあります。肢で突かれるのは、設立の要件、添付書面のうち株式会社と違う点、登記されない定款の定めです。

商業登記法 第47条

(設立の登記)
設立の登記は、会社を代表すべき者の申請によつてする。
設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次の書面を添付しなければならない。
一 定款
二 会社法第五十七条第一項の募集をしたときは、同法第五十八条第一項に規定する設立時募集株式の引受けの申込み又は同法第六十一条の契約を証する書面
三 定款に会社法第二十八条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、次に掲げる書面
 イ 検査役又は設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあつては、設立時取締役及び設立時監査役)の調査報告を記載した書面及びその附属書類
 ロ 会社法第三十三条第十項第二号に掲げる場合には、有価証券(同号に規定する有価証券をいう。以下同じ。)の市場価格を証する書面
 ハ 会社法第三十三条第十項第三号に掲げる場合には、同号に規定する証明を記載した書面及びその附属書類
四 検査役の報告に関する裁判があつたときは、その謄本
五 会社法第三十四条第一項の規定による払込みがあつたことを証する書面(同法第五十七条第一項の募集をした場合にあつては、同法第六十四条第一項の金銭の保管に関する証明書)
六 株主名簿管理人を置いたときは、その者との契約を証する書面
七 設立時取締役が設立時代表取締役を選定したときは、これに関する書面
八 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社であるときは、設立時執行役の選任並びに設立時委員及び設立時代表執行役の選定に関する書面
九 創立総会及び種類創立総会の議事録
十 会社法の規定により選任され又は選定された設立時取締役、設立時監査役及び設立時代表取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあつては設立時監査等委員である設立時取締役及びそれ以外の設立時取締役並びに設立時代表取締役、設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合にあつては設立時取締役、設立時委員、設立時執行役及び設立時代表執行役)が就任を承諾したことを証する書面
十一 設立時会計参与又は設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面
 イ 就任を承諾したことを証する書面
 ロ これらの者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。
 ハ これらの者が法人でないときは、設立時会計参与にあつては会社法第三百三十三条第一項に規定する者であること、設立時会計監査人にあつては同法第三百三十七条第一項に規定する者であることを証する書面
十二 会社法第三百七十三条第一項の規定による特別取締役(同項に規定する特別取締役をいう。以下同じ。)による議決の定めがあるときは、特別取締役の選定及びその選定された者が就任を承諾したことを証する書面
登記すべき事項につき発起人全員の同意又はある発起人の一致を要するときは、前項の登記の申請書にその同意又は一致があつたことを証する書面を添付しなければならない。
会社法第八十二条第一項(同法第八十六条において準用する場合を含む。)の規定により創立総会又は種類創立総会の決議があつたものとみなされる場合には、第二項の登記の申請書に、同項第九号の議事録に代えて、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。

数人が円卓を囲んで定款に署名し、横で公証人が印を押す。奥で登記所の職員が帳簿の新しいページを開く。硬貨の袋はない
一般社団法人は設立時社員2人以上が認証を受けた定款で設立し、社員の資格得喪や基金募集の定めは登記されません
定款は認証が要る、公告方法必須登記期間は調査終了日か指定日から2週間調査書面は添付しない会計監査人は負債200億円以上で必置

設立時社員2人以上が定款を作り、公証人の認証を受けます

設立時社員は2人以上要り、定款には設立時社員の氏名または名称と住所を記載して公証人の認証を受けます。「設立の登記の申請書に添付する公証人の認証を受けた定款には、 2 人以上の設立時社員の氏名又は名称及び住所が記載されていなければならない」という肢は正しい肢です。「一般社団法人の設立の登記の申請書には、公証人による認証を受けた定款を添付することを要しない」という肢は誤りです。定款には公告方法も必ず記載し、「定款に公告方法の定めがない場合は,当該定款を添付して一般社団法人の設立の登記を申請することはできない」という肢が正しい肢になります。主たる事務所の具体的な所在場所は設立時社員が定めるので、「設立時理事の過半数の一致があったことを証する書面を添付しなければならない」という肢は誤りです。

登記期間は調査終了日か設立時社員が定めた日から2週間です

設立の登記は、設立時理事による設立手続の調査が終了した日か、設立時社員が定めた日のいずれか遅い日から2週間以内に主たる事務所の所在地でします。監事設置一般社団法人では設立時監事も調査に加わります。「設立時理事及び設立時監事の設立手続の調査が終了した日又は設立時社員が定めた日のいずれか遅い日から2週間以内にしなければならない」という肢は正しい肢として出ています。調査をしたことを証する書面は添付書面ではなく、「設立時理事及び設立時監事が一般社団法人の設立の手続が法令又は定款に違反していないことを調査したことを証する書面を添付しなければならない」という肢は誤りです。添付するのは定款、設立時理事などの選任と就任承諾を証する書面で、設立時代表理事を定めたときはその選定書面と就任承諾書を加えます。

就任承諾書の印鑑証明書と本人確認証明書は株式会社と同じ区別です

理事会を置かない一般社団法人では設立時理事の、理事会設置一般社団法人では設立時代表理事の就任承諾書に押した印鑑の印鑑証明書を添付します。「設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人でないときは,その設立の登記の申請書には,設立時理事が就任を承諾したことを証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。印鑑証明書を付けない理事には本人確認証明書を添付するので、「Aが就任を承諾したことを証する書面に記載したAの氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書を添付しなければならない」という肢が正しい肢として出ています。新設合併による設立では印鑑証明書が要らず、「設立時代表理事が就任を承諾したことを証する書面の印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付することを要しない」という肢は正しい肢です。

社員の資格得喪や基金募集の定めは登記されません

登記事項は目的、名称、主たる事務所、存続期間や解散事由の定め、理事の氏名、代表理事の氏名と住所、理事会・監事・会計監査人の設置の旨、公告方法などです。社員の資格の得喪に関する定款の定めは登記事項ではなく、「社員の資格の得喪に関する定款の定めは,登記事項である」という肢は誤りとされています。基金を引き受ける者の募集をすることができる旨の定款の定めも登記できず、「これを登記することはできない」という肢は正しい肢です。存続期間の定めは登記事項なので、「存続期間についての定款の定めを廃止したときは,存続期間の廃止による変更の登記を申請しなければならない」という肢は正しい肢です。非業務執行理事等の責任限定契約についての定款の定めは登記事項です。

会計監査人の必置は負債200億円以上の大規模法人です

大規模一般社団法人は、最終事業年度の貸借対照表の負債の部の合計額が200億円以上の法人で、会計監査人を置かなければなりません。基金の額は基準ではなく、「貸借対照表に計上した基金の額が 5 億円以上の一般社団法人は、会計監査人設置の定めの設定及び会計監査人の就任の登記を申請しなければならない」という肢は誤りです。株式会社の大会社の資本金5億円という基準を一般社団法人に持ち込ませる形で作られています。監事の監査の範囲を会計に限定する制度は一般社団法人になく、「一般社団法人は、監事の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の登記をすることができない」という肢は正しい肢です。

商業登記規則 第61条

(添付書面)
定款の定め又は裁判所の許可がなければ登記すべき事項につき無効又は取消しの原因が存することとなる申請については、申請書に、定款又は裁判所の許可書を添付しなければならない。
登記すべき事項につき次の各号に掲げる者全員の同意を要する場合には、申請書に、当該各号に定める事項を証する書面を添付しなければならない。
一 株主 株主全員の氏名又は名称及び住所並びに各株主が有する株式の数(種類株式発行会社にあつては、株式の種類及び種類ごとの数を含む。次項において同じ。)及び議決権の数
二 種類株主 当該種類株主全員の氏名又は名称及び住所並びに当該種類株主のそれぞれが有する当該種類の株式の数及び当該種類の株式に係る議決権の数
登記すべき事項につき株主総会又は種類株主総会の決議を要する場合には、申請書に、総株主(種類株主総会の決議を要する場合にあつては、その種類の株式の総株主)の議決権(当該決議(会社法第三百十九条第一項(同法第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定により当該決議があつたものとみなされる場合を含む。)において行使することができるものに限る。以下この項において同じ。)の数に対するその有する議決権の数の割合が高いことにおいて上位となる株主であつて、次に掲げる人数のうちいずれか少ない人数の株主の氏名又は名称及び住所、当該株主のそれぞれが有する株式の数(種類株主総会の決議を要する場合にあつては、その種類の株式の数)及び議決権の数並びに当該株主のそれぞれが有する議決権に係る当該割合を証する書面を添付しなければならない。
一 十名
二 その有する議決権の数の割合を当該割合の多い順に順次加算し、その加算した割合が三分の二に達するまでの人数
設立(合併及び組織変更による設立を除く。)の登記の申請書には、設立時取締役が就任を承諾したこと(成年後見人又は保佐人が本人に代わつて承諾する場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾したこと。以下この項において同じ。)を証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。取締役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書に添付すべき取締役が就任を承諾したことを証する書面に押印した印鑑についても、同様とする。
取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「設立時取締役」とあるのは「設立時代表取締役又は設立時代表執行役」と、同項後段中「取締役」とあるのは「代表取締役又は代表執行役」とする。
代表取締役又は代表執行役の就任による変更の登記の申請書には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、当該印鑑と変更前の代表取締役又は代表執行役(取締役を兼ねる者に限る。)が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。
一 株主総会又は種類株主総会の決議によつて代表取締役を定めた場合 議長及び出席した取締役が株主総会又は種類株主総会の議事録に押印した印鑑
二 取締役の互選によつて代表取締役を定めた場合 取締役がその互選を証する書面に押印した印鑑
三 取締役会の決議によつて代表取締役又は代表執行役を選定した場合 出席した取締役及び監査役が取締役会の議事録に押印した印鑑
設立の登記又は取締役、監査役若しくは執行役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書には、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、監査役又は執行役(以下この項及び第百三条において「取締役等」という。)が就任を承諾したこと(成年後見人又は保佐人が本人に代わつて承諾する場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾したこと)を証する書面に記載した取締役等の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該取締役等(その者の成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾した場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人)が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。)を添付しなければならない。ただし、登記の申請書に第四項(第五項において読み替えて適用される場合を含む。)又は前項の規定により当該取締役等の印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付する場合は、この限りでない。
代表取締役若しくは代表執行役又は取締役若しくは執行役(登記所に印鑑を提出した者がある場合にあつては当該印鑑を提出した者に限り、登記所に印鑑を提出した者がない場合にあつては会社の代表者に限る。以下この項において「代表取締役等」という。)の辞任による変更の登記の申請書には、当該代表取締役等(その者の成年後見人又は保佐人が本人に代わつて行う場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人)が辞任を証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、登記所に印鑑を提出した者がある場合であつて、当該書面に押印した印鑑と当該代表取締役等が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。
設立の登記又は資本金の額の増加若しくは減少による変更の登記の申請書には、資本金の額が会社法及び会社計算規則(平成十八年法務省令第十三号)の規定に従つて計上されたことを証する書面を添付しなければならない。
登記すべき事項につき会社に一定の分配可能額(会社法第四百六十一条第二項に規定する分配可能額をいう。)又は欠損の額が存在することを要するときは、申請書にその事実を証する書面を添付しなければならない。
資本準備金の額の減少によつてする資本金の額の増加による変更の登記(会社法第四百四十八条第三項に規定する場合に限る。)の申請書には、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。

試験ではこう問われる

  1. 一般社団法人の設立に公証人の認証を受けた定款は要るか(要る。設立時社員は2人以上)
  2. 設立の登記期間はいつから2週間か(設立手続の調査終了日か設立時社員が定めた日の遅い日)
  3. 設立手続を調査したことを証する書面は添付するか(しない)
  4. 社員の資格得喪や基金募集の定款の定めは登記事項か(登記事項でない)
  5. 会計監査人が必置になる基準は何か(負債200億円以上。基金の額は無関係)

この用語が問われた肢

R7 問35 エ正しい

設立の登記の申請書に添付する公証人の認証を受けた定款には、 2 人以上の設立時社員の氏名又は名称及び住所が記載されていなければならない。

R4 問35 ア誤り

一般社団法人の設立の登記の申請書には、公証人による認証を受けた定款を添付することを要しない。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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