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みなし解散みなしかいさん

商業登記 第11章 解散・清算・継続 過去問で3肢

12年間登記のない休眠会社に法務大臣が公告し、2か月以内に届出がなければ解散したものとみなす制度です。登記が職権でされること、継続の期限、同じ商号の設立ができないことが肢で突かれます。

みなし解散は、登記が最後にあった日から12年を経過した休眠会社を、法務大臣の公告から2か月以内に届出も登記もなければ解散したものとみなす制度です。公告は官報でされ、事業を廃止していない旨の届出を促すもので、解散の効果は2か月の期間の満了の時に生じます。会社法472条が定め、役員の任期が最長10年なので12年間登記がない会社は実体を失っている可能性が高いことに基づきます。解散の登記は登記官が職権でし、会社は3年以内なら継続できます。肢で突かれるのは、職権と申請の区別、法定清算人の登記の要否、継続の期限、登記記録が閉鎖されるまでの商号の扱いです。

会社法 第472条

(休眠会社のみなし解散)
休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。
登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠会社に対し、その旨の通知を発しなければならない。

蜘蛛の巣の張った会社の扉に登記所の職員が通知の封筒を差し込み、カレンダーが長い年月をめくれて落ちている
みなし解散は12年間登記のない株式会社に公告し、2か月内に届出がなければ職権で解散の登記がされます
12年・公告から2か月解散の登記は職権取締役が法定清算人、登記は申請継続は3年以内、同一商号の設立不可

12年間登記のない株式会社に法務大臣が公告します

休眠会社は、株式会社であって最後の登記の日から12年を経過したもので、特例有限会社は対象から外れています。法務大臣が官報に公告すると、登記所は休眠会社に通知を発します。公告から2か月以内に、本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出を書面でするか、何らかの登記の申請をすれば、解散したものとはみなされません。届出も登記もないと、2か月の期間の満了の時に解散したものとみなされる仕組みです。対象は株式会社だけで、持分会社には休眠会社の制度がなく、一般社団法人と一般財団法人は5年で休眠法人という別の枠です。

解散の登記は登記官が職権でし、取締役が法定清算人になります

みなし解散の解散の登記は会社が申請するのではなく、登記官が職権でします。職権で解散の登記がされると、取締役会設置会社の旨や取締役・代表取締役の登記などに抹消の記号が記録されます。清算人の登記は職権ではされず、定款で定めた清算人や株主総会で選任した清算人がいなければ解散の時の取締役が法定清算人になるので、会社が清算人の登記を申請します。「当該解散後に株主総会の決議により選任した清算人Bの就任の登記の前提として,当該解散の時における取締役Aが清算人となった旨の登記の申請をしなければならない」という肢は正しい肢です。取締役が清算人になった旨の登記には定款を添付し、就任承諾書は要りません。

登記記録が閉鎖されるまで、同じ商号・本店の会社は設立できません

みなし解散の登記がされても会社の登記記録は閉鎖されず、清算結了の登記か解散の登記から10年を経過した職権閉鎖まで残ります。登記記録が残っている間は、同一の商号で同一の本店の所在場所の会社を設立できません。「職権で解散の登記がされた休眠会社と商号及び本店の所在場所を同一とする株式会社の設立の登記を申請することはできない」という肢は正しい肢です。解散の登記がされた会社でも商号の登記は生きているので、登記官は設立の登記を却下します。

継続は解散したものとみなされた後3年以内に限られます

解散したものとみなされた会社は、清算が結了するまでの間でも、みなし解散の後3年以内に限って株主総会の特別決議で継続できます。継続したときは2週間以内に継続の登記を申請し、同時に取締役や代表取締役の就任の登記をする手順です。継続の登記をすると解散の登記と清算人の登記は職権で抹消されます。3年を経過すると継続できなくなり、清算を結了させるしかありません。

役員変更の登記を怠らなければ対象になりません

取締役の任期は非公開会社でも最長10年なので、任期ごとに役員変更の登記をしていれば12年間登記がない状態にはなりません。登記を怠ると過料の対象になるだけでなく、みなし解散で事業の継続に支障が出ます。届出をしても最後の登記の日は動かないので、届出だけで登記をしなければ翌年の公告でも再び対象です。登記所からの通知が届かなくても公告があれば効力は生じるので、本店の所在場所の変更の登記を怠っている会社ほど注意が要ります。

商業登記法 第72条

(職権による解散の登記)
会社法第四百七十二条第一項本文の規定による解散の登記は、登記官が、職権でしなければならない。

試験ではこう問われる

  1. 休眠会社とは何年間登記のない会社か(12年)
  2. みなし解散の解散の登記は誰がするか(登記官の職権)
  3. みなし解散後に清算人を選任するとき取締役が清算人になった登記を省けるか(省けない)
  4. みなし解散の登記がされた会社と同じ商号・本店の会社を設立できるか(できない)
  5. みなし解散の会社はいつまで継続できるか(解散したものとみなされた後3年以内)

この用語が問われた肢

R4 問33 エ正しい

休眠会社のみなし解散による解散の登記がされた会社において、当該解散の時における取締役Aが清算人となるときは、当該解散後に株主総会の決議により選任した清算人Bの就任の登記の前提として、当該解散の時における取締役Aが清算人となった旨の登記の申請をしなければならない。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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