会計参与設置会社かいけいさんよせっちがいしゃ
会計参与を置く旨の定款の定めがある株式会社で、どの機関設計の会社でも定款で置けます。会計参与設置会社である旨と氏名・書類備置場所の登記、設定の登記の添付書面、置けない会社があるかのすり替えが肢で突かれます。
会計参与設置会社は、会社法2条8号により会計参与を置く株式会社のことです。会計参与は会社法374条1項により取締役(指名委員会等設置会社では執行役)と共同して計算書類を作る役員で、公認会計士・監査法人・税理士・税理士法人に限られます。会社法326条2項により、どの株式会社も定款の定めで会計参与を置くことができ、特定の会社に設置を義務づける規定はありません。会社法911条3項16号により、会計参与設置会社である旨・会計参与の氏名または名称・計算書類などを備え置く場所が登記事項です。肢で突かれるのは、置ける会社の範囲、設定の登記に添える書面、解散で消える登記です。
会社法 第326条(株主総会以外の機関の設置)
株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。
株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。

会計参与はどの機関設計の会社でも置けます
会計参与の設置は会社法326条2項の任意の機関設計で、公開会社でも大会社でも委員会型の会社でも定款で置けます。「会社法上の公開会社であって大会社である会社は、会計参与設置会社の定めの設定による変更の登記の申請をすることができない」という肢は誤りです。会計参与を置くことで変わるのは、会社法327条2項ただし書により、公開会社でない取締役会設置会社が監査役を置かずに済むことです。会計監査人を置く会社は同条3項により監査役が要るので、この例外は会計監査人を置かない会社に限られます。会計参与と監査役を両方置くこともでき、どちらか一方に絞られる関係ではありません。会計参与は株主総会で選任する役員で、会社法333条3項によりその会社の取締役や監査役との兼任はできません。
設定の登記は定款変更と会計参与の就任を同時に申請します
会計参与を置く旨の定めを設ける定款変更は株主総会の特別決議で、株主総会議事録と株主リストを添えます。会計参与の選任は会社法329条1項により株主総会の普通決議で、就任の登記には商業登記法54条2項の就任承諾書と資格を証する書面が要ります。会計参与が法人のときは登記事項証明書(同一管轄や会社法人等番号の記載で省略可)を、個人のときは公認会計士や税理士であることを証する書面を添えます。会計参与は役員ですが、商業登記規則61条7項の本人確認証明書の対象は取締役・監査役・執行役なので、会計参与には要りません。登記すべき事項には会社法378条1項の書類を備え置く場所も書きます。会計参与の任期は会社法334条1項が取締役の規定を準用するので原則2年で、委員会型でない非公開会社は定款で10年まで伸ばせます。
発起設立の設立時会計参与は発起人の議決権の過半数で選任します
設立しようとする会社が会計参与設置会社のときは、会社法38条3項1号により発起人が出資の履行後に設立時会計参与を選任します。選任の決定は会社法40条1項により発起人の議決権の過半数で足り、全員の同意は要りません。「株式会社の設立が発起設立であり、設立しようとする会計参与設置会社の定款に設立時会計参与を定めなかった場合には、当該設立の登記の申請書には、設立時会計参与の選任につき発起人全員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない」という肢は誤りです。募集設立では会社法88条1項により創立総会の決議で選任します。設立の登記の申請書には、商業登記法47条2項11号により設立時会計参与の就任承諾書と資格を証する書面を添付します。
廃止すると会計参与は任期満了で退任し、解散では職権で抹消されます
会計参与を置く旨の定款の定めを廃止すると、会社法334条2項により会計参与の任期はその時に満了します。廃止の登記と会計参与の退任の登記を同じ申請書で申請し、退任を証する書面は定款変更の株主総会議事録です。解散の登記をしたときは、商業登記規則72条1項3号により会計参与設置会社である旨と会計参与に関する登記に抹消する記号が記録されます。清算株式会社に会計参与の制度がないからで、監査役設置会社である旨が残るのと対照的です。
会社法 第911条第3項第16号会計参与設置会社であるときは、その旨並びに会計参与の氏名又は名称及び第三百七十八条第一項の場所
試験ではこう問われる
- 公開会社である大会社は会計参与設置会社になれるか(なれる)
- 会計参与を置くと監査役を置かずに済むのはどの会社か(公開会社でない取締役会設置会社)
- 発起設立の設立時会計参与の選任は発起人全員の同意が要るか(議決権の過半数で足りる。募集設立は創立総会)
- 会計参与の就任の登記に本人確認証明書は要るか(要らない。資格を証する書面を添える)
- 解散の登記で会計参与設置会社である旨は抹消されるか(職権で抹消される)
この用語が問われた肢
会社法上の公開会社であって大会社である会社は、会計参与設置会社の定めの設定による変更の登記の申請をすることができない。
株式会社の設立が発起設立であり、設立しようとする会計参与設置会社の定款に設立時会計参与を定めなかった場合には、当該設立の登記の申請書には、設立時会計参与の選任につき発起人全員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。
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