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会計監査人設置会社かいけいかんさにんせっちがいしゃ

商業登記 第6章 機関設計と機関の登記 過去問で7肢

会計監査人を置く旨の定款の定めがある株式会社と、大会社や委員会型の会社のように会計監査人を置かなければならない株式会社です。置く義務がある会社の範囲、監査役との連動、解散で職権抹消されることが肢で突かれます。

会計監査人設置会社は、会社法2条11号により会計監査人を置く株式会社と、法律の規定で会計監査人を置かなければならない株式会社のことです。会計監査人は会社法337条1項により公認会計士か監査法人に限られ、役員ではなく役員等として計算書類を監査します。会社法328条により大会社は公開・非公開を問わず会計監査人が必置で、会社法327条5項により監査等委員会設置会社と指名委員会等設置会社も必置です。会社法911条3項19号により、会計監査人設置会社である旨と会計監査人の氏名または名称を登記します。肢で突かれるのは、会計監査人を置くときに連動して要る機関と、設置・廃止・解散の場面でどの登記を申請するかです。

会社法 第328条

(大会社における監査役会等の設置義務)
大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。
公開会社でない大会社は、会計監査人を置かなければならない。

窓越しに社内の帳簿を望遠鏡で確かめる監査法人の人物と、帳簿を差し出す社長と監査役
会計監査人設置会社は大会社と委員会型の会社に必置で、監査役は要りますが監査役会までは要りません
大会社・委員会型に必置監査役は要る・監査役会は不要解散で職権抹消みなし再任は承諾書不要

大会社と委員会型の会社は会計監査人が必置です

会社法328条1項は委員会型でない公開会社である大会社に監査役会と会計監査人を、同条2項は公開会社でない大会社に会計監査人を置かせます。監査等委員会設置会社と指名委員会等設置会社は規模にかかわらず会社法327条5項により会計監査人を置きます。「取締役会及び監査役を置く旨の定款の定めがある大会社ではない会社において、監査役設置会社の定めの廃止の登記とともに監査等委員会設置会社の定めの設定による変更の登記を申請する場合には、併せて会計監査人設置会社の定めの設定による変更の登記の申請をしなければならない」という肢は正しい肢です。大会社でない会社が任意に会計監査人を置くこともでき、その場合も会計監査人設置会社である旨を登記します。

会計監査人設置会社は監査役を置きますが監査役会までは要りません

会社法327条3項により、会計監査人設置会社は監査等委員会設置会社と指名委員会等設置会社を除いて監査役を置かなければなりません。会計監査人の監査を受ける会社には、会計監査人の選任議案の内容を決め、会計監査人と連携する監査役が要るからです。監査役会が必要になるのは公開会社である大会社に限られ、「新たに会計監査人設置会社の定めの設定による変更の登記をする場合には、併せて監査役会設置会社の定めの設定による変更の登記の申請をしなければならない」という肢は誤りです。監査役の監査の範囲を会計に限定している会社は、会社法389条1項により会計監査人設置会社になれないので、限定の定めの廃止も同時に要ります。

設定の登記には会計監査人の就任承諾書と資格を証する書面を添えます

会計監査人を置く旨の定款変更は株主総会の特別決議、会計監査人の選任は会社法329条1項の普通決議です。申請書には株主総会議事録と株主リストのほか、商業登記法54条2項により就任承諾書と、監査法人なら登記事項証明書、公認会計士なら公認会計士であることを証する書面を添えます。選任の議案の内容は監査役設置会社では会社法344条1項により監査役が決め、監査役会設置会社では監査役会、委員会型の会社では監査等委員会や監査委員会が決めます。決定したことを証する書面は添付書面ではありません。「株主総会の決議により会計監査人を解任した場合の変更の登記の申請書には,監査役が当該株主総会の議案の内容を決定したことを証する書面を添付しなければならない」という肢は誤りです。会計監査人は会社法338条2項により定時株主総会で別段の決議がなければ再任されたものとみなされ、「再任されたものとみなされた場合には,会計監査人の重任による変更の登記の申請書には,当該会計監査人が就任を承諾したことを証する書面の添付を要しない」という肢は正しい肢です。

解散の登記で会計監査人設置会社である旨は職権で抹消されます

解散の登記をすると、商業登記規則72条1項4号により会計監査人設置会社である旨と会計監査人に関する登記に抹消する記号が記録されます。当事者が廃止や退任の登記を申請する必要はなく、「会計監査人設置会社が株主総会の決議により解散した場合は、解散の登記の申請と同時に、会計監査人設置会社の定めの廃止及び会計監査人の任期満了による退任の登記の申請をしなければならない」という肢は誤りです。監査役設置会社である旨は解散しても抹消されないので、同じ申請で両方が消えるとする肢も誤りです。

廃止の登記では会計監査人の退任も同時に申請します

会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止すると、会社法338条3項により会計監査人の任期はその時に満了します。廃止の登記と会計監査人の退任の登記を同じ申請書で申請し、退任を証する書面は定款変更の株主総会議事録で足ります。大会社や委員会型の会社は会計監査人を置く義務があるので、その要件を外れないまま廃止の定款変更をしても登記できません。大会社でなくなったかどうかは登記簿に表れないため、登記官が申請書の記載と添付書面から判断する仕組みです。

会社法 第911条第3項第19号

会計監査人設置会社であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称

試験ではこう問われる

  1. 会計監査人を置く義務があるのはどの会社か(大会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社)
  2. 会計監査人設置会社になるとき監査役会設置会社の定めの設定も要るか(要らない。委員会型でなければ監査役は要る)
  3. 会計監査人の選任議案の内容を監査役が決定したことを証する書面は添付するか(しない)
  4. みなし再任のときに就任承諾書は要るか(要らない)
  5. 解散の登記で会計監査人設置会社である旨は抹消されるか(職権で抹消され、廃止の申請は要らない)

この用語が問われた肢

R4 問30 エ正しい

取締役会及び監査役を置く旨の定款の定めがある大会社ではない会社において、監査役設置会社の定めの廃止の登記とともに監査等委員会設置会社の定めの設定による変更の登記を申請する場合には、併せて会計監査人設置会社の定めの設定による変更の登記の申請をしなければならない。

R4 問30 ア誤り

取締役会及び監査役を置く旨の定款の定めがある会社法上の公開会社であって大会社ではない会社が、新たに会計監査人設置会社の定めの設定による変更の登記をする場合には、併せて監査役会設置会社の定めの設定による変更の登記の申請をしなければならない。

R2 問29 エ正しい

会計監査人設置会社において,会計監査人が選任後 1 年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会において別段の決議がされなかったことにより再任されたものとみなされた場合には,会計監査人の重任による変更の登記の申請書には,当該会計監査人が就任を承諾したことを証する書面の添付を要しない。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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