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司法書士会と日本司法書士会連合会しほうしょしかいとにほんしほうしょしかいれんごうかい

司法書士法 第3章 司法書士法人と司法書士会 過去問で10肢

司法書士会は、法務局又は地方法務局の管轄区域ごとに一箇設立される法人で、会員の品位を保持し業務の改善進歩を図るため会員の指導及び連絡に関する事務を行うことを目的とし(52条)、日本司法書士会連合会は全国の司法書士会が設立し、これに加えて司法書士の登録に関する事務を行います(62条)。試験では、登録事務を行うのは連合会であって司法書士会ではないこと、司法書士会が紛議の調停や法務大臣への報告をすることが問われています。

司法書士会は、司法書士が事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域ごとに、会則を定めて一箇設立する法人です(52条1項・3項)。日本司法書士会連合会は、全国の司法書士会が会則を定めて設立します(62条1項)。どちらの会則も、制定と変更には原則として法務大臣の認可が要ります(54条1項・64条)。

黒板の左右に司法書士会と連合会を並べ、登録の事務は連合会だけと示す教室
司法書士の登録に関する事務を行うのは日本司法書士会連合会で、司法書士会の目的は会員の指導と連絡です
登録事務は連合会司法書士会は指導・連絡名簿は連合会に
司法書士法 第52条第2項

司法書士会は、会員の品位を保持し、その業務の改善進歩を図るため、会員の指導及び連絡に関する事務を行うことを目的とする。

司法書士の登録に関する事務を行うのは、連合会です

52条2項が定める司法書士会の目的は、会員の指導及び連絡に関する事務です。62条2項が定める連合会の目的は、司法書士会とその会員の指導及び連絡に関する事務に加え、司法書士の登録に関する事務です。司法書士名簿は連合会に備えられ、登録も連合会が行います(8条)。連合会には、登録の拒否や取消しを審議する登録審査会が置かれます(67条)。

司法書士法 第62条第2項

日本司法書士会連合会は、司法書士会の会員の品位を保持し、その業務の改善進歩を図るため、司法書士会及びその会員の指導及び連絡に関する事務を行い、並びに司法書士の登録に関する事務を行うことを目的とする。

会則の制定・変更には原則として法務大臣の認可が要り、司法書士会は法務局を経由して申請します

司法書士会の会則には、名称と事務所の所在地、役員、会議、会員の品位保持、会員の執務、入会と退会、研修、紛議の調停、情報の公開、資産と会計、会費などを記載します(53条)。会則を定め又は変更するには法務大臣の認可が要り、法務大臣は連合会の意見を聞いて処分をします(54条1項本文・2項)。名称・事務所の所在地や研修・紛議の調停・情報の公開・資産と会計・会費に係る変更には認可が要りません(54条1項ただし書)。認可の申請は、会の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長を経由して法務大臣にします(施行規則43条1項)。連合会の会則にも登録に関する規定などを記載し(63条)、制定・変更には原則として法務大臣の認可が要ります(64条)。連合会は法務大臣に直接申請します(施行規則45条1項)。

司法書士法 第54条第1項

司法書士会の会則を定め、又はこれを変更するには、法務大臣の認可を受けなければならない。ただし、前条第一号及び第七号から第十一号までに掲げる事項に係る会則の変更については、この限りでない。

司法書士会と連合会は法人で、登記をし、会長が代表します

司法書士会は法人であり(52条3項)、政令の定めるところにより登記をしなければならず、登記の後でなければ登記事項を第三者に対抗できません(55条)。会には会長・副会長と会則で定めるその他の役員を置き、会長が会を代表して会務を総理し、副会長は会長を補佐し、会長に事故があるときはその職務を代理し、会長が欠員のときはその職務を行います(56条)。これらの規定は連合会にも準用されます(66条)。会が登記を怠ったときは、会の代表者が30万円以下の過料に処せられます(81条)。連合会は、司法書士・司法書士法人の業務や制度について法務大臣に建議し、又はその諮問に答申することができます(65条)。

司法書士法 第56条第2項

会長は、司法書士会を代表し、その会務を総理する。

司法書士会は、紛議の調停、法務大臣への報告、注意勧告を行います

司法書士会は、所属の会員の業務に関する紛議について、その会員又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができます(59条)。所属の会員が法律又は命令に違反すると思料するときは法務大臣に報告しなければならず(60条)、違反するおそれがあると認めるときは注意を促し又は勧告をすることができます(61条)。60条の報告先は、令和2年7月31日までは司法書士会の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長でした。

司法書士会の役員役の先生をはさみ、依頼者と会員の司法書士が向かい合う調停の会議室
司法書士会は、請求により会員の業務に関する紛議を調停でき、会員の違反を思料するときは法務大臣に報告します
請求により紛議の調停報告先は法務大臣注意勧告もできる
司法書士法 第59条第1項

司法書士会は、所属の会員の業務に関する紛議につき、当該会員又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができる。

司法書士会は、入会・退会や注意勧告を法務局に知らせ、調査の委嘱も受けます

司法書士会は、入会し又は退会した司法書士の氏名・住所・事務所・登録番号を、会の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に通知します(施行規則40条本文。登録や変更の登録に伴う入会・退会を除きます)。所属の司法書士に61条の注意勧告をしたときは、その旨を同じ法務局又は地方法務局の長に報告します(施行規則41条)。法務局又は地方法務局の長は、違反事実の有無について法務局が保有する登記申請書などの関係資料の調査を、管轄区域内の司法書士会に委嘱でき、委嘱を受けた会は結果を報告します(施行規則41条の2第1項・2項)。会は、60条の報告や61条の注意勧告に必要な範囲で、会員に事件簿などの提供を求めることもできます(施行規則42条の2)。会の自治による指導と、法務大臣の監督が、これらの規定でつながっています。

試験ではこう問われる

  1. 司法書士の登録に関する事務は連合会の目的で、司法書士会の目的ではない(52条2項・62条2項。R1 午後 問8 ア ×・出題当時)
  2. 司法書士会は、会員の業務に関する紛議について、会員又は当事者その他関係人の請求により調停ができる(59条。R1 午後 問8 イ ○・出題当時)
  3. 司法書士会は、会員の違反を思料するときは報告しなければならない。出題当時の報告先は法務局又は地方法務局の長で、現行法では法務大臣(60条。R1 午後 問8 オ ○・出題当時)
  4. 司法書士会の会則の制定・変更の認可申請は、法務局又は地方法務局の長を経由して法務大臣にする(施行規則43条1項)
  5. 連合会は、司法書士・司法書士法人の業務や制度について法務大臣に建議し、諮問に答申できる(65条)

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