所属する司法書士会の変更の登録しょぞくするしほうしょしかいのへんこうのとうろく
所属する司法書士会の変更の登録とは、司法書士が他の法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を移転しようとするときに、日本司法書士会連合会に申請してする登録です(13条1項)。試験では、申請を経由するのは移転先の管轄区域内に設立された司法書士会であり、現に所属する司法書士会には届出をするだけである点が問われています。
所属する司法書士会の変更の登録は、事務所を他の法務局又は地方法務局の管轄区域内に移すときの手続です。司法書士会は法務局又は地方法務局の管轄区域ごとに一つ設立される(52条1項)ので、管轄区域を越えて事務所を移すと所属する会も変わります。同じ管轄区域内での移転なら、登録事項の変更の届出(14条)で足ります。

司法書士法 第13条第1項司法書士は、他の法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を移転しようとするときは、その管轄区域内に設立された司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会に、所属する司法書士会の変更の登録の申請をしなければならない。
申請は移転先の司法書士会を経由し、現に所属する司法書士会には届け出ます
13条1項は、移転先の管轄区域内に設立された司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会に申請すると定めています。現に所属する司法書士会については、2項が「その旨を届け出なければならない」と定めるだけです。「司法書士は、他の法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を移転しようとする場合には、現に所属する司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会に対し、所属する司法書士会の変更の登録の申請をしなければならない」という肢(R8 午後 問8 ア)は誤りです。R4 午後 問8 アでも同じ文の肢が出題され、誤りとされています。
司法書士法 第13条第2項司法書士は、前項の変更の登録の申請をするときは、現に所属する司法書士会にその旨を届け出なければならない。
申請と同時に移転先の会に入会の手続をとり、変更の登録の時に会員が入れ替わります
変更の登録を申請する者は、申請と同時に移転先の司法書士会への入会の手続をとります(57条1項)。この手続をとっていないとき、連合会は変更の登録を拒否しなければなりません(13条3項)。変更の登録がされた時に、移転先の会の会員となり(57条2項)、従前の会を退会します(57条3項)。所属する会のない空白の期間が生じない仕組みです。
同じ管轄区域内の移転は、登録事項の変更の届出で足ります
13条が適用されるのは、他の法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を移転しようとするときです。同じ管轄区域内で事務所を移すときは、所属する司法書士会は変わらないので、14条により、遅滞なく所属する司法書士会を経由して連合会に登録事項の変更を届け出れば足ります。14条の括弧書が「所属する司法書士会の変更を除く」としているのは、この区別を示すためです。また、司法書士会は入会・退会した司法書士の氏名などを法務局又は地方法務局の長に通知しますが、所属する司法書士会の変更の登録に伴う入会と退会は、この通知の対象から除かれています(施行規則40条ただし書)。なお、連合会が変更の登録をしたときは、従前の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長にその旨を、新たな事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に登録事項を通知します(施行規則18条2項)。
変更の登録の申請にも、登録の通知と審査請求の規定が準用されます
13条4項は、11条(登録に関する通知)と12条(登録を拒否された場合の審査請求)を変更の登録の申請に準用しています。連合会は、変更の登録をしたときはその旨を、拒否したときはその旨と理由を申請者に書面で通知します。拒否された者は法務大臣に審査請求ができ、申請の日から3か月を経過しても何らの処分がされないときは、拒否されたものとみなして審査請求ができます。入会の手続をとっていないことによる拒否(13条3項)は必要的で、連合会に裁量はありません。申請は連合会の定める様式による書面でします(施行規則17条)。
司法書士法 第13条第4項前二条の規定は、第一項の変更の登録の申請に準用する。
司法書士法人は、変更の登録ではなく、登記の時に移転先の会の会員になります
個人の司法書士とは違い、司法書士法人が管轄区域外に事務所を設け又は移転したときは、事務所の新所在地(従たる事務所のときは主たる事務所の所在地)でその旨の登記をした時に、その事務所の地の司法書士会の会員となります(58条4項)。事務所の移転又は廃止により管轄区域内に事務所を有しなくなったときは、旧所在地(従たる事務所のときは主たる事務所の所在地)で登記をした時に、その会を退会します(同条5項)。法人は、会員となった日又は退会の日から2週間以内に、その会と連合会に届け出ます(同条6項・7項)。個人は登録、法人は登記が、会員の資格が動く時点になります。

司法書士法 第58条第4項司法書士法人は、その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域外に事務所を設け、又は移転したときは、事務所の新所在地(従たる事務所を設け、又は移転したときにあつては、主たる事務所の所在地)においてその旨の登記をした時に、当該事務所(従たる事務所を設け、又は移転したときにあつては、当該従たる事務所)の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会の会員となる。
試験ではこう問われる
- 管轄区域外への事務所移転では、移転先の司法書士会を経由して変更の登録を申請する。現に所属する会を経由するのではない(13条1項。R8 午後 問8 ア ×)
- 同じ文の肢が出題され、誤りとされている(13条1項・2項。R4 午後 問8 ア ×)
- 現に所属する司法書士会には、変更の登録を申請する旨を届け出る(13条2項)
- 変更の登録の申請から3か月を経過しても処分がないときは、拒否されたものとして法務大臣に審査請求ができる(13条4項・12条2項)
- 司法書士法人は、管轄区域外に事務所を設け又は移転したときは、登記をした時にその地の司法書士会の会員となる(58条4項)
- 変更の登録の時に移転先の会の会員となり、従前の会を退会する(57条2項・3項)
この用語が問われた肢
司法書士は、他の法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を移転しようとする場合には、現に所属する司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会に対し、所属する司法書士会の変更の登録の申請をしなければならない。
司法書士は、他の法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を移転しようとする場合には、現に所属する司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会に対し、所属する司法書士会の変更の登録の申請をしなければならない。
解説と関連先例は肢別演習で読めます。

