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権利部(甲区・乙区)けんりぶ

不動産登記 第1章 登記の仕組みと申請の骨格 過去問で25肢

登記記録のうち権利に関する登記が記録される部分で、甲区に所有権、乙区に所有権以外の権利が載ります。何番の登記が何を目的にしているかを読み取り、申請人や利害関係人を特定できるかが肢で突かれます。

権利部は、登記記録のうち権利に関する登記が記録される部分で、不動産登記規則4条4項により甲区と乙区に区分されます。甲区には所有権に関する登記が、乙区には所有権以外の権利に関する登記が記録され、それぞれの区の中で順位番号が付く仕組みです。所有権の保存・移転・仮登記や差押え、買戻しの特約は甲区に、抵当権・根抵当権・地上権・賃借権などは乙区に載ります。登記識別情報は登記ごとに登記名義人となった申請人へ通知されるので、何番の権利を義務者として動かすかで提供すべき情報が変わります。肢で突かれるのは、区と順位番号から申請人・義務者・利害関係人を正しく読み取れるかです。

不動産登記法 第2条第1項第8号

権利部 登記記録のうち、権利に関する登記が記録される部分をいう。

登記所の職員が上段と下段に仕切られた台帳を開き、家の模型を抱えた夫婦に見せている
登記記録は一筆・一個ごとに作られ、表題部と権利部(甲区・乙区)に分かれます
一筆・一個ごとの電磁的記録表題部と権利部甲区は所有権、乙区はそれ以外

甲区は所有権、乙区はそれ以外で、区ごとに順位番号が付きます

甲区には所有権の保存・移転・変更・更正・抹消のほか、所有権を目的とする仮登記や差押え・仮差押え・仮処分の登記が載ります。乙区には抵当権・根抵当権・質権・先取特権・地上権・永小作権・地役権・賃借権・採石権・配偶者居住権とそれらを目的とする登記が載ります。同じ区の中の登記の前後は順位番号で、別の区にした登記の前後は受付番号で決まるのが原則です。乙区1番付記1号のように、既にされた登記と一体のものとして公示する登記は付記登記になります。

登記識別情報は順位番号ごとで、動かす権利の分だけ提供します

所有権を甲区1番で保存し、甲区1番付記1号で共有名義に更正した場合、更正で加わった共有者にも登記識別情報が通知されます。「A及びBを設定者とする抵当権の設定の登記を申請するときは,甲区 1 番及び甲区 1 番付記 1 号で通知された登記識別情報を提供することを要する」という肢は正しい肢です。持分を2回に分けて取得した名義人が一方の持分だけに抵当権を設定するときは、「甲区 2 番で登記された持分のみを目的とする抵当権の設定の登記を申請するときは,甲区 3 番の持分を取得したときに通知された登記識別情報を提供することを要しない」という肢のとおり、目的にする持分の分だけで足ります。

利害関係人かどうかは区と順位番号から判断します

所有権の仮登記に基づく本登記では、仮登記の後に登記をした第三者のうち本登記によって登記上の不利益を受ける者が利害関係人で、所有権の移転や抵当権の名義人はこれに当たります。「甲区4番の仮登記に基づく本登記を申請する場合,H,I及びJは,いずれも登記上の利害関係を有する第三者に該当する」という肢は正しい肢です。抵当権の抹消では、その抵当権を目的とする転抵当権者などが利害関係人になり、「乙区1番の抵当権の抹消の登記を申請する場合,Hは,登記上の利害関係を有する第三者に該当する」という肢も正しい肢です。根抵当権の極度額を増額する変更では後順位の担保権者が利害関係人で、「乙区4番の根抵当権の極度額を増額する旨の変更の登記を申請する場合,Jは,登記上の利害関係を有する第三者に該当する」という肢も正しい肢として出ています。

後順位抵当権者は所有者と組んで先順位を抹消できません

乙区1番の抵当権が弁済で消えたとき、抹消の登記義務者は乙区1番の抵当権者で、登記権利者は所有権の登記名義人です。登記実務では乙区2番の後順位抵当権者も登記権利者として先順位抵当権者と共同で抹消を申請できますが、義務者を欠いた組合せは成り立ちません。「Aの抵当権が弁済により消滅したときは,Bは,甲不動産の所有権の登記名義人であるCと共同して,Aの抵当権の登記の抹消を申請することができる」という肢は、権利者どうしを組ませているので誤りです。

登記記録に載っていない人は義務者になれません

抹消された根抵当権の回復を申請するとき、義務者は現在の所有権の登記名義人です。「乙区2番の抹消後に甲土地を買い受けたと主張するDが現れたとしても,甲土地について,その旨のAからDへの所有権の移転の登記がされない限り,Dは,本件申請における登記義務者とはならない」という肢は正しい肢です。登記義務者は登記上直接に不利益を受ける登記名義人に限られるので、甲区に載っていない買主は、実体法上の所有者であってもこの申請の義務者になりません。登記名義人の相続人のような一般承継人には、自分の名義にする登記を経ずに義務者の地位で申請できる別の定めがある点は別です。

不動産登記規則 第4条第4項

権利部は、甲区及び乙区に区分し、甲区には所有権に関する登記の登記事項を記録するものとし、乙区には所有権以外の権利に関する登記の登記事項を記録するものとする。

試験ではこう問われる

  1. 甲区と乙区にそれぞれ何が記録されるか(甲区は所有権に関する登記、乙区は所有権以外の権利に関する登記)
  2. 更正で加わった共有者を含めて設定者になるとき、どの順位番号の登記識別情報を提供するか(1番と1番付記1号の両方)
  3. 仮登記の本登記や極度額の増額で誰が利害関係人か(仮登記より後に登記して不利益を受ける第三者、後順位の担保権者)
  4. 後順位抵当権者が先順位抵当権の抹消を所有者と共同で申請できるか(できない)
  5. 登記記録に載っていない買主は抹消回復の登記義務者になるか(ならない)
不動産登記を肢別で解く

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