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主登記と付記登記しゅとうきとふきとうき

不動産登記 第1章 登記の仕組みと申請の骨格 過去問で21肢

独立した順位番号を持つのが主登記、既にされた登記と一体のものとして公示するために枝番で付けられるのが付記登記です。どの登記が付記登記になり、承諾がないとどうなるかが肢で突かれます。

主登記は独立した順位番号を付けてされる登記で、付記登記は既にされた権利に関する登記と一体のものとして公示する必要がある登記です。不動産登記法4条2項が、既存の登記の変更・更正、所有権以外の権利の移転、その権利を目的とする権利の保存などを付記登記と定義し、その順位は主登記の順位によるとしています。不動産登記規則3条の列挙には、登記名義人の氏名等の変更、所有権以外の権利の移転、所有権以外の権利を目的とする権利の登記、買戻しの特約、一部抹消の回復などが並びます。権利の変更・更正の登記は、利害関係人の承諾があるか利害関係人がいないときに限って付記登記になります。肢で突かれるのは、主登記か付記登記かの振り分けと、承諾の有無で形が変わる登記の扱いです。

不動産登記法 第4条第2項

付記登記(権利に関する登記のうち、既にされた権利に関する登記についてする登記であって、当該既にされた権利に関する登記を変更し、若しくは更正し、又は所有権以外の権利にあってはこれを移転し、若しくはこれを目的とする権利の保存等をするもので当該既にされた権利に関する登記と一体のものとして公示する必要があるものをいう。以下この項及び第六十六条において同じ。)の順位は主登記(付記登記の対象となる既にされた権利に関する登記をいう。以下この項において同じ。)の順位により、同一の主登記に係る付記登記の順位はその前後による。

台帳の大きな枠から枝分かれした小さな枠が二つ付き、職員が小さな枠に書き足している
付記登記は既にされた登記と一体のものとして公示する登記で、順位は主登記の順位によります
所有権以外の移転・それを目的とする権利は付記承諾のない変更・更正は主登記極度額の変更は常に付記

所有権以外の権利の移転とそれを目的とする権利は付記登記です

「所有権以外の権利の移転の登記は、付記登記によってされる」という肢は正しい肢で、抵当権の移転は乙区の抵当権の付記1号という形です。所有権の移転は主登記で甲区に新しい順位番号が付きます。転抵当のように所有権以外の権利を目的とする権利の登記も付記で、「抵当権の順位の譲渡についての登記請求権を保全するための処分禁止の仮処分の執行としての抵当権の処分禁止の登記は,付記登記によってされる」という肢は正しい肢です。所有権を目的とする処分禁止の登記は主登記になるので、破産手続開始の登記のように「主登記によってされる場合と付記登記によってされる場合とがある」という肢は正しい肢です。

買戻特約・消滅に関する定め・一部抹消の回復も付記登記です

「買戻しの特約の登記は、付記登記によってされる」という肢は正しい肢で、所有権移転の付記1号という形です。「登記の目的である権利の消滅に関する定めの登記は、主登記によってされる」という肢は誤りで、付記登記になります。「登記事項の一部が抹消されている場合においてする抹消された登記の回復は、主登記によってされる」という肢も誤りで、地上権の変更で抹消された地代の定めの回復は付記登記です。買戻しの特約が付記された所有権移転を錯誤で抹消するときは、先に、または同時に特約の付記登記の抹消を申請しなければならず、登記官が職権で抹消するとする肢は誤りになります。

承諾のない変更・更正は主登記になり、極度額の変更は常に付記です

所有権以外の権利の変更・更正の登記は、利害関係人の承諾がなければ主登記でされ、「その承諾がない場合であっても、付記登記によってされる」という肢は誤りになります。地上権の存続期間の変更で地上権を目的とする抵当権者の承諾がないときも同じで、承諾なしで付記登記になるとする肢も誤りです。根抵当権の極度額の変更は承諾が効力要件なので、承諾なしの主登記という形がなく、「主登記によってされる場合と付記登記によってされる場合とがある」という肢は誤りになります。極度額の増額の予約を保全する仮登記も、承諾を証する情報がなければ付記登記でできず、できるとする肢は誤りになります。

自己信託の変更登記は主登記です

所有権を自己信託の対象にしたときの、所有権が信託財産となった旨の権利の変更の登記は、「主登記によってされる」という肢が正しい肢で、付記登記によってされるとする肢は誤りになります。敷地権付き区分建物についてされた賃借権の登記は敷地権に及ばない登記に当たり、「建物のみに関する旨の付記登記がされる」という肢は誤りです。建物のみに関する旨の付記は、敷地権が生じる前にされた所有権や担保権の登記などに付くものです。

不動産登記規則 第3条

(付記登記)
次に掲げる登記は、付記登記によってするものとする。
一 登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記
二 次に掲げる登記その他の法第六十六条に規定する場合における権利の変更の登記又は更正の登記
 イ 債権の分割による抵当権の変更の登記
 ロ 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三百九十八条の八第一項又は第二項(これらの規定を同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の合意の登記
 ハ 民法第三百九十八条の十二第二項(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)に規定する根質権又は根抵当権を分割して譲り渡す場合においてする極度額の減額による変更の登記
 ニ 民法第三百九十八条の十四第一項ただし書(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の定めの登記
三 法第七十六条の三第一項の規定による申出に関する登記
四 登記事項の一部が抹消されている場合においてする抹消された登記の回復
五 所有権以外の権利を目的とする権利に関する登記(処分の制限の登記を含む。)
六 所有権以外の権利の移転の登記
七 登記の目的である権利の消滅に関する定めの登記
八 民法第三百九十三条(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の規定による代位の登記
九 抵当証券交付又は抵当証券作成の登記
十 買戻しの特約の登記

試験ではこう問われる

  1. 所有権の移転と所有権以外の権利の移転はどちらが付記登記か(所有権以外の移転が付記。所有権移転は主登記)
  2. 買戻特約・消滅に関する定め・一部抹消の回復は主登記か付記登記か(いずれも付記登記)
  3. 利害関係人の承諾がない変更・更正の登記はどうなるか(主登記。極度額の変更は承諾なしではできない)
  4. 自己信託による権利の変更の登記は主登記か(主登記)

この用語が問われた肢

R4 問12 ウ正しい

所有権以外の権利の移転の登記は、付記登記によってされる。

R4 問12 イ正しい

買戻しの特約の登記は、付記登記によってされる。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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