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表題部ひょうだいぶ

不動産登記 第1章 登記の仕組みと申請の骨格 過去問で4肢

登記記録のうち、表示に関する登記が記録される部分です。表題部だけの不動産に何ができて何ができないか、表題部の記録が権利の登記にどう効くかが肢で突かれます。

表題部は、登記記録のうち表示に関する登記が記録される部分です。土地なら所在・地番・地目・地積が、建物なら所在・家屋番号・種類・構造・床面積が記録され、所有権の登記がない間は所有者も表題部所有者として記録されます。不動産登記規則4条が、土地・建物・区分建物ごとに表題部の欄の区分を定めています。表示に関する登記は不動産の物理的な現況を公示するもので、登記官が職権ですることもできます。肢で突かれるのは、表題部だけで所有権の登記がない不動産を目的にできる登記の範囲と、表題部の記録が権利の登記の前提になる場面です。

不動産登記法 第2条第1項第7号

表題部 登記記録のうち、表示に関する登記が記録される部分をいう。

登記所の職員が上段と下段に仕切られた台帳を開き、家の模型を抱えた夫婦に見せている
登記記録は一筆・一個ごとに作られ、表題部と権利部(甲区・乙区)に分かれます
一筆・一個ごとの電磁的記録表題部と権利部甲区は所有権、乙区はそれ以外

表題部には現況と、保存前の所有者が載ります

土地の表題部には所在・地番・地目・地積が、建物の表題部には所在・家屋番号・種類・構造・床面積が記録されます。建物では新築や増築の年月日も登記原因とその日付として表題部に入り、区分建物では一棟の建物の表示と敷地権の表示も表題部に載ります。不動産番号も表題部の記録で、申請情報に不動産番号を書けば所在や地番などの表示を省略できる仕組みです。新築なら所有権を取得した者が、地目や地積の変更なら表題部所有者や所有権の登記名義人が、1か月以内に表示に関する登記を申請する義務を負います。所有権の登記がない不動産では、所有者の氏名と住所が表題部所有者として表題部に記録され、所有権の保存の登記がされると権利部の甲区に移ります。

所有権の登記のない要役地に地役権は設定できません

地役権の設定の登記は承役地の登記記録の乙区にしますが、登記官が要役地の登記記録にも職権で要役地である旨の登記をするので、要役地に所有権の登記がなければ設定の登記ができません。不動産登記法80条3項がこれを明文で定めています。「Aが所有権の登記名義人である甲土地を承役地とし、所有権の登記はないがBを表題部所有者とする表題登記のある乙土地を要役地とする地役権の設定の登記の申請は、することができない」という肢は正しい肢です。要役地は表題部だけでは足りず、先に所有権の保存の登記が要ります。

附属建物を表題部に加えれば抵当権の効力は当然に及びます

既存の建物に物置を建てて附属建物とする表題部の変更の登記がされると、附属建物は主である建物と一個の建物として扱われ、抵当権の効力は附属建物に及びます。「抵当権の設定の登記がされている建物に隣接して新たに物置を建てたため,当該物置を附属建物とする表題部の変更の登記がされた場合は,既存の抵当権の効力を当該附属建物に及ぼす旨の抵当権の変更の登記を申請することができる」という肢は誤りです。効力を及ぼす旨の変更の登記は、共有持分の上の抵当権を残りの持分に及ぼす場面などのものです。

表題部の日付は権利の登記の原因日付を縛りません

表題部の新築年月日は建物の表示に関する事項で、建物がその日以前から存在していたことと両立します。「当該建物の登記記録の表題部に記録された新築年月日の前日を登記原因の日付とする抵当権の設定の登記を申請することはできない」という肢は誤りです。表題部の記録と権利の登記の申請情報が食い違って却下されるのは、不動産の表示そのものが合致しない場合です。

保存の登記が抹消されると表題部所有者が戻ります

敷地権付き区分建物について表題部所有者から取得した者の名義でされた所有権の保存の登記が錯誤で抹消されると、登記官が職権で表題部に所有者の表示を回復します。「登記官は,その登記記録を閉鎖することなく,職権で表題部所有者の表示を回復する」という肢は正しい肢です。表題部は不動産が存在する限り残り、閉鎖されるのは滅失や合筆などで不動産が登記の対象でなくなるときです。

不動産登記規則 第4条

(登記記録の編成)
土地の登記記録の表題部は、別表一の第一欄に掲げる欄に区分し、同表の第一欄に掲げる欄に同表の第二欄に掲げる事項を記録するものとする。
建物(次項の建物を除く。)の登記記録の表題部は、別表二の第一欄に掲げる欄に区分し、同表の第一欄に掲げる欄に同表の第二欄に掲げる事項を記録するものとする。
区分建物である建物の登記記録の表題部は、別表三の第一欄に掲げる欄に区分し、同表の第一欄に掲げる欄に同表の第二欄に掲げる事項を記録するものとする。
権利部は、甲区及び乙区に区分し、甲区には所有権に関する登記の登記事項を記録するものとし、乙区には所有権以外の権利に関する登記の登記事項を記録するものとする。

試験ではこう問われる

  1. 土地と建物の表題部に記録される事項は何か(土地は所在・地番・地目・地積、建物は所在・家屋番号・種類・構造・床面積)
  2. 所有権の登記のない要役地のために地役権の設定の登記ができるか(できない)
  3. 附属建物を加える表題部の変更の後に抵当権の効力を及ぼす変更の登記は要るか(要らない。効力は当然に及ぶ)
  4. 表題部の新築年月日より前の原因日付の抵当権設定は申請できるか(できる)

この用語が問われた肢

R4 問22 ウ正しい

Aが所有権の登記名義人である甲土地を承役地とし、所有権の登記はないがBを表題部所有者とする表題登記のある乙土地を要役地とする地役権の設定の登記の申請は、することができない。

R2 問21 エ誤り

抵当権の設定の登記がされている建物に隣接して新たに物置を建てたため,当該物置を附属建物とする表題部の変更の登記がされた場合は,既存の抵当権の効力を当該附属建物に及ぼす旨の抵当権の変更の登記を申請することができる。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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