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法人の所有権登記と会社法人等番号ほうじんのしょゆうけんとうき

不動産登記 第4章 所有権の登記(売買・保存) 過去問で10肢

法人が申請人や登記名義人になるときは、会社法人等番号の提供で代表者の資格や住所を登記官が確認します。番号の提供で何が省略でき、どんなときに登記事項証明書に戻るかが肢で突かれます。

法人の所有権登記では、申請人が法人であるとき、会社法人等番号を申請情報と併せて提供するのが不動産登記令7条1項1号の原則です。登記官が番号で商業登記の記録を照会し、代表者の資格や法人の住所をその場で確認できるので、代表者の資格を証する情報や住所証明情報の提供は不要です。令和6年4月1日からは、所有権の登記名義人が法人であるときの会社法人等番号そのものが所有権の登記の登記事項になり、申請人としてだけでなく名義人としても番号で識別されます。肢は、番号の提供を省略できる場面と、番号を提供したことで省略できる他の添付情報の範囲を突いてきます。

不動産登記令 第7条第1項第1号

申請人が法人であるとき(法務省令で定める場合を除く。)は、次に掲げる情報

会社の代表者が窓口で番号の札を差し出し、係員が棚から会社の記録を引き出して照合する
法人は会社法人等番号の提供で代表者の資格と住所を登記官に確認してもらい、住所証明情報などを省略できます
番号の省略は3か月以内の証明書だけ番号で住所証明情報は不要登記官が作れれば印鑑証明書不要

番号の省略は作成後3か月以内の登記事項証明書を出すときだけです

会社法人等番号を提供しなくてよいのは、不動産登記規則36条1項が定める場合に限られます。代表者の資格を証する登記事項証明書か、支配人等が代理するときはその権限を証する登記事項証明書を提供する場合です。証明書は作成後3か月以内のものでなければならず、令和2年3月30日に1か月から3か月に延びました。「申請人である当該法人が作成後1か月以内の代表者の資格を証する登記事項証明書を提供して不動産の登記の申請をする場合には,当該法人の会社法人等番号の提供を要しない」という肢は出題当時の期間で正しい肢です。法人の登記を受けた登記所と同じ登記所に申請する場合でも省略はできず、「同一の登記所に不動産の登記の申請をする場合には,当該法人の会社法人等番号の提供を要しない」という肢は誤りです。支配人が法人を代理して申請するという事情だけでは省略できず、「支配人が申請人である当該法人を代理して不動産の登記の申請をする場合には,当該法人の会社法人等番号の提供を要しない」という肢は誤りです。

番号を出せば住所証明情報と代表者の資格証明は要りません

会社法人等番号を提供すると、登記官が商業登記の記録で法人の住所を確認できるので、法人が登記名義人になる登記でも住所を証する情報の提供を要しません。「申請人である当該法人が登記名義人となる所有権の保存の登記の申請をする場合において,申請情報と併せて当該法人の会社法人等番号を提供したときは,当該法人の住所を証する情報の提供を要しない」という肢は正しい肢です。支配人が代理するときの代理権限を証する情報も番号で足り、「当該株式会社の会社法人等番号を提供したときは、添付情報として支配人の代理権限を証する情報を提供することを要しない」という肢は正しい肢です。電子申請で電子認証登記所の登記官が作成した代表者の電子証明書を提供すれば、その提供を番号の提供に代えることができます。

番号で確認できない代表者は登記事項証明書で補います

番号で照会できるのは現在の記録なので、委任をした当時の代表者がすでに退任していると、番号による確認だけでは委任当時の資格を確認できないことがあります。確認できないときは、委任当時の資格を確認できる登記事項証明書を提供します。「登記申請の委任を受けた当時にAが代表者であったことが確認できるB法人の登記事項証明書を提供しなければなりません」という解答は正しい解答です。役員の変更の登記を申請中で商業登記の記録がまだ新しい代表者を示していない場合も、会社法人等番号を提供して申請でき、番号に代えて証明書を提供しなければならないわけではありません。「会社法人等番号に代えて当該法人の作成後1か月以内の登記事項証明書を提供しなければならない」という肢は誤りです。

番号を提供した法人の印鑑証明書は登記官が作れれば要りません

法人が登記義務者として申請書に記名押印するとき、会社法人等番号を申請情報の内容とし、登記官がその印鑑について印鑑証明書を作成できるときは、印鑑証明書の添付を要しません。「登記官がその押印に係る印鑑に関する証明書を作成することができるときは、当該申請書には当該印鑑に関する証明書を添付することを要しない」という肢は正しい肢です。令和2年3月30日からの扱いで、登記官が商業登記の印鑑の記録を照合できるなら書面を添えなくてよいという発想です。印鑑を提出していない法人など、登記官が印鑑証明書を作成できない場合は従来どおり添付します。

司法書士法人が代理人なら代表者の資格証明で番号に代えられます

代理人が法人であるときは、代理権限を証する情報の一部として代理人の代表者の資格を証する情報を提供するのが原則で、会社法人等番号の提供で代えることができます。司法書士法人が代理するときは、その代表者の資格を証する情報を提供すれば番号の提供を要せず、「当該司法書士法人の代表者の資格を証する情報を提供したときは,当該司法書士法人の会社法人等番号の提供を要しない」という肢は正しい肢です。申請人である法人の番号と代理人である法人の番号は別の添付情報なので、どちらが省略できる場面かを分けて読みます。

不動産登記法 第73条第1項

所有権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一 所有権の登記名義人が法人であるときは、会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。)その他の特定の法人を識別するために必要な事項として法務省令で定めるもの
二 所有権の登記名義人が国内に住所を有しないときは、その国内における連絡先となる者の氏名又は名称及び住所その他の国内における連絡先に関する事項として法務省令で定めるもの

試験ではこう問われる

  1. 会社法人等番号を省略できるのはどんなときか(作成後3か月以内の代表者の資格や支配人の権限を証する登記事項証明書を出すとき。同一登記所や支配人代理という事情だけでは省略不可)
  2. 番号を出せば住所証明情報は要らないか(要らない。支配人の代理権限証明情報も不要)
  3. 番号で委任当時の代表者を確認できないときは何を添えるか(委任当時の代表者を確認できる登記事項証明書)
  4. 番号を提供した法人の印鑑証明書は要るか(登記官が作成できるなら要らない)
  5. 司法書士法人が代理するとき番号は要るか(代表者の資格証明情報が原則で、番号で代えられる。資格証明情報を出せば番号は要らない)
不動産登記を肢別で解く

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