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代理権限証明情報(委任状)だいりけんげんしょうめいじょうほう

不動産登記 第1章 登記の仕組みと申請の骨格 過去問で14肢

代理人によって登記を申請するときに提供する、代理人の権限を証する情報です。任意代理なら委任状、法定代理なら戸籍や審判書で、誰のときに要り、何で代えられるかが肢で突かれます。

代理権限証明情報は、代理人によって登記を申請するときに、不動産登記令7条1項2号によりその代理人の権限を証するものとして提供する情報です。司法書士に委任したときは申請人が作成した委任状がこれに当たり、所有権の登記名義人が義務者として委任するときは原則として委任状に押した印鑑の証明書も必要です。親権者や成年後見人などの法定代理人は戸籍や登記事項証明書、審判書で権限を示し、公務員が作成したものは作成後3か月以内に限られます。遺言執行者や支配人のように法律上の地位から代理権が出る人も、その地位を証する書面を代理権限証明情報として提供します。肢で突かれるのは、提供が要らない場面、代替できる書面、委任状の記載と還付の扱いです。

不動産登記令 第7条第1項第2号

代理人によって登記を申請するとき(法務省令で定める場合を除く。)は、当該代理人の権限を証する情報

依頼人が司法書士に委任状を手渡し、司法書士が申請書の束に重ねて窓口へ出している
代理人によって申請するときは、委任状などの代理権限を証する情報を提供します
任意代理は委任状、法定代理は戸籍・審判書公務員作成のものは3か月以内指定官庁の嘱託には不要

代理人による申請には要り、指定官庁の嘱託には要りません

「代理人によって登記を申請する場合であっても、代理権限を証する情報を提供することを要しない」という肢は誤りで、任意代理でも法定代理でも権限を証する情報が要ります。例外の一つが不動産登記令7条2項の嘱託です。国の機関の所管に属する権利について指定された官庁や公署の職員が嘱託するときは、代理権限証明情報も法人の資格証明情報も要らず、要るとする肢は誤りです。司法書士が登記名義人を代理して登記識別情報の有効証明を請求するときも、「代理権限証明情報の提供を要しない」という肢は正しい肢に当たります。

法定代理の戸籍は3か月以内で、支配人は番号で代えられます

親権者が子を代理するときの戸籍は公務員が作成した代理権限証明情報なので、「当該証明書は、作成後 3 か月以内のものであることを要しない」という肢は誤りになります。株式会社の登記された支配人が会社を代理するときは、会社法人等番号を提供すれば登記官が支配人の登記を確認できるので、「添付情報として支配人の代理権限を証する情報を提供することを要しない」という肢は正しい肢になります。家庭裁判所が選任した遺言執行者は、選任の審判書と遺言書を代理権限証明情報として提供し、遺言者の死亡を証する情報まで求める解答は誤りです。

委任事項を特定して書き、複数の代理人は各自で代理できます

委任状の委任事項は、「登記原因証明情報である平成何年何月何日付地上権設定契約証書記載のとおりの地上権の設定の登記の申請を委任する」旨の記載で足り、これを代理権限証明情報として申請できるとする肢は正しい肢です。二人の司法書士に委任し共同代理の定めがなければ各自が単独で代理でき、「B及びCが共同して当該申請を代理しなければならず」という解答は誤りです。電子申請で代理人が登記識別情報の暗号化を行うときは、その権限を委任された旨が記録された代理権限証明情報を提供します。

印鑑証明書の代替と原本還付に特有の扱いがあります

外国に住む日本人が印鑑証明書を提供できないときは、「Aが署名した委任状自体に、外国の公証人が委任事項及びAの署名が真正である旨を証明し、その認証のための印章を押なつしたものを提供することができる」という肢のとおり、認証付きの委任状で代えられます。死因贈与の執行者が公正証書でない書面で指定されたときは、「代理権限を証する情報の一部として、当該書面に押印されたAの印鑑に関する証明書又はAの相続人全員の承諾書に押された印鑑に関する証明書を提供しなければならない」という肢のとおり、執行者の指定が真正であることを印鑑証明書で裏付けます。申請のためにだけ作られた委任状は原本還付できず、不正な申請に用いられた疑いがあるときは申請のためだけのものでなくても還付されません。

不動産登記令 第7条第2項

前項第一号及び第二号の規定は、不動産に関する国の機関の所管に属する権利について命令又は規則により指定された官庁又は公署の職員が登記の嘱託をする場合には、適用しない。

試験ではこう問われる

  1. 指定官庁の職員が嘱託するときに代理権限証明情報は要るか(要らない)
  2. 親権者の戸籍に作成後3か月の制限はあるか(ある)
  3. 登記された支配人が申請するとき会社法人等番号で代理権限証明情報を省けるか(省ける)
  4. 共同代理の定めのない二人の司法書士は各自で代理できるか(できる)
  5. 申請のためだけに作った委任状は原本還付できるか(できない)

この用語が問われた肢

R4 問18 ウ誤り

不動産に関する国の機関の所管に属する権利について命令又は規則により指定された官庁又は公署の職員が登記の嘱託をする場合には、代理権限証明情報を提供しなければならない。

R4 問18 オ正しい

司法書士が登記名義人を代理して登記識別情報が有効であることの証明を請求する場合には、代理権限証明情報の提供を要しない。

R4 問16 ア誤り

親権者が未成年者を代理して不動産登記の申請をする場合において、当該親権者の代理権限を証する情報として戸籍に記載した事項に関する証明書を提出するときは、当該証明書は、作成後 3 か月以内のものであることを要しない。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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