住所証明情報じゅうしょしょうめいじょうほう
所有権の保存や移転で新たに登記名義人になる者の住所を証するために提供する情報です。誰の住所を証するのか、どの登記で要らないのかが肢で突かれます。
住所証明情報は、所有権の保存や移転の登記で新しく所有権の登記名義人になる者の住所を証する情報です。住民票の写しや戸籍の附票の写し、法人なら登記事項証明書がこれに当たります。不動産登記令7条1項6号が別表に振り、別表が所有権に関する登記に限って求めているのは、架空の人物や誤った住所で登記名義人が作られるのを防ぐためで、権利に関する登記では、所有権の登記名義人にならない人の住所を証する必要はありません。表題登記で表題部所有者になる者の住所証明情報は別の話です。肢で突かれるのは、誰の住所を証するのか、どの登記なら要らないのか、何で代えられるのかです。
不動産登記令 第7条第1項第6号前各号に掲げるもののほか、別表の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の添付情報欄に掲げる情報

権利の登記で住所を証するのは所有権の名義人になる者です
抵当権者や根抵当権者、債務者、信託の受益者は所有権の登記名義人にならないので、住所証明情報は要りません。「抵当権の設定の登記を申請する場合には、抵当権者の住所を証する情報を提供しなければならない」という肢は誤りで、「債務者が登記義務者でないときは,債務者の住所を証する情報の提供を要する」という肢も誤りです。根抵当権の債務者について「当該申請の申請情報に記載されたCの住所を証する情報の提供を要する」という肢、信託で「受益者となる者の住所を証する情報の提供を要する」という肢も、同じ理由で誤りです。
仮登記や買戻権の移転では要りません
所有権の移転の仮登記は所有権の登記名義人を作らないので、仮登記の登記権利者の住所証明情報は要りません。「所有権の移転の仮登記を申請するときは,仮登記の登記権利者の住所を証する情報の提供を要する」という肢は誤りです。買戻権の移転も所有権の移転ではなく、「売買を登記原因として当該特約に係る買戻権の移転の登記を申請するときは,登記権利者の住所を証する情報を提供することを要しない」という肢は正しい肢です。相続財産清算人や成年後見人のような申請を代わりにする人の住所も、証する対象ではありません。「相続財産管理人Bの住所を証する情報の提供を要する」という肢と、「当該成年後見人の住所を証する情報を提供しなければならない」という肢は、どちらも誤りです。
会社法人等番号を提供した法人は住所証明情報を省略できます
法人が所有権の登記名義人になるとき、会社法人等番号を申請情報の内容にすれば、登記官が法人登記を確認できるので住所証明情報の提供を要しません。「申請情報と併せて当該法人の会社法人等番号を提供したときは,当該法人の住所を証する情報の提供を要しない」という肢は正しい肢です。不動産登記令9条が法務省令で定める情報の提供による省略を認め、規則がその情報を会社法人等番号としています。
嘱託でも登記権利者が私人なら住所証明情報が要ります
官公署が自らを登記義務者として所有権の移転の登記を嘱託するとき、登記権利者となる私人の住所は官公署が証してくれるわけではないので、住所証明情報を提供します。「官庁又は公署が、自らを登記義務者とし、Aを登記権利者とする所有権の移転の登記を嘱託する場合には、Aの住所を証する情報を提供することを要する」という肢は正しい肢です。他方で、処分の制限の登記の嘱託により登記官が職権で所有権の保存の登記をするときは、「当該嘱託において当該建物の所有者の住所を証する情報を提供することを要しない」という肢が正しい肢で、職権登記には申請の添付情報という枠組みがありません。
死亡した中間の相続人の最後の住所も証します
数次相続で、既に死亡した相続人を登記名義人に含めて相続の登記をするときは、その人の最後の住所を証する情報として住民票の除票や戸籍の附票の写しを提供します。「甲土地について相続を原因とするAからB及びCへの所有権の移転の登記を申請するときは,Bの最後の住所を証する情報を提供することを要しない」という肢は誤りです。登記名義人になる以上は住所が登記事項で、死亡していてもその住所を証する必要は消えません。
不動産登記令 第9条(添付情報の一部の省略)
第七条第一項第六号の規定により申請情報と併せて住所を証する情報(住所について変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する情報を含む。以下この条において同じ。)を提供しなければならないものとされている場合において、その申請情報と併せて法務省令で定める情報を提供したときは、同号の規定にかかわらず、その申請情報と併せて当該住所を証する情報を提供することを要しない。
試験ではこう問われる
- 抵当権者・債務者・受益者の住所証明情報は要るか(要らない)
- 所有権移転の仮登記で仮登記権利者の住所証明情報は要るか(要らない)
- 会社法人等番号を提供した法人の住所証明情報は省略できるか(できる)
- 官公署が登記義務者として嘱託するとき登記権利者の住所証明情報は要るか(要る)
- 数次相続で死亡した中間の相続人の最後の住所を証する情報は要るか(要る)
この用語が問われた肢
抵当権の設定の登記を申請する場合において,債務者が登記義務者でないときは,債務者の住所を証する情報の提供を要する。
Aを所有権の登記名義人とする甲土地について、Bを根抵当権者とし、Cを債務者とする根抵当権の設定の登記の申請をする場合には、当該申請の申請情報に記載されたCの住所を証する情報の提供を要する。
信託による所有権の移転の登記を申請するときは,受益者となる者の住所を証する情報の提供を要する。
解説と関連先例は肢別演習で読めます。
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