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合体の登記がったいのとうき

不動産登記 第11章 表示に関する登記

二以上の建物が工事で物理的に一個の建物になったときに、合体後の建物の表題登記と合体前の建物の表題部の登記の抹消を併せてする登記です。合併との違い、所有権の登記を併せて申請する場合、合体前の抵当権の行方が肢で突かれます。

合体の登記は、二以上の建物が増築などの工事で物理的に一個の建物になったときに、合体後の建物についての表題登記と、合体前の各建物についての表題部の登記の抹消を併せてする登記です。不動産登記法49条が合体による登記等と総称し、合体の日から1か月以内に申請する義務を定めています。登記記録の上だけで建物をまとめる合併の登記とは違い、合体は現地で建物が一つになったという事実に基づく登記です。合体前の建物に所有権の登記があるときは、合体後の建物についての所有権の登記も併せて申請し、合体前の建物の抵当権は合体後の建物の持分の上に存続します。肢で突かれるのは、合併との区別と、所有権の登記や担保権の扱いです。

不動産登記法 第49条

(合体による登記等の申請)
二以上の建物が合体して一個の建物となった場合において、次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める者は、当該合体の日から一月以内に、合体後の建物についての建物の表題登記及び合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消(以下「合体による登記等」と総称する。)を申請しなければならない。この場合において、第二号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者、第四号に掲げる場合にあっては当該表題登記がある建物(所有権の登記がある建物を除く。以下この条において同じ。)の表題部所有者、第六号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者及び当該表題登記がある建物の表題部所有者をそれぞれ当該合体後の建物の登記名義人とする所有権の登記を併せて申請しなければならない。
一 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び表題登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者又は当該表題登記がある建物の表題部所有者
二 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人
三 合体前の二以上の建物がいずれも表題登記がある建物であるとき。 当該建物の表題部所有者
四 合体前の二以上の建物が表題登記がある建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がある建物の表題部所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人
五 合体前の二以上の建物がいずれも所有権の登記がある建物であるとき。 当該建物の所有権の登記名義人
六 合体前の三以上の建物が表題登記がない建物、表題登記がある建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者、当該表題登記がある建物の表題部所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人
第四十七条並びに前条第一項及び第二項の規定は、二以上の建物が合体して一個の建物となった場合において合体前の建物がいずれも表題登記がない建物であるときの当該建物についての表題登記の申請について準用する。この場合において、第四十七条第一項中「新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者」とあるのは「いずれも表題登記がない二以上の建物が合体して一個の建物となった場合における当該合体後の建物についての合体時の所有者又は当該合体後の建物が区分建物以外の表題登記がない建物である場合において当該合体時の所有者から所有権を取得した者」と、同条第二項中「区分建物である建物を新築した場合」とあり、及び前条第一項中「区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合」とあるのは「いずれも表題登記がない二以上の建物が合体して一個の区分建物となった場合」と、同項中「当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物」とあるのは「当該合体後の区分建物が属する一棟の建物」と読み替えるものとする。
第一項第一号、第二号又は第六号に掲げる場合において、当該二以上の建物(同号に掲げる場合にあっては、当該三以上の建物)が合体して一個の建物となった後当該合体前の表題登記がない建物の所有者から当該合体後の建物について合体前の表題登記がない建物の所有権に相当する持分を取得した者は、その持分の取得の日から一月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。
第一項各号に掲げる場合において、当該二以上の建物(同項第六号に掲げる場合にあっては、当該三以上の建物)が合体して一個の建物となった後に合体前の表題登記がある建物の表題部所有者又は合体前の所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。

二棟の家が壁でつながり一棟になった模型を両側から支える家族。職員が二冊の帳簿を閉じて一冊を開く
合体の登記は合体後の建物の表題登記と合体前の建物の表題部の抹消を1か月以内に併せて申請します
合体は事実、合併は記録の操作所有権の登記があれば併せて申請抵当権は持分の上に存続

合体は事実、合併は登記記録の操作で、合体には申請義務があります

二棟の建物の間を増築してつなぎ、構造上一個の建物になったのが合体です。登記記録上はまだ二個の建物として残っているので、合体後の建物の表題登記と合体前の建物の表題部の抹消を1か月以内に申請しなければならず、怠れば10万円以下の過料の対象です。建物の合併の登記は、現地では別々のままの建物を登記記録上一個にする所有者の選択による登記で、申請義務はありません。合体前の建物のいずれにも表題登記がなければ、合体後の建物の表題登記を新築と同じ要領で申請します。

申請人は合体前の各建物の所有者や名義人です

49条1項は、合体前の建物が表題登記だけの建物か所有権の登記がある建物かと、表題登記がない建物が混じるかの組合せを六つに分け、誰が申請するかを定めています。いずれも表題登記がない建物同士の合体は、同条2項が表題登記の規定を準用して処理します。表題登記がない建物の所有者、表題登記がある建物の表題部所有者、所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人がそれぞれ申請人です。所有者が異なる建物が合体したときは、合体後の建物は共有になり、合体前の各建物の価格の割合などで持分を定めて申請情報に書きます。相続その他の一般承継があったときは承継人が申請します。

所有権の登記がある建物を含むときは所有権の登記も併せます

合体前の建物に所有権の登記がある建物が含まれる場合、合体後の建物に表題部所有者は記録されず、所有権の登記がある建物の名義人については登記官が職権で甲区に記録します。表題登記がない建物の所有者や表題登記だけの建物の表題部所有者は、この場合に合体後の建物の登記名義人になる所有権の登記を併せて申請しなければなりません。併せて申請する所有権の登記は合体による登記等と一の申請情報で申請し、登記官は甲区にその受付番号と登記名義人を記録して新しい登記識別情報を通知する流れです。

合体前の抵当権は合体後の持分の上に存続します

合体前の一方の建物に抵当権の設定の登記があれば、合体後の建物のうちその建物に対応する持分の上に抵当権が存続します。抵当権者の承諾を証する情報などを添えて申請すると、登記官が存続登記として合体後の登記記録に移記する仕組みです。抵当権者が合体後の建物について抵当権を消滅させることを承諾した情報を申請情報と併せて提供すれば、登記官は権利が消滅した旨を付記で登記します。転抵当権者など抵当権を目的とする第三者がいるときは、その承諾も要ります。分筆に伴う権利の消滅の登記と同じ型で、合体版が50条です。

敷地権付き区分建物の合体では敷地権の割合を合算します

合体前の二以上の建物がいずれも敷地権付き区分建物で、合体後も敷地権付き区分建物になるときは、合体前の建物の敷地権の割合を合算した割合が合体後の建物の敷地権の割合になるのが通常です。合体後の建物について敷地権の登記をしないときは、敷地権である旨の登記の抹消などの手続が準用されます。区分建物の合体は隣り合う二戸を一戸にする改装で起きるので、マンションの登記実務では珍しくありません。

不動産登記法 第50条

(合体に伴う権利の消滅の登記)
登記官は、所有権等(所有権、地上権、永小作権、地役権及び採石権をいう。以下この款及び第百十八条第五項において同じ。)の登記以外の権利に関する登記がある建物について合体による登記等をする場合において、当該合体による登記等の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が合体後の建物について当該権利を消滅させることについて承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。

試験ではこう問われる

  1. 合体と合併はどう違うか(合体は物理的に一個になった事実、合併は登記記録上の操作。合体には1か月の申請義務)
  2. 合体の登記で何を申請するか(合体後の建物の表題登記と合体前の建物の表題部の登記の抹消。所有権の登記がある建物を含めば未登記部分の所有権の登記も一の申請情報で)
  3. 所有者の違う建物が合体したら合体後の建物はどうなるか(共有。持分を申請情報に書く)
  4. 合体前の抵当権は合体後どうなるか(対応する持分の上に存続。承諾で消滅の登記)
  5. 合体の登記を怠ったときの過料はいくらか(10万円以下)
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