司法書士試験AIブートラボ 司法書士AIブートラボ

分筆と抵当権の消滅承諾ぶんぴつとていとうけんのしょうめつしょうだく

不動産登記 第7章 抵当権と根抵当権

土地を分筆するとき、抵当権者が分筆後の一方の土地について抵当権を消滅させることを承諾した情報を添えると、登記官がその土地について抵当権が消滅した旨を登記する仕組みです。承諾がなければ分筆後の両方の土地に抵当権が残る点が肢の軸です。

分筆と抵当権の消滅承諾は、所有権以外の権利の登記がある土地を分筆する際に、その権利の登記名義人が分筆後のいずれかの土地について権利を消滅させることを承諾したときの扱いです。分筆しても抵当権は分筆後の全部の土地に残るのが原則で、登記官が抵当権の登記を分筆後の土地に転写し、共同担保目録を作ります。売却する部分だけ担保から外したいときに、抵当権者の承諾を分筆の申請と一緒に出せば、抹消の登記を別に申請しなくても登記官がその土地について権利が消滅した旨を登記します。抵当権を目的とする転抵当などの登記があれば、その第三者の承諾も併せて要ります。肢では、承諾の出し方、第三者の承諾、登記官がする登記の形が問われます。

不動産登記法 第40条

(分筆に伴う権利の消滅の登記)
登記官は、所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地について分筆の登記をする場合において、当該分筆の登記の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る土地について当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。

土地を線で二つに分ける調査士と、片方の区画の鎖を外して頷く銀行員
分筆の申請と併せて抵当権者の消滅承諾を出すと、登記官がその土地について抵当権の消滅を登記します
分筆後も抵当権は両方に残るのが原則承諾情報は分筆の申請と併せて転抵当権者の承諾も要る

分筆しても抵当権は両方の土地に残るのが原則です

抵当権の登記がある甲土地から乙土地を分筆すると、抵当権は分筆前の土地全体に設定されていたものなので、分筆後の甲土地と乙土地の両方に及びます。登記官は乙土地の登記記録に抵当権の登記を転写し、甲土地と乙土地を共同担保とする共同担保目録を作成します。乙土地だけを担保から外すには、原則として分筆の登記の後に乙土地について抵当権の抹消の登記を共同で申請することになります。消滅承諾の仕組みは、この抹消の申請を分筆の手続に取り込んで一度で済ませるものです。

承諾情報を分筆の申請と併せて出せば登記官が消滅を登記します

分筆の登記の申請情報と併せて、抵当権者が分筆後のいずれかの土地について抵当権を消滅させることを承諾したことを証する情報を提供します。すると登記官は、その土地について抵当権が消滅した旨を登記しなければなりません。申請人は分筆の登記の申請人である土地の所有者で、抵当権者は申請人にはなりません。承諾を証する書面には作成者である抵当権者が記名押印し、印鑑証明書を添付します。分筆を申請するのは表題部所有者や所有権の登記名義人(その相続人などの一般承継人を含みます)なので、承諾情報は所有者の側が申請の添付情報として出す形です。

抵当権を目的とする第三者の権利があればその承諾も要ります

消滅させる抵当権を目的とする転抵当や抵当権の処分の登記、被担保債権の質入れの登記があることがあります。そのときは抵当権者の承諾だけでは足りず、その第三者が承諾したことを証する情報も併せて提供しなければなりません。第三者の承諾も、その第三者に対抗できる裁判があったことを証する情報もなければ、登記官は消滅の登記をせず、抵当権は分筆後の両方の土地に転写されます。抵当証券が発行されている抵当権では、抵当証券の所持人または裏書人の承諾が要ります。

消滅の登記は分筆後の土地の登記に付記してされ、転写はしません

甲土地から乙土地を分筆して乙土地について抵当権が消滅する場合、登記官は分筆後の甲土地の抵当権の登記に付記登記をして、乙土地について抵当権が消滅した旨を記録します。乙土地の登記記録には、その抵当権の登記を転写しません。分筆後の甲土地について消滅させる場合は、同じく付記登記で甲土地について消滅した旨を記録したうえで甲土地の抵当権の登記を抹消し、乙土地に転写します。抵当権が一筆にしか残らないときは、分筆のために新しく共同担保目録を作ることはありません。

不動産登記規則 第104条

(分筆に伴う権利の消滅の登記)
法第四十条の規定による権利が消滅した旨の登記は、分筆の登記の申請情報と併せて次に掲げる情報が提供された場合にするものとする。
一 当該権利の登記名義人(当該権利が抵当権である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を消滅させることを承諾したことを証する当該登記名義人が作成した情報又は当該登記名義人に対抗することができる裁判があったことを証する情報
二 前号の権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者が承諾したことを証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報
三 第一号の権利が抵当証券の発行されている抵当権であるときは、当該抵当証券
甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、法第四十条の規定により乙土地について権利が消滅した旨の登記をするときは、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記についてする付記登記によって乙土地について当該権利が消滅した旨を記録しなければならない。この場合には、第百二条第一項の規定にかかわらず、当該消滅した権利に係る権利に関する登記を乙土地の登記記録に転写することを要しない。
甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、法第四十条の規定により分筆後の甲土地について権利が消滅した旨の登記をするときは、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記についてする付記登記によって分筆後の甲土地について当該権利が消滅した旨を記録し、当該権利に関する登記を抹消する記号を記録しなければならない。
第二項の規定は、承役地についてする地役権の登記がある甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、乙土地に地役権が存しないこととなるとき(法第四十条の場合を除く。)について準用する。
第三項の規定は、承役地についてする地役権の登記がある甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、分筆後の甲土地に地役権が存しないこととなるとき(法第四十条の場合を除く。)について準用する。
登記官は、要役地についてする地役権の登記がある土地について分筆の登記をする場合において、当該分筆の登記の申請情報と併せて当該地役権を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを証する地役権者が作成した情報が提供されたとき(当該土地を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、当該土地について当該地役権が消滅した旨を登記しなければならない。この場合においては、第一項第二号、第二項及び第三項の規定を準用する。

試験ではこう問われる

  1. 分筆後の土地に抵当権は残るか(残る。両方に及び共同担保目録が作られる)
  2. 消滅承諾の情報はいつ出すか(分筆の登記の申請情報と併せて)
  3. 転抵当権者がいるときは誰の承諾が要るか(抵当権者と転抵当権者の両方)
  4. 消滅の登記は誰がするか(登記官が職権で付記登記)
不動産登記を肢別で解く

この用語で問われた肢を、解説つきでそのまま解けます。無料プランは月100問まで。

関連する用語

抵当権と根抵当権

抵当権設定登記

債権を担保するために不動産に抵当権を設定したことを、乙区に記録する登記です。抵当権者と設定者の共同申請で、債権額や...
抵当権と根抵当権

共同抵当と共同担保目録

同じ債権を担保するために複数の不動産に設定する抵当権が共同抵当で、登記官が共同担保目録を作って束ねます。追加設定の...
抵当権と根抵当権

抵当権の処分(転抵当・順位譲渡・放棄)

抵当権者が自分の抵当権を他の債権の担保にしたり、順位や利益を他の債権者に譲ったり放棄したりすることです。転抵当・順...
抵当権と根抵当権

抵当権の抹消

弁済や解除で抵当権が消滅したときに、乙区の抵当権の登記を抹消する登記です。現在の所有権の登記名義人が権利者・抵当権...