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第三者の許可・同意・承諾を証する情報だいさんしゃのきょかどういしょうだくをしょうするじょうほう

不動産登記 第3章 添付情報と登記原因証明情報 過去問で7肢

登記原因について第三者の許可・同意・承諾が要るときに、それがあったことを証するために提供する情報です。誰の承諾がなぜ要るのか、要らない場面はどこかが肢で突かれます。

第三者の許可・同意・承諾を証する情報は、登記原因である法律行為に第三者の許可・同意・承諾が必要なとき、それが得られたことを証する情報です。不動産登記令7条1項5号ハがこれを添付情報とし、同意・承諾を証する書面には同令19条により作成者の記名押印と印鑑証明書が要り、官公署が作成する許可書には要りません。登記上の利害関係を有する第三者の承諾なら、承諾書のほか、その第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報でも代えられます。肢で突かれるのは、承諾が要る根拠が実体法にあるのか登記法にあるのか、そして承諾が要らない場面を要ると言い換えたすり替えです。

不動産登記令 第7条第1項第5号

権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる情報

契約する二人の後ろで第三者が承諾書に押印して差し出す場面
第三者の許可・同意・承諾を証する情報は登記原因に第三者の関与が要るときに提供します
令7条1項5号ハ承諾書には印鑑証明書対抗できる裁判でも可

承諾の根拠は実体法か登記手続かのどちらかです

民法上、元本確定前の根抵当権の共有者が権利を譲渡するには他の共有者の同意と設定者の承諾が要り、こうした実体法の要件は登記原因の効力にかかわるので、承諾を証する情報を提供します。一方で、変更・更正の登記を付記登記でするときや抹消の登記をするときの登記上の利害関係を有する第三者の承諾は、登記手続を進めるための要件です。どちらも「承諾を証する情報」として添付情報欄に並びますが、根拠が違うので、要らない場面の見分け方も違います。

所有権以外の仮登記の本登記には、後順位者の承諾が要りません

仮登記に基づく本登記で登記上の利害関係を有する第三者の承諾が要るのは、所有権に関する仮登記の本登記だけです。「Bを仮登記の登記名義人とする抵当権の設定の仮登記がされた後に,Cを登記名義人とする地上権の設定の登記及びDを登記名義人とする抵当権の設定の登記がされている場合には,Bは,Aと共同して,C及びDの承諾を証する情報を提供しないで当該仮登記に基づく本登記を申請することができる」という肢は正しい肢です。所有権の仮登記の本登記では後順位の登記が職権で抹消されるので承諾が要り、抵当権の仮登記の本登記では順位が確保されるだけなので要らない、という違いです。

遺産分割の後に認知された子の同意は要りません

遺産分割が終わった後に認知の裁判が確定した子は、価額の支払を請求できるだけで、済んだ分割をやり直させることはできません。「当該協議に係る遺産分割協議書の作成の日付が当該認知の裁判の確定の日より前であっても,Fの同意を証する情報を提供しなければならない」という肢は誤りです。分割の前に認知されていたなら、その子を除いた協議は無効なので、日付の前後が分かれ目になります。

官公署が登記義務者になる嘱託に、登記権利者の承諾書は要りません

官公署が登記義務者として所有権の移転の登記を嘱託するのは、登記権利者の請求があったときで、その請求自体が権利者の意思を示しています。「官公署が登記義務者として所有権の移転の登記を嘱託するときは,登記権利者の承諾を証する情報を提供しなければならない」という肢は誤りです。逆に官公署が登記権利者になる嘱託では、登記義務者の承諾を証する情報を提供します。

承諾書で単独申請できる場面と、承諾書で抹消できる場面があります

仮登記は、仮登記義務者の承諾を証する情報を提供すれば仮登記権利者が単独で申請できます。「A及びAの子Bとの間で死因贈与契約が締結された場合には,Bは,Aの承諾を証する情報を提供して,単独で,始期付所有権移転仮登記を申請することができる」という肢と、「Bは,Aの承諾を証する情報を提供して,単独で,1番抵当権移転請求権保全の仮登記を申請することができる」という肢は、どちらも正しい肢です。買戻期間が満了した買戻しの特約の抹消では、買戻権を差し押さえた債権者の承諾を証する情報を提供して抹消を申請でき、「当該差押えの登記に係る差押債権者の承諾を証する情報を提供して当該買戻しの特約の登記の抹消を申請することができる」という肢も正しい肢です。

不動産登記令 第19条

(承諾を証する情報を記載した書面への記名押印等)
第七条第一項第五号ハ若しくは第六号の規定又はその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならない同意又は承諾を証する情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、その作成者が記名押印しなければならない。
前項の書面には、官庁又は公署の作成に係る場合その他法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。

試験ではこう問われる

  1. 抵当権の仮登記に基づく本登記に後順位の登記名義人の承諾は要るか(要らない)
  2. 遺産分割の後に認知された子の同意を証する情報は要るか(要らない)
  3. 官公署が登記義務者として嘱託するとき登記権利者の承諾を証する情報は要るか(要らない)
  4. 仮登記義務者の承諾を証する情報で仮登記権利者が単独申請できるか(できる)
  5. 承諾書に添える印鑑証明書に3か月制限はあるか(ない)
不動産登記を肢別で解く

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