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単元株式数たんげんかぶしきすう

商業登記 第7章 株式と資本金 過去問で3肢

一定の数の株式をもって株主総会で1個の議決権を行使できる一単元とする定款の定めで、登記事項です。上限の数と、設定・減少・廃止の決議機関の違いが肢で突かれます。

単元株式数は、一定の数の株式をもって、株主が株主総会または種類株主総会で1個の議決権を行使できる一単元の株式とする旨の定款の定めです。会社法188条が定め、単元未満株式の株主は議決権を行使できず、定款で他の権利も制限できます。定款の定めがあるときは単元株式数が登記事項になり、設定・変更・廃止のたびに変更の登記を申請します。肢は、上限の数と、変更の方向によって決議機関が違う点を突いてきます。

会社法 第188条

(単元株式数)
株式会社は、その発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨を定款で定めることができる。
前項の一定の数は、法務省令で定める数を超えることはできない。
種類株式発行会社においては、単元株式数は、株式の種類ごとに定めなければならない。

投票箱の前で百枚の株券を束ねた株主が一票を入れ、数枚しか持たない株主は列の外で見ている
単元株式数は1000株かつ発行済株式の総数の200分の1までで、減少と廃止は取締役会で決められます
上限1000株かつ200分の1設定・増加は特別決議減少・廃止は取締役(会)設立時は定款で定める

上限は1000株かつ発行済株式の総数の200分の1です

単元株式数は法務省令で定める数を超えられず、その数は1000と、発行済株式の総数の200分の1に当たる数のいずれか小さい方です。発行済株式の総数が10万株なら200分の1は500株なので、1000株を単元株式数とする定めは登記できません。「発行済株式の総数が10万株である場合において,単元株式数を1,000株とする単元株式数の設定による変更の登記の申請は,することができない」という肢は正しい肢です。種類株式発行会社では、単元株式数は株式の種類ごとに定めなければなりません。単元株式数を定めると議決権は一単元につき1個になり、議決権の総数は発行済株式の総数ではなく単元の数で数えるのが基本です。

設定と増加は株主総会の特別決議、減少と廃止は取締役会で決めます

単元株式数を設けたり増やしたりする定款変更は、株主の議決権を減らす方向なので株主総会の特別決議が要る事項です。株式の分割と同時に設定または増加し、分割後の各株主の議決権の数が分割前を下回らないときは、株主総会の決議によらずにできます。設定や増加の株主総会では、取締役が単元株式数を定めることを必要とする理由を説明します。単元株式数を減らし、または定めを廃止する定款変更は、株主に有利なので取締役の決定、取締役会設置会社では取締役会の決議で足ります。「取締役会において,単元株式数についての定款の定めを廃止する決議をした場合は,当該取締役会の議事録を添付して,単元株式数の定めの廃止による変更の登記を申請することができる」という肢は正しい肢です。減少や廃止をしたときは、効力発生後遅滞なく株主に通知または公告するのが会社の義務です。

設立時は定款に定め、発起人の同意では定められません

会社の設立に際して単元株式数を置くときは、定款で定めなければならず、発起人全員の同意で定款の記載を補う事項には含まれていません。「後に発起人全員が単元株式数の定めを設ける旨の同意をしたときは,単元株式数に関する事項について,当該同意があったことを証する書面を添付して設立の登記を申請することができる」という肢は誤りです。発起人全員の同意で定められるのは、割当てを受ける設立時発行株式の数と払込金額、資本金と資本準備金の額に関する事項、発行可能株式総数です。

単元未満株主の権利は定款で制限でき、株券を出さないこともできます

単元未満株式の株主は株主総会と種類株主総会で議決権を行使できません。一単元の株式を持つ株主が1個の議決権を持ち、2単元なら2個という数え方です。会社は、残余財産分配請求権や単元未満株式の買取請求権など法定の権利を除いて、単元未満株主が行使できない権利を定款で定めることができます。株券発行会社は、単元未満株式に係る株券を発行しない旨を定款で定めることもできます。単元未満株主も剰余金の配当は持株数に応じて受け取れ、会社に対して買取りを請求でき、定款の定めがあれば単元に満たす数の株式の売渡しの請求も可能です。

会社法 第195条第1項

株式会社は、第四百六十六条の規定にかかわらず、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、定款を変更して単元株式数を減少し、又は単元株式数についての定款の定めを廃止することができる。

試験ではこう問われる

  1. 単元株式数の上限はいくつか(1000株かつ発行済株式の総数の200分の1)
  2. 単元株式数の廃止はどこで決めるか(取締役の決定または取締役会)
  3. 設立時に発起人全員の同意で単元株式数を定められるか(定められない。定款で定める)
  4. 単元未満株主は議決権を行使できるか(できない)

この用語が問われた肢

R3 問28 エ誤り

設立しようとする会社の定款に発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数の記載があるが単元株式数の定めがない場合において,後に発起人全員が単元株式数の定めを設ける旨の同意をしたときは,単元株式数に関する事項について,当該同意があったことを証する書面を添付して設立の登記を申請することができる。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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