司法書士試験AIブートラボ 司法書士AIブートラボ

支配人の登記しはいにんのとうき

商業登記 第14章 外国会社・登記の更正抹消・その他 過去問で4肢

商人や会社が営業所の営業について包括的な代理権を持つ支配人を選任したときにする登記です。誰が申請し、どの登記簿にし、選任を決める機関と添付書面が何かが肢で突かれます。

支配人の登記は、商人または会社が営業所の営業について一切の裁判上・裁判外の行為をする権限を持つ支配人を選任したときにする登記です。商法22条と会社法は選任と代理権の消滅を登記事項とし、商業登記法43条が商人の支配人の登記を、44条が会社の支配人の登記を定めます。会社の支配人は会社の登記簿に登記し、商人の支配人は支配人ごとの登記記録に登記します。申請人は支配人を選任した商人や会社で、支配人自身ではありません。肢で突かれるのは、申請人、登記簿、選任の決定機関、添付書面、解散との関係です。

商業登記法 第44条

(会社の支配人の登記)
会社の支配人の登記は、会社の登記簿にする。
前項の登記において登記すべき事項は、次のとおりとする。
一 支配人の氏名及び住所
二 支配人を置いた営業所
第二十九条第二項の規定は、第一項の登記について準用する。

店主が腕章の支配人に鍵を渡し、支配人が店先で取引先と握手する。奥で職員が帳簿の支配人の欄に記入
支配人の登記は選任した商人や会社が申請し、持分会社の選任は社員の過半数で決めます
申請人は商人・会社持分会社は社員の過半数商人の印鑑届に印鑑証明書解散で抹消、清算中に選任可

申請人は支配人を選任した商人や会社で、支配人ではありません

支配人の登記は、支配人を選任した商人または会社が申請し、支配人が自分で申請するのではありません。会社以外の商人が複数の支配人を選任したときは、各支配人について別々の登記記録に登記しますが、申請は商人がします。「会社以外の商人が複数の支配人を選任したときは,各支配人はそれぞれその登記を別個に申請しなければならない」という肢は誤りです。商人の支配人の登記事項は支配人の氏名と住所、商人の氏名と住所、数個の商号を使うときは代理すべき営業と商号、支配人を置いた営業所です。会社の支配人の登記事項は支配人の氏名と住所、支配人を置いた営業所で、会社の登記簿の支配人区に記録されます。

選任の決定は会社の種類ごとに違い、社員の過半数の場面があります

株式会社では取締役会設置会社なら取締役会の決議で、取締役会を置かない会社なら定款に別段の定めがない限り取締役の過半数で支配人を選任します。申請書には取締役会議事録や取締役の過半数の一致を証する書面を添付します。監査等委員会設置会社や指名委員会等設置会社で取締役や執行役に委任したときは、委任した取締役会議事録と受任者の決定を証する書面です。持分会社では業務執行社員を定款で定めていても、定款に別段の定めがない限り支配人の選任と解任は社員の過半数で決めます。「合資会社における支配人の選任の登記の申請書には,業務執行社員の過半数の一致を証する書面を添付しなければならない」という肢は誤りで、社員の過半数の一致を証する書面です。会社の支配人の選任の登記には選任を証する書面を、代理権の消滅の登記にはそれを証する書面を添付します。

支配人は印鑑を提出でき、商人の印鑑届には印鑑証明書が要ります

支配人は登記所に印鑑を提出することができ、支配人が提出するときは商人や会社の代表者が支配人の印鑑に相違ないことを保証した書面などを添えます。支配人を選任した商人が自分の印鑑を提出するときは、印鑑届書に押した印鑑について市町村長が作成した作成後3か月以内の印鑑証明書を添付します。「支配人を選任した商人(小商人及び会社である場合を除く。)が印鑑の提出をする場合には,印鑑届書に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書で作成後 3 月以内のものを添付しなければならない」という肢は正しい肢です。小商人は商号や支配人の登記の規定が適用されず、登記そのものができません。

解散で支配人の登記は抹消され、清算中に選任すれば登記できます

会社の解散の登記をしたときは、登記官は会社の支配人の登記に抹消の記号を記録します。清算中の会社も清算の目的の範囲で支配人を置けるので、清算人会設置会社なら清算人会の決議などで支配人を選任し、その登記を申請できます。「当該支配人の登記を抹消する記号が記録されるが,清算手続中に支配人が選任されたときは,当該支配人の選任の登記をすることができる」という肢は正しい肢です。支配人を置いた本店や支店の移転、変更、廃止があったときは、本店や支店の登記の申請と支配人を置いた営業所の登記の申請を同時にします。

商業登記法 第45条

会社の支配人の選任の登記の申請書には、支配人の選任を証する書面を添付しなければならない。
会社の支配人の代理権の消滅の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。

試験ではこう問われる

  1. 支配人の登記の申請人は誰か(支配人を選任した商人や会社。支配人ではない)
  2. 持分会社の支配人の選任は誰が決めるか(定款に別段の定めがなければ社員の過半数。業務執行社員の過半数ではない)
  3. 支配人を選任した商人の印鑑届に印鑑証明書は要るか(要る。作成後3か月以内)
  4. 解散の登記で支配人の登記はどうなるか(職権で抹消。清算中に選任すれば登記できる)

この用語が問われた肢

R6 問33 ウ誤り

業務執行社員が 2 人以上ある場合には、合資会社における支配人の選任の登記の申請書には、業務執行社員の過半数の一致を証する書面を添付しなければならない。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

商業登記を肢別で解く

この用語で問われた肢を、解説つきでそのまま解けます。無料プランは月100問まで。

関連する用語

印鑑と本人確認

印鑑の提出(任意化)

会社の代表者などが登記所に印鑑を届け出る手続で、令和3年2月15日の商業登記法20条の削除により義務ではなくなりま...
解散・清算・継続

解散

会社が営業活動をやめ、清算の手続に入る原因となる事実です。どの解散事由なら申請で登記し、登記の後にどの機関の登記が...
持分会社

持分会社

合名会社・合資会社・合同会社を総称する、社員が出資して持分を持ち、原則として社員自身が業務を執行する会社です。株式...
持分会社

業務執行社員と代表社員

持分会社の業務を執行する社員と会社を代表する社員で、定款で定めなければ全社員が業務執行社員として各自会社を代表しま...
外国会社・登記の更正抹消・その他

会社の登記の管轄と本店所在地の登記所

商業登記の事務を、当事者の営業所の所在地を管轄する法務局・地方法務局・支局・出張所が扱うという仕組みです。会社は本...