未成年者・後見人の登記みせいねんしゃこうけんにんのとうき
未成年者が営業をするときと、後見人が被後見人のために営業をするときにする登記です。申請人、登記事項、添付書面、消滅の登記を誰ができるかが肢で突かれます。
未成年者・後見人の登記は、商法5条により未成年者が営業をするときにする未成年者の登記と、商法6条により後見人が被後見人のために営業をするときにする後見人の登記です。未成年者の登記は未成年者自身が申請し、登記事項は未成年者の氏名・出生の年月日・住所、営業の種類、営業所です。後見人の登記は後見人が申請し、後見人の氏名または名称と住所、未成年後見人か成年後見人かの別、被後見人の氏名と住所、営業の種類、営業所などを登記します。肢で突かれるのは、申請人のすり替え、登記事項に含まれない者、消滅の登記の申請人と職権の範囲です。
商業登記法 第36条(申請人)
未成年者の登記は、未成年者の申請によつてする。
営業の許可の取消しによる消滅の登記又は営業の許可の制限による変更の登記は、法定代理人も申請することができる。
未成年者の死亡による消滅の登記は、法定代理人の申請によつてする。
未成年者が成年に達したことによる消滅の登記は、登記官が、職権ですることができる。

未成年者の登記は本人が申請し、法定代理人の氏名は登記しません
未成年者の登記は未成年者の申請によってし、法定代理人が代わって申請するのではありません。「未成年者の登記は、法定代理人の申請によってする」という肢は誤りです。登記事項は未成年者の氏名、出生の年月日、住所、営業の種類、営業所で、法定代理人の氏名や住所は含まれません。「未成年者の登記においては、法定代理人の住所及び氏名をも登記しなければならない」という肢は誤りです。申請書には法定代理人の許可を得たことを証する書面を添付しますが、申請書に法定代理人の記名押印があれば省けます。未成年後見人が許可したときは、未成年後見監督人がないことを証する書面か、あるときはその同意を証する書面を添付します。
消滅の登記は事由ごとに申請人が違い、成年なら職権でできます
営業の許可の取消しによる消滅の登記と許可の制限による変更の登記は、未成年者のほか法定代理人も申請できます。「未成年者の営業の許可の取消しによる消滅の登記は,法定代理人のほか未成年者自身も申請することができる」という肢は正しい肢です。未成年者の死亡による消滅の登記は法定代理人が申請し、死亡を証する書面を添付します。未成年者が成年に達したことによる消滅の登記は登記官が職権ですることができ、「登記官が、職権ですることができる」という肢は正しい肢です。消滅の登記は登記記録区にされ、登記記録は閉鎖されます。
後見人の登記は後見人が申請し、監督人の有無の書面を添付します
後見人が被後見人のために営業を行うときの登記は後見人が申請し、申請書には後見監督人がないときはその旨を証する書面を、あるときはその同意を得たことを証する書面を添付します。「後見監督人がないときは、後見人の登記の申請書には、後見監督人がないことを証する書面を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。後見人が法人であるときは法人の登記事項証明書を添付しますが(同じ登記所の管轄に本店があるときや会社法人等番号を書いたときは省略)、法人の代表者の氏名や住所は登記事項ではありません。「後見人が法人であるときは、当該法人の代表者の氏名又は名称及び住所をも登記しなければならない」という肢は誤りです。数人の後見人が共同して権限を行使する旨や事務を分掌する旨は登記事項です。
後見人の登記の消滅は職権でできず、新後見人や本人も申請できます
未成年被後見人が成年に達したことによる消滅の登記は、後見人のほか本人も申請できますが、登記官の職権ではできません。「未成年被後見人が成年に達したことによる消滅の登記は,登記官が職権ですることができる」という肢は誤りです。成年被後見人について後見開始の審判が取り消されたときも本人が申請でき、後見人の退任による消滅の登記は新後見人も申請できます。家庭裁判所が後見人を解任したときの消滅の登記は嘱託ではなく申請で、「裁判所書記官の嘱託によって行われる」という肢は誤りです。いずれの申請書にも成年に達したことや審判の取消し、退任を証する書面を添付します。
会社の役員と成年後見の関係は別の論点として問われます
取締役が後見開始の審判を受けると委任の終了により退任し、退任の登記には審判書の謄本と確定証明書、または後見の登記事項証明書を添付します。「後見開始の審判書の謄本及びその確定証明書を添付し,又は後見に関する登記に係る登記事項証明書を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。令和3年3月1日からは成年被後見人も取締役になれ、成年後見人が本人の同意を得て就任を承諾するので、本人の同意書を添付します。「当該成年被後見人の同意書を添付することを要しない」という肢は誤りです。成年後見人が発起人を代理して定款を作成し署名することもでき、「当該定款を添付して,設立の登記を申請することができる」という肢は正しい肢です。
商業登記法 第41条(申請人)
後見人の登記は、後見人の申請によつてする。
未成年被後見人が成年に達したことによる消滅の登記は、その者も申請することができる。成年被後見人について後見開始の審判が取り消されたことによる消滅の登記の申請についても、同様とする。
後見人の退任による消滅の登記は、新後見人も申請することができる。
試験ではこう問われる
- 未成年者の登記は誰が申請するか(未成年者自身。法定代理人の氏名は登記しない)
- 未成年者が成年に達したときの消滅の登記は職権でできるか(できる。後見人の登記ではできない)
- 後見人の登記の添付書面は何か(後見監督人がないことを証する書面、または同意を証する書面)
- 後見人が解任されたときの消滅の登記は嘱託か(嘱託ではなく申請。新後見人も申請できる)
- 成年被後見人を取締役に選任したとき本人の同意書は要るか(要る)
この用語が問われた肢
未成年者の登記は、法定代理人の申請によってする。
未成年者の登記においては、法定代理人の住所及び氏名をも登記しなければならない。
未成年者の登記をした未成年者が成年に達したことによる消滅の登記は、登記官が、職権ですることができる。
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