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司法書士法人の社員の資格しほうしょしほうじんのしゃいんのしかく

司法書士法 第3章 司法書士法人と司法書士会 過去問で2肢

司法書士法人の社員の資格とは、社員は司法書士でなければならず、業務の停止の期間中の者、解散・業務の全部の停止の処分を受けた法人の処分前30日内の社員で一定期間を経過しない者、司法書士会の会員でない者は社員となれないという制限です(28条)。試験では、業務の停止を受けた者が社員となれないのは停止の期間中だけであることが問われています。

司法書士法人の社員の資格について、28条1項は社員は司法書士でなければならないと定め、2項で社員となれない者を3つ挙げています。社員がこれらに当たることになると、その社員は法人を脱退します(43条4号)。登録の取消しも法定脱退の理由です(43条1号)。

業務の停止から停止期間の帯が伸び、その後のさらに3年の帯に×印が付いた時間軸の黒板
業務の停止の処分を受けた司法書士が法人の社員となれないのは、停止の期間中だけです
停止期間中だけその後3年は不要会員でない者は社員不可
司法書士法 第28条第2項

次に掲げる者は、社員となることができない。
一 第四十七条の規定により業務の停止の処分を受け、当該業務の停止の期間を経過しない者
二 第四十八条第一項の規定により司法書士法人が解散又は業務の全部の停止の処分を受けた場合において、その処分を受けた日以前三十日内にその社員であつた者でその処分を受けた日から三年(業務の全部の停止の処分を受けた場合にあつては、当該業務の全部の停止の期間)を経過しないもの
三 司法書士会の会員でない者

業務の停止の処分を受けた者が社員となれないのは、停止の期間中だけです

28条2項1号は「業務の停止の処分を受け、当該業務の停止の期間を経過しない者」を挙げています。停止期間が終われば社員となることができ、その後さらに期間を置く定めはありません。「司法書士法に基づく業務の停止の処分を受けた司法書士は、当該業務の停止の期間が経過した日から 3 年を経過するまでの間、司法書士法人の社員となることができない」という肢(R4 午後 問8 イ)は誤りです。

法人が解散や業務の全部の停止を受けたときは、処分前30日内の社員も制限を受けます

28条2項2号は、法人が48条1項により解散又は業務の全部の停止の処分を受けた場合に、処分を受けた日以前30日内にその社員であった者で、処分の日から3年(業務の全部の停止の場合はその停止期間)を経過しないものを挙げています。処分の直前に脱退して他の法人に移ることでも、この制限は避けられません。この号が挙げるのは解散と業務の全部の停止だけなので、法人が戒告や業務の一部の停止の処分を受けても、その社員であった者が他の法人の社員となることは制限されません。1号は個人として業務の停止を受けた者の制限、2号は所属していた法人が重い処分を受けた場合の制限で、対象と期間の決まり方が違います。法人が業務の全部の停止を受けた場合、これらの者が他の法人の社員となれないのは停止の期間を経過するまでで、解散の処分の場合は処分の日から3年を経過するまでです。

法人の解散処分の前30日の帯に直前に脱退した元社員を描き、その後3年の制限を示す時間軸の黒板
法人が解散や業務の全部の停止の処分を受けたときは、処分前30日内に社員だった者も一定期間は他の法人の社員となれません
処分前30日内の社員解散なら3年全部停止なら停止期間戒告・一部停止は対象外
司法書士法 第28条第2項第2号

第四十八条第一項の規定により司法書士法人が解散又は業務の全部の停止の処分を受けた場合において、その処分を受けた日以前三十日内にその社員であつた者でその処分を受けた日から三年(業務の全部の停止の処分を受けた場合にあつては、当該業務の全部の停止の期間)を経過しないもの

司法書士会の会員でない者は社員になれず、他の法人の社員を兼ねることもできません

28条2項3号は、司法書士会の会員でない者を社員となれない者に挙げています。司法書士の登録を受けていても、所属する会を退会して他の会に入会していなければ、社員になれません。また、社員は他の司法書士法人の社員となってはならない(42条1項)ので、二つの法人の社員を兼ねることはできません。

司法書士法 第28条第2項第3号

司法書士会の会員でない者

社員は、登録の取消しや28条2項への該当などの理由で法定脱退します

43条は、社員が脱退する理由として、司法書士の登録の取消し(1号)、定款に定める理由の発生(2号)、総社員の同意(3号)、28条2項各号のいずれかに該当することとなったこと(4号)、除名(5号)を挙げています。業務の停止の処分を受けた社員は、28条2項1号に当たるので4号により脱退します。脱退した社員は、会社法612条の準用により、脱退の登記をする前に生じた法人の債務について、従前の責任の範囲内で弁済する責任を負い、この責任は登記後2年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、登記後2年を経過した時に消滅します(司法書士法38条6項本文)。ただし、簡裁訴訟代理等関係業務に関する依頼者への債務は、この準用の対象から除かれ、38条4項の規律によります(38条6項ただし書)。

司法書士法 第43条第1項

司法書士法人の社員は、次に掲げる理由によつて脱退する。
一 司法書士の登録の取消し
二 定款に定める理由の発生
三 総社員の同意
四 第二十八条第二項各号のいずれかに該当することとなつたこと。
五 除名

会社法 第612条第1項

退社した社員は、その登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。

一人法人では、社員の脱退がそのまま解散につながります

令和元年改正で社員が一人の法人が認められ、社員の欠亡が解散事由になりました(44条1項7号)。社員が一人の法人で、その社員が業務の停止の処分を受けると、28条2項1号に当たって43条4号により脱退し、社員が欠けることになります。登録の取消しや除名による脱退でも同じです。社員の死亡で社員が欠けたときに限り、清算人は相続人の同意を得て新たに社員を加入させ、法人を継続できます(44条の2)。社員の資格の規定は、一人法人では法人の存続にも直結します。

司法書士法 第44条第1項第7号

社員の欠亡

試験ではこう問われる

  1. 業務の停止の処分を受けた司法書士が社員となれないのは停止期間中だけで、期間経過後3年ではない(28条2項1号。R4 午後 問8 イ ×)
  2. 法人が業務の全部の停止を受けた日にその社員であった者は、停止期間を経過するまで他の法人の社員となれない(28条2項2号。H28 午後 問8 オ ○・出題当時)
  3. 法人が解散の処分を受けたときは、処分日以前30日内の社員は処分の日から3年間社員となれない(28条2項2号)
  4. 司法書士会の会員でない者は社員となれない(28条2項3号)
  5. 社員は、登録の取消し・総社員の同意・28条2項各号への該当・除名などで脱退する(43条)
  6. 脱退した社員は、脱退の登記前に生じた法人の債務について従前の責任の範囲内で責任を負う(38条6項・会社法612条)

この用語が問われた肢

R4 問8 イ誤り

司法書士法に基づく業務の停止の処分を受けた司法書士は、当該業務の停止の期間が経過した日から 3 年を経過するまでの間、司法書士法人の社員となることができない。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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