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司法書士法人の定款の変更しほうしょしほうじんのていかんのへんこう

司法書士法 第3章 司法書士法人と司法書士会 過去問で4肢

司法書士法人の定款の変更は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によってします(35条1項)。試験では、別段の定めがなければ総社員の同意が要ることと、変更後2週間以内の届出先が主たる事務所の所在地の司法書士会と連合会であり法務局長ではないこと(同条2項)が問われています。

司法書士法人の定款の変更は、35条が定めています。定款には目的・名称・事務所の所在地・社員の氏名などが記載される(32条3項)ので、名称の変更や事務所の移転、社員の加入も定款の変更を伴います。

社員四人のうち三人が賛成、一人が反対する会議室で、定款変更案に×印
司法書士法人の定款の変更は、定款に別段の定めがなければ総社員の同意によってします
総社員の同意定款で別の定めも可2週間以内に届出
司法書士法 第35条第1項

司法書士法人は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によつて、定款の変更をすることができる。

定款に別段の定めがなければ、総社員の同意が要ります

35条1項は、司法書士法人は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって定款の変更をすることができると定めています。「司法書士法人は、定款に別段の定めがない場合には、総社員の同意がなければ定款の変更をすることができない」という肢(R8 午後 問8 オ)は正しい記述で、R4 午後 問8 エにも同じ文の肢が出ています。

持分会社と同じく総社員の同意を原則とし、株式会社の特別決議とは仕組みが違います

持分会社の定款の変更も、定款に別段の定めがある場合を除き総社員の同意によります(会社法637条)。司法書士法35条1項は、これと同じ文言です。これに対し株式会社は、成立後、株主総会の決議によって定款を変更し(会社法466条)、その決議は議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上の多数で行う特別決議です(会社法309条2項11号)。司法書士法人は社員がすべて業務を執行し(36条1項)、各自法人を代表する(37条1項本文)人的な結びつきの強い法人で、定款の変更も社員全員の意思を原則にしています。もっとも、35条1項は「定款に別段の定めがある場合を除き」としているので、定款で多数決などの別の方法を定めることもできます。

会社法 第637条第1項

持分会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、定款の変更をすることができる。

定款に記載される事項を変えるときは、定款の変更の手続をとります

定款には、少なくとも目的、名称、主たる事務所と従たる事務所の所在地、社員の氏名・住所と認定司法書士であるか否かの別、社員の出資に関する事項を記載しなければなりません(32条3項)。そのため、名称を変えるとき、従たる事務所を設け又は移すとき、新たな社員を加入させるとき、簡裁訴訟代理等関係業務を目的に加えるときは、いずれも定款の変更になります。定款を変えた結果が登記事項にかかわるときは、31条1項により政令の定めるところに従って登記もしなければならず、登記の後でなければその事項を第三者に対抗できません(31条2項)。

司法書士法 第32条第3項

定款には、少なくとも次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 目的
二 名称
三 主たる事務所及び従たる事務所の所在地
四 社員の氏名、住所及び第三条第二項に規定する司法書士であるか否かの別
五 社員の出資に関する事項

総社員の同意は、法人の基本にかかわる他の場面でも求められます

司法書士法は、定款の変更のほかにも総社員の同意を求める場面を置いています。代表社員を定めること(37条1項ただし書。定款で定めることもできます)、社員の脱退(43条3号)、解散(44条1項2号)、他の法人との合併(45条1項)です。簡裁訴訟代理等関係業務について代表すべき社員を定めるときは、総社員ではなく特定社員の全員の同意によります(37条2項ただし書)。同じ「全員の同意」でも、誰の同意かが場面ごとに違います。

司法書士法 第45条第1項

司法書士法人は、総社員の同意があるときは、他の司法書士法人と合併することができる。

設立時の定款には公証人の認証が要りますが、35条は変更について認証を求めていません

司法書士法人を設立するときは、社員となろうとする司法書士が定款を定め(32条1項)、その定款には会社法30条1項が準用されるので、公証人の認証を受けなければ効力を生じません(32条2項)。これに対し、35条は定款の変更について総社員の同意と変更後の届出を定めるだけで、公証人の認証を求める規定は置いていません。定款の変更は、総社員の同意(又は定款で定めた方法)によって効力を生じ、その後2週間以内に届け出るという順序になります。届出は、連合会の定める様式による書面でします(施行規則35条)。

司法書士法 第32条第2項

会社法(平成十七年法律第八十六号)第三十条第一項の規定は、司法書士法人の定款について準用する。

変更したときは、2週間以内に司法書士会と連合会に届け出ます

35条2項は、定款を変更したときは、変更の日から2週間以内に、変更に係る事項を主たる事務所の所在地の司法書士会と日本司法書士会連合会に届け出なければならないと定めています。名称を変更したときも同じで、届出先は法務局又は地方法務局の長ではありません。

定款変更届が司法書士会と連合会へ向かう矢印と、法務局長への点線に×印の案内図
定款を変更したときは、変更の日から2週間以内に主たる事務所の所在地の司法書士会と連合会に届け出ます
2週間以内司法書士会と連合会法務局長ではない
司法書士法 第35条第2項

司法書士法人は、定款を変更したときは、変更の日から二週間以内に、変更に係る事項を、主たる事務所の所在地の司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。

試験ではこう問われる

  1. 定款に別段の定めがなければ、総社員の同意がなければ定款の変更ができない(35条1項。R8 午後 問8 オ ○)
  2. 同じ文の肢が出題され、正しいとされている(35条1項。R4 午後 問8 エ ○)
  3. 定款の変更は、変更の日から2週間以内に主たる事務所の所在地の司法書士会と連合会に届け出る(35条2項)
  4. 合併・解散・社員の脱退にも総社員の同意が用いられる(45条1項・44条1項2号・43条3号)
  5. 簡裁訴訟代理等関係業務について代表すべき社員は、特定社員の全員の同意で定める(37条2項ただし書)
  6. 名称を変更したときの届出先は主たる事務所の所在地の司法書士会と連合会で、法務局又は地方法務局の長ではない(35条2項。H28 午後 問8 イ ×・出題当時)

この用語が問われた肢

R8 問8 オ正しい

司法書士法人は、定款に別段の定めがない場合には、総社員の同意がなければ定款の変更をすることができない。

R4 問8 エ正しい

司法書士法人は、定款に別段の定めがない場合には、総社員の同意がなければ定款の変更をすることができない。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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