登記識別情報とうきしきべつじょうほう
登記が完了したときに登記名義人となった申請人へ通知される、12桁の英数字の符号です。次にその人が登記義務者になる申請で提供を求められ、誰の分をどの申請で出すかが肢で突かれます。
登記識別情報は、登記官が登記を完了したときに、その登記で登記名義人となった申請人へ通知する符号です。アラビア数字とその他の符号を組み合わせた12桁で、不動産ごと、登記名義人となった申請人ごとに定められます。その人が後に登記義務者として申請するとき、申請情報と併せて提供させることで、名義人本人が申請していることを確かめる仕組みです。旧法の登記済証に代わるもので、通知書は秘匿部分を開かなければ中身が見えないようになっており、紙ではなく情報そのものに意味があります。肢では、どの申請で誰の登記識別情報が要るのか、要らない場面はどれか、が繰り返し問われます。
不動産登記法 第22条(登記識別情報の提供)
登記権利者及び登記義務者が共同して権利に関する登記の申請をする場合その他登記名義人が政令で定める登記の申請をする場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記義務者(政令で定める登記の申請にあっては、登記名義人。次条第一項、第二項及び第四項各号において同じ。)の登記識別情報を提供しなければならない。ただし、前条ただし書の規定により登記識別情報が通知されなかった場合その他の申請人が登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合は、この限りでない。

共同申請では登記義務者の登記識別情報を提供します
登記権利者と登記義務者が共同して権利に関する登記を申請するときは、登記義務者の登記識別情報を提供しなければなりません。登記権利者の分は要りません。登記義務者が提供するのは、その人が登記名義人になったときに通知を受けた情報です。「根抵当権者と根抵当権設定者が共同して根抵当権の元本確定の登記を申請する場合には、添付情報として根抵当権者が当該根抵当権の設定の登記を受けた際に通知された登記識別情報を提供することを要する」という肢は正しい肢です。元本確定の登記では根抵当権者が登記義務者になるからです。
政令で定める単独申請でも提供が要ります
登記名義人が単独で申請する登記のうち、政令で定めるものは登記識別情報の提供が要ります。所有権の登記がある土地の合筆の登記、建物の合体や合併の登記、所有権の保存の登記の抹消、仮登記の登記名義人がする仮登記の抹消、共有物分割禁止の定めに係る所有権の変更の登記などです。「Bが売買予約の解除を原因とする本件仮登記の抹消を単独で申請する場合には、本件仮登記が完了した際に通知された登記識別情報を提供することを要しない」という肢は誤りです。仮登記名義人による単独抹消は、政令で提供を要すると定められているからです。
混同による抹消でも登記義務者の分が要ります
抵当権者が目的不動産を取得して抵当権が混同で消えた場合、抹消登記は所有者兼抵当権者が申請しますが、抵当権の登記名義人としての立場では登記義務者です。「抵当権の登記名義人が当該抵当権の目的である不動産を取得し、当該抵当権が混同により消滅したため、当該抵当権の設定の登記の抹消の申請をするときは、当該抵当権の設定の登記が完了した際に通知された登記識別情報を提供することを要しない」という肢は誤りです。同じ人が権利者と義務者を兼ねても、義務者として通知を受けた分の提供は省けません。
官公署の嘱託や登記権利者の分は要りません
国や地方公共団体が登記権利者となる登記を官庁や公署が嘱託するときは、登記義務者の登記識別情報を提供することを要しません。「国又は地方公共団体が登記権利者となる権利に関する登記を官庁又は公署が単独で嘱託する場合には、登記義務者の登記識別情報を提供することを要しない」という肢は正しい肢です。相続のように登記義務者がいない登記では提供の問題が起きません。登記手続を命ずる確定判決による登記には登記義務者がいますが、登記権利者が単独で申請でき、政令の対象からも除かれているため提供は要りません。
書面で提供するときは封筒に入れて封をします
書面申請で登記識別情報を提供するときは、登記識別情報を記載した書面を封筒に入れ、封をして提出します。封筒には提供する申請人の氏名と登記の目的を書き、登記識別情報が在中する旨を明記します。登記官は登記が完了した後、速やかにその書面を廃棄します。提出した書面について原本の還付を請求することはできません。通知を受けた本人しか知らないはずの情報なので、申請に使った後は残さないのが原則です。
不動産登記規則 第66条第1項法第二十二条本文の規定により同条本文に規定する登記義務者の登記識別情報を提供する場合には、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法による。
一 電子申請 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して登記識別情報を提供する方法
二 書面申請 登記識別情報を記載した書面を申請書に添付して提出する方法
試験ではこう問われる
- 共同申請で提供するのは登記権利者と登記義務者のどちらの分か(登記義務者)
- 仮登記名義人が単独で仮登記を抹消するとき提供が要るか(要る)
- 混同による抵当権抹消で登記義務者の分は要るか(要る)
- 官公署が登記権利者のために嘱託するとき登記義務者の分は要るか(要らない)
- 書面で提供した登記識別情報の原本還付はできるか(できない)
この用語が問われた肢
根抵当権者と根抵当権設定者が共同して根抵当権の元本確定の登記を申請する場合には,添付情報として根抵当権者が当該根抵当権の設定の登記を受けた際に通知された登記識別情報を提供することを要する。
Bが売買予約の解除を原因とする本件仮登記の抹消を単独で申請する場合には、本件仮登記が完了した際に通知された登記識別情報を提供することを要しない。
抵当権の登記名義人が当該抵当権の目的である不動産を取得し,当該抵当権が混同により消滅したため,当該抵当権の設定の登記の抹消の申請をするときは,当該抵当権の設定の登記が完了した際に通知された登記識別情報を提供することを要しない。
国又は地方公共団体が登記権利者となる権利に関する登記を官庁又は公署が単独で嘱託する場合には、登記義務者の登記識別情報を提供することを要しない。
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