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電子申請と書面申請でんししんせいとしょめんしんせい

不動産登記 第1章 登記の仕組みと申請の骨格 過去問で21肢

登記の申請は、電子情報処理組織を使う電子申請か、申請書を提出する書面申請のどちらかでします。電子署名を誰がするか、登録免許税の納付や補正・却下の扱いが方式でどう変わるかが肢で突かれます。

電子申請と書面申請は、不動産登記法18条が定める登記の申請の二つの方法です。電子申請は登記所と申請人の電子計算機を回線でつないだ電子情報処理組織を使って申請情報を送る方法で、書面申請は申請情報を記載した書面を提出する方法で、郵送でもできます。電子申請では申請人または代理人が申請情報に電子署名をし、添付情報には作成者の電子署名が要り、登記実務では添付情報を書面で別に提出する特例方式が主流です。登録免許税の納付、補正、却下の決定書の交付、受領証の交付などは方式によって手続が違います。肢で突かれるのは、電子署名をする人のすり替えと、方式ごとの手続の違いになります。

不動産登記法 第18条

(申請の方法)
登記の申請は、次に掲げる方法のいずれかにより、不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。
一 法務省令で定めるところにより電子情報処理組織(登記所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)と申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用する方法
二 申請情報を記載した書面(法務省令で定めるところにより申請情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を提出する方法

左でパソコンから申請データを送る司法書士、右で紙の申請書を窓口に出す司法書士、中央に登記所
登記の申請は電子情報処理組織を使う電子申請か、申請書を提出する書面申請でします
電子署名は本人申請なら本人、代理なら代理人領収証書貼付の納付用紙は電子申請でも可却下の決定書は書面

電子申請の電子署名は本人申請なら本人、代理なら代理人がします

代理人によらずに権利者と義務者が共同で電子申請をするときは双方が電子署名をし、「登記権利者及び登記義務者の双方が申請情報に電子署名を行わなければならない」という肢は正しい肢です。司法書士に委任したときは代理人が電子署名をすれば足り、「申請人から委任を受けた司法書士が代理人として申請する場合であっても,当該申請人が電子署名を行わなければならない」という肢は誤りです。代理人が登記識別情報の提供を受けて暗号化するには、その権限の委任が記録された代理権限証明情報が要り、「登記識別情報の暗号化に関する権限が委任されていることを要しない」という肢は誤りです。

登録免許税は電子申請でも領収証書を貼った用紙で納められます

電子申請では電子納付が基本ですが、現金で納付した領収証書を貼った登録免許税納付用紙を、その電子申請をした登記所に提出する方法も認められています。「電子申請の受付をした登記所に,登録免許税に係る領収証書を貼付した登録免許税納付用紙を提出する方法によって,登録免許税の納付をすることはできない」という肢は誤りで、「提出する方法によって納付することができる」という肢は正しい肢です。書面申請でも電子申請でも、収入印紙または領収証書を貼った納付用紙による納付ができます。

補正は申請した方式で行い、却下の決定書は書面で交付されます

本人が電子申請をして申請情報に誤りがあったときは、「補正情報を作成した上でこれに電子署名し,当該申請人の電子証明書とともに送信しなければならない」という肢のとおり、電子で補正します。却下は方式を問わず書面でされ、本人が電子申請をした場合に「登記官は,書面により決定書を作成して,申請人ごとにこれを交付しなければならない」という肢は正しい肢です。書面申請で却下されたときも申請書は返されず、「当該申請の申請書は還付されない」という肢は正しい肢です。

書面申請には受領証があり、事前通知は電子申請でも書面です

書面申請をした申請人は、登記が完了するまでの間、申請書と添付書面の受領証の交付を請求でき、その旨の肢は正しい肢です。登記識別情報を提供できないときの事前通知は、電子申請でも本人限定受取郵便などの書面で送られます。通知を受けた義務者が申請の内容が真実である旨を申し出るときは、電子申請なら電子情報処理組織を使います。「登記官がする事前通知は,電子情報処理組織を使用して送信する方法によりしなければならない」という肢は誤りです。

不動産登記令 第12条

(電子署名)
電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請するときは、申請人又はその代表者若しくは代理人は、申請情報に電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子署名をいう。以下同じ。)を行わなければならない。
電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請する場合における添付情報は、作成者による電子署名が行われているものでなければならない。

試験ではこう問われる

  1. 代理人による電子申請で申請人本人の電子署名は要るか(要らない。代理人が署名する)
  2. 電子申請で領収証書を貼った登録免許税納付用紙は使えるか(使える)
  3. 本人の電子申請の補正と却下はどの方式でされるか(補正は電子で、却下の決定書は書面で交付)
  4. 書面申請で却下された申請書は還付されるか(されない。完了前なら受領証は請求できる)
  5. 電子申請のときの事前通知は電子で送られるか(送られない。書面で送られ、義務者の申出は電子でする)

この用語が問われた肢

R5 問13 ア誤り

自然人が申請人である所有権の移転の登記の電子申請を、委任による代理人によってする場合であっても、申請人は、申請情報に電子署名を行わなければならない。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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