取締役会議事録とりしまりやくかいぎじろく
取締役会の議事について作成し、出席した取締役と監査役が署名または記名押印する記録で、取締役会の決議を要する登記事項の添付書面です。取締役会で決められる範囲と、代表取締役を選定したときの印鑑証明書が肢で突かれます。
取締役会議事録は、会社法369条3項により取締役会の議事について作成し、書面で作ったときは出席した取締役と監査役が署名または記名押印する記録です。登記すべき事項につき取締役会の決議を要するときは、商業登記法46条2項により申請書に添付します。取締役会で代表取締役を選定したときは、商業登記規則61条6項により議事録に押した出席取締役と監査役の印鑑について印鑑証明書が要ります。肢で突かれるのは、取締役会の権限の範囲と、印鑑証明書が要る場面と省ける場面です。
会社法 第369条第3項取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。

取締役会の決議事項の登記には取締役会議事録を添付します
取締役会設置会社で取締役会の決議により定められる登記事項は、その議事録が添付書面になります。「単元株式数を定款で定めている取締役会設置会社が,取締役会において,単元株式数についての定款の定めを廃止する決議をした場合は,当該取締役会の議事録を添付して,単元株式数の定めの廃止による変更の登記を申請することができる」という肢は正しい肢です。単元株式数の定めの廃止は会社法195条1項により取締役会の決議でできる定款変更です。議事録には出席した取締役と監査役が署名または記名押印し、電磁的記録で作るときは電子署名などの代わる措置をとります。
取締役会の権限を超える事項には株主総会議事録が要ります
株式の分割と同時にする発行可能株式総数の増加は、現に2以上の種類の株式を発行している会社では取締役会で決められません。「現に 2 以上の種類の株式を発行している取締役会設置会社がそのうち 1 の種類の株式の分割をする場合には、株式の分割の効力発生と同時に当該株式の分割に係る分割比率を超えない範囲内で発行可能株式総数を増加する定款の変更の決議をした取締役会の議事録を添付して、当該発行可能株式総数の変更の登記を申請することができる」という肢は誤りです。会社法184条2項がこの会社を除外しているので、株主総会の特別決議の議事録が要ります。株式交付で効力発生日を変更したときに「当該効力発生日の変更を決議した株式交付親会社及び株式交付子会社の取締役会議事録を添付する必要があります」という答えも誤りで、効力発生日の変更は会社法816条の9により株式交付親会社が単独で決められます。
一つの議事録を複数回の登記に使えます
「会社法上の公開会社において,一度の取締役会の決議で複数回の募集株式の発行のための募集事項を決定している場合には,当該取締役会の議事録を1回目の募集株式の発行による変更の登記の申請書の添付書面とすることができるが,2回目以降の募集株式の発行による変更の登記の申請書の添付書面とすることはできない」という肢は誤りです。一度の決議で複数回分の募集事項を適法に決めていれば、その議事録は各回の登記の添付書面として使えるものです。「取締役会の決議により決定された払込期日を当該払込期日の経過前に延期した場合には,募集株式の発行による変更の登記の申請書には,払込期日の延期を決議した取締役会の議事録及び当該決議前に募集株式の引受けの申込みをした者全員が当該延期につき同意したことを証する書面を添付しなければならない」という肢は正しい肢で、延期は申込人全員の同意があって初めて効力を持ちます。
取締役会で選定した代表取締役には議事録の印鑑証明書が要ります
商業登記規則61条6項3号により、取締役会の決議で代表取締役を選定したときは、出席した取締役と監査役が議事録に押した印鑑について市町村長の印鑑証明書を添付します。変更前の代表取締役が登記所に提出している印鑑と同一の印鑑が押されているときは省けます。「監査の範囲が会計に関するものに限定されている監査役を置いている取締役会設置会社において、取締役及び監査役の全員が出席した取締役会の決議によって代表取締役を選定した場合には、代表取締役の就任による変更の登記の申請書には、当該取締役会の議事録に押印された出席した取締役又は監査役の印鑑と変更前の代表取締役が登記所に提出している印鑑とが同一であるときを除き、当該取締役会の議事録に押印された出席した取締役及び監査役の印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。監査の範囲が会計に限定された監査役も取締役会に出席して記名押印すれば対象です。「代表取締役Aが登記されている取締役会設置会社において,更に代表取締役Bを選定した取締役会の議事録にAが登記所に提出している印鑑と同一の印鑑を押印した場合には,その後,Bが代表取締役に就任したことによる変更の登記の申請前にAが改印届を登記所に提出したときであっても,当該登記の申請書には,当該議事録に押印した取締役及び監査役の印鑑につき市町村長の作成した証明書の添付を要しない」という肢は誤りで、申請時点で届出印と一致していなければ省略できません。
商業登記規則 第61条第6項代表取締役又は代表執行役の就任による変更の登記の申請書には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、当該印鑑と変更前の代表取締役又は代表執行役(取締役を兼ねる者に限る。)が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。
一 株主総会又は種類株主総会の決議によつて代表取締役を定めた場合 議長及び出席した取締役が株主総会又は種類株主総会の議事録に押印した印鑑
二 取締役の互選によつて代表取締役を定めた場合 取締役がその互選を証する書面に押印した印鑑
三 取締役会の決議によつて代表取締役又は代表執行役を選定した場合 出席した取締役及び監査役が取締役会の議事録に押印した印鑑
試験ではこう問われる
- 取締役会の決議でできる定款変更(単元株式数の廃止、分割に伴う発行可能株式総数の増加)の範囲を問う肢
- 一度の取締役会決議を複数回の募集株式の発行の登記に使えるかを問う肢
- 取締役会で代表取締役を選定したときの印鑑証明書の要否と、届出印と同一なら省略できるかを問う肢
- 改印届の後や会計限定監査役がいる場合に、印鑑証明書の省略が及ぶかを問う肢
この用語が問われた肢
現に 2 以上の種類の株式を発行している取締役会設置会社がそのうち 1 の種類の株式の分割をする場合には、株式の分割の効力発生と同時に当該株式の分割に係る分割比率を超えない範囲内で発行可能株式総数を増加する定款の変更の決議をした取締役会の議事録を添付して、当該発行可能株式総数の変更の登記を申請することができる。
【問】今日は組織再編の登記について確認します。まず、株式交付をした株式交付親会社及び株式交付子会社がいずれも取締役会設置会社である場合において、株式交付計画書に記載された株式交付の効力発生日に変更があったときは、株式交付親会社についての株式交付による変更の登記の申請書には、当該効力発生日の変更に関してどのような添付書面が必要になりますか。 当該効力発生日の変更を決議した株式交付親会社及び株式交付子会社の取締役会議事録を添付する必要があります。
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