資本金の額の計上に関する証明書しほんきんのがくのけいじょうにかんするしょうめいしょ
資本金の額が会社法と会社計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面で、設立と資本金の額の増加・減少の登記に添付します。どの登記で要り、どの場合に省けるかが肢で突かれます。
資本金の額の計上に関する証明書は、資本金の額が会社法と会社計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面です。商業登記規則61条9項が、設立の登記と資本金の額の増加または減少による変更の登記に添付を求めています。資本金の額は登記事項ですが、払込額のうちいくらを資本金にしたか、自己株式の処分分をどう除いたかは登記簿からは読めません。代表者が計算の根拠を示して証明する書面が要り、登記官は証明書で資本金の額の適法性を審査します。肢は、要る登記と省ける登記の線引きを突いてきます。
商業登記規則 第61条第9項設立の登記又は資本金の額の増加若しくは減少による変更の登記の申請書には、資本金の額が会社法及び会社計算規則(平成十八年法務省令第十三号)の規定に従つて計上されたことを証する書面を添付しなければならない。

募集株式の発行では金銭出資だけでも省けません
募集株式の発行による変更の登記では、出資が金銭だけで払込額の全額を資本金にする場合でも証明書を添付します。「出資の目的が金銭のみである場合において、その全額を資本金の額に計上するときは、募集株式の発行による変更の登記の申請書には、資本金の額が会社法及び会社計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。「募集株式の全部が新たに発行する株式である場合において,払込みがされた額の全額を資本金の額に計上するときは,募集株式の発行による変更の登記の申請書には,資本金の額が会社法及び会社計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面の添付を要しない」という肢は誤りです。自己株式の処分が混じると計上できる額が変わるので、登記官はその有無を証明書で確かめます。
株式会社の減資では省け、合同会社の減資では省けません
株式会社の資本金の額の減少では、減少する額が効力発生日の資本金の額を超えないことを登記簿で確認できるので、登記実務では証明書の添付を要しません。「登記簿から,減少する資本金の額が当該資本金の額の減少の効力が生ずる日における資本金の額を超えないことを確認することができるため,当該登記の申請書には,資本金の額が会社法及び会社計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面を添付することを要しない」という肢は正しい肢です。合同会社の減資は損失の填補や出資の払戻しのために行い、減少できる額に会社計算規則の制約があるので証明書が要ります。「合同会社の資本金の額の減少による変更の登記の申請書には,資本金の額が会社法及び会社計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面を添付することを要しない」という肢は誤りです。
設立では設立費用の減額が零でも添付します
設立の登記では、払い込まれた財産の額から設立に要した費用のうち減ずべき額を引いて資本金を計上する建前です。会社計算規則の経過措置で当分の間その額は零とされていますが、証明書で計算を示します。「設立に要した費用の額のうち設立に際して資本金又は資本準備金の額として計上すべき額から減ずるべき額と定めた額が零であっても,設立の登記の申請書には,資本金の額が会社法及び会社計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。出資される財産が金銭のみの設立については、登記実務では証明書を省ける扱いがあり、肢の条件をよく読んで判断します。
合同会社の出資と資本組入れでも添付します
合同会社に新たな出資で社員が加入して資本金の額を増やすときは、資本金の額の計上に関する証明書を添付します。「当該出資に係る財産が金銭以外のものであるときは,当該資本金の額の増加による変更の登記の申請書には,資本金の額が会社法及び会社計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。合同会社の資本剰余金の資本組入れでも、業務執行社員の過半数の一致を証する書面と並べて添付します。
中身は払込額、自己株式の処分分、資本準備金の額の計算です
証明書は会社の代表者が作成し、払込みまたは給付を受けた財産の額と、新株と自己株式を併せて割り当てたときの株式発行割合を示します。資本金に計上しないこととした額、すなわち資本準備金になる額を引いて、計上した資本金の額を導く形です。会社計算規則14条の資本金等増加限度額の計算をなぞる形で、押印の見直し後は代表者の押印の有無は審査の対象外です。減資なら減少する額と効力発生日の資本金の額を示し、合同会社なら払戻しや損失填補の額との関係を示す書面です。
商業登記法 第69条(資本金の額の増加による変更の登記)
資本準備金若しくは利益準備金又は剰余金の額の減少によつてする資本金の額の増加による変更の登記の申請書には、その減少に係る資本準備金若しくは利益準備金又は剰余金の額が計上されていたことを証する書面を添付しなければならない。
試験ではこう問われる
- 金銭出資のみで全額を資本金にする募集株式の発行に証明書は要るか(要る)
- 株式会社の減資の登記に証明書は要るか(登記実務では要らない)
- 合同会社の減資の登記に証明書は要るか(要る)
- 設立費用から減ずる額が零の設立の登記に証明書は要るか(要る)
- 証明書には何を書くか(払込額・株式発行割合・資本準備金の額から計上した資本金の額)
この用語が問われた肢
出資の目的が金銭のみである場合において、その全額を資本金の額に計上するときは、募集株式の発行による変更の登記の申請書には、資本金の額が会社法及び会社計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面を添付しなければならない。
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