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発行済株式の総数はっこうずみかぶしきのそうすう

商業登記 第7章 株式と資本金 過去問で7肢

会社が現に発行している株式の総数で、種類株式発行会社ではその種類と種類ごとの数とともに登記されます。何で増減し、何では動かないか、変更の登記期間がいつから起算されるかが肢で突かれます。

発行済株式の総数は、株式会社が現に発行している株式の総数で、会社法911条3項9号により、その種類と種類ごとの数とともに登記されます。募集株式の発行、新株予約権の行使、株式の分割や無償割当てで増え、株式の併合や自己株式の消却で減ります。会社が自己株式を取得しても処分しても、発行されている株式の数は変わらないので動きません。登記期間の原則は変更から2週間ですが、払込期間や新株予約権の行使には起算日の特則があります。

会社法 第911条第3項第9号

発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数

職員が帳簿の数字を書き換え、代表者が新しい株券の束を積み上げる。別の机で株券を束ねる人と切り刻む人
発行済株式の総数は発行・分割・無償割当てで増え、併合・消却で減り、取得・処分では動きません
取得・処分では動かない払込期間は末日現在4倍規制と単元の上限の基準登録免許税は資本金基準

増えるのは発行、減るのは併合と消却で、取得と処分では動きません

発行済株式の総数が増えるのは、募集株式の発行、新株予約権の行使、株式の分割、株式無償割当て、取得請求権付株式などの取得と引換えにする株式の発行です。いずれも新たに発行した分だけ増えます。いずれも新たに発行した分だけ増えます。減るのは株式の併合と自己株式の消却です。自己株式の取得は発行済みの株式が会社の手に移るだけで総数は変わらず、自己株式の処分も同じなので、自己株式だけを割り当てた募集では登記が要りません。新株と自己株式を併せて割り当てたときは、新株の分だけ総数が増えます。

払込期間を定めた発行は末日現在で登記します

払込期日を定めた募集株式の発行では、期日に引受人が株主になるので、期日から2週間以内に変更の登記を申請します。払込期間を定めたときは、末日現在により末日から2週間以内に申請すれば足ります。末日前に申請するときは、出資の履行をした日ごとに株主が増えているので、登記実務では払込みのあった日ごとの発行済株式の総数と資本金の額を登記すべき事項に記載する扱いです。「払込期間中の複数日にわたって株式引受人の全員であるA及びBから各々の払込みがされ,払込期間の末日前に募集株式の発行による変更の登記の申請をするときは,その登記すべき事項として,各々の払込みごとの発行済株式の総数及び資本金の額を記載することを要しない」という肢は誤りです。新株予約権の行使と取得請求権付株式の取得請求による変更は、毎月末日現在で末日から2週間以内です。

4倍の枠と単元の上限は発行済株式の総数を基準に測ります

公開会社では発行可能株式総数を増やすときや公開会社になるときに、発行可能株式総数が発行済株式の総数の4倍を超えられません。「株式の譲渡制限に関する定めの廃止による変更の登記の申請をする場合において、登記簿上、発行可能株式総数が発行済株式の総数の 4 倍を超えているときは、当該申請と併せて、発行可能株式総数が発行済株式の総数の 4 倍を超えない範囲とする発行可能株式総数又は発行済株式の総数を変更する登記の申請をしなければならない」という肢は正しい肢です。単元株式数も発行済株式の総数の200分の1を超えられず、発行済株式の総数が10万株の会社が単元株式数を1000株とする登記はできないとする肢が正しい肢です。発行済株式の総数が変わると、これらの枠の計算も変わります。

登録免許税は株式数ではなく増加した資本金の額で決まります

発行済株式の総数が増える登記でも、登録免許税の課税標準は株式数ではなく増加した資本金の額です。資本金の額が増えるなら1000分の7で最低3万円、増えないなら3万円です。「株式交付により資本金の額が 1000 万円増加し、かつ、発行済株式の総数が 1 万株増加した場合において、株式交付による変更の登記を申請するときの登録免許税の額は、7 万円である」という肢は正しい肢で、株式数の増加分には税がかかりません。株式の分割や無償割当てで総数だけが増える登記は3万円です。

種類株式発行会社では変更のない種類も含めて全部を記載します

種類株式発行会社の登記事項は、発行済株式の総数に加えて、その種類と種類ごとの数です。一つの種類だけを併合したり発行したりしたときも、登記すべき事項には変更のない種類を含めた全部の種類と数を記載します。「現にA種種類株式及びB種種類株式を発行している会社がA種種類株式につき株式の併合をした場合には,株式の併合による変更の登記の申請書には,登記すべき事項である発行済株式の種類及び種類ごとの数として,その数に変更のないB種種類株式に関する事項も記載しなければならない」という肢は正しい肢です。

会社法 第915条第2項

前項の規定にかかわらず、第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合における株式の発行による変更の登記は、当該期間の末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。

試験ではこう問われる

  1. 自己株式の取得や処分で発行済株式の総数は変わるか(変わらない)
  2. 払込期間を定めた発行で末日前に申請するとき何を記載するか(払込みごとの発行済株式の総数と資本金の額)
  3. 新株予約権の行使による変更の登記はいつまでか(毎月末日から2週間以内)
  4. 株式数だけが増える登記の登録免許税はいくらか(3万円)
  5. 一部の種類だけ変わったとき他の種類も記載するか(記載する)

この用語が問われた肢

R2 問30 ウ誤り

募集株式と引換えにする金銭の払込期間を定めて募集株式を発行する場合において,払込期間中の複数日にわたって株式引受人の全員であるA及びBから各々の払込みがされ,払込期間の末日前に募集株式の発行による変更の登記の申請をするときは,その登記すべき事項として,各々の払込みごとの発行済株式の総数及び資本金の額を記載することを要しない。

R4 問29 ア正しい

株式の譲渡制限に関する定めの廃止による変更の登記の申請をする場合において、登記簿上、発行可能株式総数が発行済株式の総数の 4 倍を超えているときは、当該申請と併せて、発行可能株式総数が発行済株式の総数の 4 倍を超えない範囲とする発行可能株式総数又は発行済株式の総数を変更する登記の申請をしなければならない。

R5 問33 ウ正しい

株式交付により資本金の額が 1000 万円増加し、かつ、発行済株式の総数が 1 万株増加した場合において、株式交付による変更の登記を申請するときの登録免許税の額は、7 万円である。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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