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解任かいにん

商業登記 第5章 役員の変更 過去問で11肢

株主総会の決議でいつでも役員や会計監査人を辞めさせることで、解任の決議があった時に効力を生じます。決議要件のすり替え、どの機関の議事録や同意書を添付するか、解任できない相手が肢で突かれます。

解任は、会社法339条1項により株主総会の決議でいつでも役員や会計監査人をその地位から外すことです。役員の解任は原則として会社法341条の普通決議、会計監査人の解任は会社法309条1項の普通決議です。累積投票で選任された取締役、監査等委員である取締役、監査役の解任は会社法309条2項7号の特別決議です。登記には解任を決議した株主総会議事録と株主リストを添付し、通知や本人の承諾は要りません。肢で突かれるのは、決議の要件と機関、添付する書面、そして解任の対象にならない者です。

会社法 第339条第1項

役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。

株主たちが挙手し、議長が一人の役員に退席を促している
解任は株主総会の決議でいつでもでき、監査役などの解任は特別決議です
取締役は普通決議・監査役は特別決議種類株主総会で選んだ取締役は選任の議事録も権利義務取締役は解任できない

解任の決議は原則普通決議で、監査役などは特別決議です

取締役と会計参与の解任は会社法341条の普通決議で、定足数は議決権の過半数、定款で3分の1まで下げられます。会計監査人は役員でないので、その解任は会社法309条1項の普通決議で、定足数は定款で自由に定められます。監査役と監査等委員である取締役、累積投票で選任された取締役の解任は会社法309条2項7号により特別決議です。正当な理由のない解任では会社が損害賠償責任を負いますが、解任の効力や登記には影響しません。登記すべき事項には「令和○年○月○日取締役甲野太郎解任」と決議の日を書き、株主総会議事録と株主リストを添付します。

種類株主総会で選んだ取締役は選任の議事録も添付します

種類株主総会で選任された取締役は、会社法347条1項により原則としてその種類株主総会で解任します。「種類株主総会によって選任された取締役を当該種類株主総会の決議によって解任した場合における変更の登記の申請書には,当該取締役を解任した種類株主総会の議事録のほか,当該取締役を選任した種類株主総会の議事録を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。解任の機関が種類株主総会で正しいことは、誰が選んだかで決まるので、選任の議事録を遡って添付します。一般社団法人の理事の解任は普通決議でできるので、過半数の出席と出席者の過半数で理事を解任した社員総会の議事録を添付して理事の変更の登記ができないとする肢は誤りです。

会計監査人の解任は機関によって添付書面が違います

株主総会で会計監査人を解任するときは、会社法344条により監査役が議案の内容を決めますが、その決定を証する書面は添付しません。「監査役設置会社であり会計監査人設置会社である株式会社において,株主総会の決議により会計監査人を解任した場合の変更の登記の申請書には,監査役が当該株主総会の議案の内容を決定したことを証する書面を添付しなければならない」という肢は誤りです。監査役や監査役会が会社法340条で解任するときは監査役全員の同意が要件なので、「監査役会が会計監査人を解任した場合にする会計監査人の解任による変更の登記の申請書には,監査役の全員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない」という肢は正しい肢です。監査役会設置会社では監査役会の決議ではなく、監査役全員の同意である点に注意します。

権利義務を負う者や裁判所が選任した清算人は解任できません

辞任や任期満了の後に権利義務を負っている者はすでに役員ではなく、解任の対象になりません。「辞任により取締役を退任した後も取締役としての権利義務を有するAを解任する株主総会の決議がされた場合であっても,当該株主総会の議事録を添付して,Aの解任による変更の登記を申請することはできない」という肢は正しい肢です。裁判所が選任した清算人は会社法479条1項ただし書により株主総会では解任できず、「裁判所が選任した清算人を株主総会において解任する決議をした場合は,当該清算人の解任を決議した株主総会の議事録を添付して,清算人の解任による変更の登記を申請することができる」という肢は誤りです。解任で員数を欠いても権利義務は生じないので、解任の登記はそのまま申請できます。

会社法 第340条第2項

前項の規定による解任は、監査役が二人以上ある場合には、監査役の全員の同意によって行わなければならない。

試験ではこう問われる

  1. 取締役と監査役の解任の決議要件(普通決議か特別決議か)をすり替える肢
  2. 種類株主総会で選任した取締役の解任で、どの議事録まで添付するかを問う肢
  3. 会計監査人の解任で、監査役の議案決定を証する書面や監査役全員の同意書が要るかを問う肢
  4. 権利義務取締役や裁判所が選任した清算人を株主総会で解任できるかを問う肢
  5. 解任で定款の員数を欠くときに解任の登記ができるかを問う肢

この用語が問われた肢

R5 問35 オ誤り

理事の変更の登記の申請書に、総社員の議決権の過半数を有する社員が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって理事を解任する決議をしたとする社員総会の議事録を添付して、理事の変更の登記を申請することはできない。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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