公告方法こうこくほうほう
会社が公告をする方法で、官報・日刊新聞紙・電子公告のいずれかを定款で定め、定めがなければ官報です。電子公告の予備的公告方法、貸借対照表の電磁的開示のアドレスとの関係、債権者保護手続の各別の催告を省略できる組合せが肢で突かれます。
公告方法は、会社法939条1項により、会社が官報に掲載する方法・時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法・電子公告のいずれかを定款で定めるものです。同条4項により定めがない会社の公告方法は官報で、会社法911条3項29号によりその旨を登記します。定款で定めたときは同項27号により公告方法を登記し、電子公告なら28号によりウェブページのアドレスと予備的な公告方法も登記します。公告方法が官報か日刊新聞紙で、決算公告に代えて貸借対照表をウェブで開示する会社は、同項26号によりそのアドレスも登記します。肢で突かれるのは、電子公告の付属事項の登記、添付書面の要否、公告方法によって債権者保護手続の催告を省略できるかです。
会社法 第939条(会社の公告方法)
会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。
一 官報に掲載する方法
二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
三 電子公告
外国会社は、公告方法として、前項各号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。
会社又は外国会社が第一項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定める場合には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。
第一項又は第二項の規定による定めがない会社又は外国会社の公告方法は、第一項第一号の方法とする。

電子公告の予備的な公告方法を定めたときはそれも登記します
会社法939条3項により、電子公告を公告方法とする会社は、事故などで電子公告ができない場合の公告方法として官報か日刊新聞紙を定められます。定めたときは会社法911条3項28号ロにより登記事項です。「公告方法を官報に掲載する方法としている会社が,公告方法を電子公告とする変更の登記を申請する場合において,事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の予備的公告方法を定めたときは,その登記の申請もしなければならない」という肢は正しい肢です。予備的な方法として掲示などの他の方法は選べず、一般社団法人について「公告方法を電子公告としたときは、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法を登記することはできない」という肢は正しい肢です。
貸借対照表の電磁的開示のアドレスは官報か新聞の会社が登記します
会社法440条3項により、公告方法が官報か日刊新聞紙の株式会社は、決算公告に代えて貸借対照表をウェブページで5年間開示できます。採用したときは会社法911条3項26号によりそのアドレスを登記し、添付書面は委任状以外に要りません。「貸借対照表の電磁的開示の制度の採用及びそのウェブページのアドレスを代表者が決定したことを証する書面を添付しなければならない」という肢は誤りで、「代表者がそのウェブページのアドレスを決定した旨の証明書を添付する必要があります」という解答も誤りです。電子公告を公告方法にすれば決算公告も電子公告でするので、商業登記規則71条により登記官が職権でアドレスの登記に抹消する記号を記録します。「公告方法の変更の登記がされたときは,登記官の職権により,貸借対照表の電磁的開示のためのウェブページのアドレスの登記を抹消する記号が記録される」という肢は正しい肢です。有価証券報告書の提出会社になってアドレスを廃止するときも、提出会社になったことを証する書面は要りません。
新聞の特定を変える定款変更も公告方法の変更の登記をします
公告方法を日刊新聞紙にする定款の定めでは、どの新聞かを特定します。「A新聞に掲載してする」から「B市において発行するA新聞に掲載してする」に変えるような特定の仕方の変更も登記事項の変更なので、変更の登記を申請できます。特定の仕方の変更の登記ができないとする肢は誤りです。公告方法の変更は定款変更なので、株主総会の特別決議の議事録と株主リストを添付します。
官報に加えて新聞か電子公告で公告すれば各別の催告を省略できます
合併などの債権者保護手続では、会社法789条3項や799条3項により、官報のほかに定款の定めに従って日刊新聞紙か電子公告で公告すれば、知れている債権者への各別の催告を省略できます。吸収合併では不法行為債権者の例外がなく、「消滅会社が債権者保護手続に係る公告を官報及び定款の定めに従って電子公告の方法によりした場合には,不法行為によって生じた消滅会社の債務の債権者がいるときであっても,吸収合併による変更の登記の申請書には,当該債権者に対して各別の催告をしたことを証する書面を添付することを要しない」という肢は正しい肢です。持分会社の組織変更では、会社法781条2項が省略の規定を合同会社に限って準用するので、合名会社と合資会社は省略できません。「合名会社が組織変更をした場合において,…官報のほか定款の定めに従って時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙によってしたときは,…各別の催告をしたことを証する書面を添付することを要しない」という趣旨の肢は誤りです。一般社団法人の掲示による公告も省略の要件を満たしません。
株式会社は定めがなければ官報、一般社団法人は定款の定めが要ります
株式会社の定款に公告方法の定めがなくても会社法939条4項により官報になり、設立の登記ではその旨を登記します。一般社団法人は公告方法が定款の絶対的記載事項なので、「設立しようとする一般社団法人の定款に公告方法の定めがない場合は,当該定款を添付して一般社団法人の設立の登記を申請することはできない」という肢は正しい肢です。一般社団法人と一般財団法人は、主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法も公告方法に選べます。「公告方法として「主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法」を登記することはできない」という肢は誤りです。
会社法 第911条第3項第28号前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項
試験ではこう問われる
- 電子公告の予備的公告方法は登記事項か(登記事項)
- 貸借対照表の電磁的開示のアドレスの設定の登記に添付書面は要るか(委任状以外は要らない)
- 電子公告に変更したとき電磁的開示のアドレスの登記はどうなるか(職権で抹消される)
- 官報と電子公告で公告した吸収合併で各別の催告を省略できるか(できる)
- 合名会社の組織変更で官報と新聞の公告により各別の催告を省略できるか(できない。合同会社ならできる)
この用語が問われた肢
公告方法を電子公告としたときは、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法を登記することはできない。
【問】次は、会社の公告方法の登記についてお聞きします。公告方法を「官報に掲載してする」とする登記をしている株式会社が貸借対照表の電磁的開示の制度を採用し、そのウェブページのアドレスの設定の登記を申請する場合には、何か添付書面が必要ですか。 委任による代理人が申請する場合の委任状のほか、代表者がそのウェブページのアドレスを決定した旨の証明書を添付する必要があります。
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