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司法書士法人の設立と成立しほうしょしほうじんのせつりつとせいりつ

司法書士法 第3章 司法書士法人と司法書士会 過去問で7肢

司法書士法人の設立とは、社員となろうとする司法書士が定款を定め、主たる事務所の所在地で設立の登記をして法人を成立させることです(32条・33条)。試験では、成立の時に主たる事務所の所在地の司法書士会の会員となること(58条1項)と、成立の日から2週間以内に司法書士会と連合会に届け出ること(34条)が問われています。

司法書士法人は、司法書士が設立する法人です(26条)。名称中に「司法書士法人」という文字を使い(27条)、社員はすべて司法書士でなければなりません(28条1項)。令和2年8月1日からは、社員が一人の法人も設立できます。

設立の登記から成立と会員化、2週間以内に司法書士会と連合会へ届出までの時間軸の黒板
司法書士法人は設立の登記で成立してその時に主たる事務所の地の司法書士会の会員となり、成立の日から2週間以内に会と連合会に届け出ます
登記で成立成立の時に会員2週間以内に届出司法書士会と連合会
司法書士法 第32条第1項

司法書士法人を設立するには、その社員となろうとする司法書士が、定款を定めなければならない。

法人は、主たる事務所の所在地で設立の登記をした時に成立します

設立には、社員となろうとする司法書士が定款を定めます(32条1項)。定款には、目的、名称、主たる事務所と従たる事務所の所在地、社員の氏名・住所と認定司法書士であるか否かの別、社員の出資に関する事項を記載します(32条3項)。定款には公証人の認証が要ります(32条2項が会社法30条1項を準用)。法人は、主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立します(33条)。

司法書士法 第33条第1項

司法書士法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによつて成立する。

成立の時に主たる事務所の所在地の司法書士会の会員となり、2週間以内に届け出ます

司法書士法人は、成立の時に、主たる事務所の所在地の司法書士会の会員となります(58条1項)。成立の時とは設立の登記の時なので、「司法書士法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって、当該所在地の司法書士会の会員となる」という肢(R6 午後 問8 オ)は正しい記述です。成立したときは、成立の日から2週間以内に、登記事項証明書と定款の写しを添えて、主たる事務所の所在地の司法書士会と日本司法書士会連合会に届け出ます(34条)。「司法書士法人は、成立したときは、成立の日から 2 週間以内に、その旨を主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない」という肢(R7 午後 問8 オ)は正しい記述です。

司法書士法 第34条第1項

司法書士法人は、成立したときは、成立の日から二週間以内に、登記事項証明書及び定款の写しを添えて、その旨を、その主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会(以下「主たる事務所の所在地の司法書士会」という。)及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。

社員が一人の法人も設立でき、社員の欠亡が解散事由になります

令和元年改正で、社員が一人の司法書士法人を設立できるようになりました。改正前の44条2項は、社員が一人になった日から引き続き6か月間社員が二人以上にならなかったときに法人が解散すると定めていましたが、この規定は削られ、社員の欠亡が解散事由になりました(44条1項7号)。社員の死亡で社員が欠けたときは、清算人が相続人の同意を得て新たに社員を加入させ、法人を継続できます(44条の2)。解散事由には、このほか定款に定める理由の発生、総社員の同意、他の法人との合併、破産手続開始の決定、解散を命ずる裁判、48条1項3号の解散の処分があります(44条1項)。合併以外の事由で解散したときは、解散の日から2週間以内に主たる事務所の所在地の司法書士会と連合会に届け出ます(44条2項)。清算人は司法書士でなければなりません(44条3項)。

黒板の左右に改正前と改正後を並べ、社員一人の法人の扱いの変化を示す教室
令和2年8月から社員が一人の司法書士法人も設立でき、社員の欠亡が解散事由になります
一人法人が可能社員の欠亡で解散死亡なら相続人の同意で継続
司法書士法 第44条第1項

司法書士法人は、次に掲げる理由によつて解散する。
一 定款に定める理由の発生
二 総社員の同意
三 他の司法書士法人との合併
四 破産手続開始の決定
五 解散を命ずる裁判
六 第四十八条第一項第三号の規定による解散の処分
七 社員の欠亡

合併には総社員の同意が要り、債権者には異議を述べる機会が与えられます

司法書士法人は、総社員の同意があるときは他の司法書士法人と合併でき(45条1項)、合併後存続する法人又は合併により設立する法人が主たる事務所の所在地で登記をすることで合併の効力が生じます(45条2項)。合併したときは、合併の日から2週間以内に、登記事項証明書(新設合併では定款の写しも)を添えて、主たる事務所の所在地の司法書士会と連合会に届け出ます(45条3項)。合併をする法人の債権者は異議を述べることができ、法人は合併をする旨などを官報に公告し、知れている債権者に各別に催告しなければなりません。異議を述べることができる期間は1か月を下ることができません(45条の2第1項・2項)。

司法書士法 第45条第1項

司法書士法人は、総社員の同意があるときは、他の司法書士法人と合併することができる。

社員は、法人の財産で債務を完済できないときに連帯して責任を負います

法人の財産をもって債務を完済できないときや、法人の財産に対する強制執行が効を奏しなかったときは、各社員が連帯して弁済の責任を負います(38条1項・2項)。後者の場合でも、社員が法人に資力があり、かつ執行が容易であることを証明したときは責任を負いません(38条3項)。社員でない者が自己を社員であると誤認させる行為をしたときは、その誤認に基づいて法人と取引をした者に対し、社員と同一の責任を負います(38条の2)。

試験ではこう問われる

  1. 法人は、成立の日から2週間以内に、主たる事務所の所在地の司法書士会と連合会に成立を届け出る(34条。R7 午後 問8 オ ○)
  2. 法人は、主たる事務所の所在地で設立の登記をすることで、その所在地の司法書士会の会員となる(33条・58条1項。R6 午後 問8 オ ○)
  3. 法人は、成立の時に、主たる事務所の所在地を管轄する法務局の管轄区域内に設立された司法書士会の会員となる(58条1項。H28 午後 問8 ア ○・出題当時)
  4. 社員が一人の法人も設立でき、社員の欠亡が解散事由になる(44条1項7号)
  5. 合併には総社員の同意が要り、合併後の法人が主たる事務所の所在地で登記をすることで効力が生じる(45条1項・2項)
  6. 法人の登記事項は、登記の後でなければ第三者に対抗できない(31条2項)

この用語が問われた肢

R7 問8 オ正しい

司法書士法人は、成立したときは、成立の日から 2 週間以内に、その旨を主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。

R6 問8 オ正しい

司法書士法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって、当該所在地の司法書士会の会員となる。

解説と関連先例は肢別演習で読めます。

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