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添付情報の省略(援用)てんぷじょうほうのしょうりゃく

不動産登記 第3章 添付情報と登記原因証明情報 過去問で6肢

同じ登記所に同時に出す複数の申請で共通する添付情報を、一つの申請にだけ添えて他の申請でその旨を申請情報に書く扱いです。何なら省略でき、何は省略できないかが肢で突かれます。

添付情報の省略は、同一の登記所に同時に二つ以上の申請をするとき、各申請に共通する添付情報を一つの申請にだけ提供し、他の申請ではその旨を申請情報の内容にして済ませる扱いです。不動産登記規則37条が定め、実務では前の申請の添付情報を「援用」すると呼びます。連件の申請で両方に共通する委任状や資格証明情報を二度添えなくてよいのは、この仕組みのおかげです。肢で突かれるのは、援用の枠を超えて何かを理由に添付そのものを省略できるかという線引きです。

不動産登記規則 第37条

(添付情報の省略等)
同一の登記所に対して同時に二以上の申請をする場合において、各申請に共通する添付情報があるときは、当該添付情報は、一の申請の申請情報と併せて提供することで足りる。
前項の場合においては、当該添付情報を当該一の申請の申請情報と併せて提供した旨を他の申請の申請情報の内容としなければならない。

二つの申請書の束のうち一つ目にだけ住民票と委任状が挟まり、二つ目から一つ目を指す場面
同時申請で共通する添付情報は一方に添えて他方で援用できます
規則37条前件添付と申請情報に書く不動産番号は添付情報を省略しない

同時申請なら共通の添付情報は一方に添えて援用できます

同一の登記所に対して同時に二つ以上の申請をするとき、各申請に共通する添付情報は、一つの申請の申請情報と併せて提供すれば足ります。他の申請では、その添付情報を先の申請と併せて提供した旨が申請情報の内容です。不動産登記規則37条2項のとおり、これは申請情報に書く事項で、書面申請なら申請書の添付情報欄に「代理権限証明情報(前件添付)」のように記載します。連件で出す申請書では、両方の申請に共通する委任状や資格証明情報がこの型で援用されます。

不動産番号で省略できるのは不動産の表示です

不動産番号を申請情報の内容にすると、土地の所在や地番などの不動産の表示を省略できますが、これは申請情報の話です。「共同担保としての根抵当権の追加設定の登記の申請の添付情報として不動産の登記事項証明書を提供しなければならない場合において,当該不動産に係る不動産番号を申請情報の内容としたときは,当該登記事項証明書の提供を省略することができる」という肢は誤りです。他の登記所の管轄にある不動産の登記事項証明書は添付情報で、不動産番号を書いても提供が要ります。何を省略する規定なのかは、申請情報と添付情報で分けて覚える必要があるところです。

一覧図の写しで戸籍と住所証明情報を省略できます

平成29年5月29日に運用が始まった法定相続情報一覧図の写しは、相続を証する戸籍一式に代えて提供できます。「相続人をCのみとする被相続人Aの一覧図の写しを提供したときは,Bが廃除された旨の記載がされていることを証する戸籍の全部事項証明書の提供を省略することができる」という肢は正しい肢で、廃除は戸籍に載る事実なので一覧図に反映されます。相続人の住所が記載された一覧図の写しなら住所証明情報も省略でき、「B及びCの住所が記載されている被相続人Aの一覧図の写しを提供したときは,B及びCの住所を証する市町村長が職務上作成した情報の提供を省略することができる」という肢も正しい肢です。

一覧図に表れない事実の書面は省略できません

相続放棄は戸籍に記載されないので、一覧図には表れません。「添付情報として,被相続人Aの一覧図の写しを提供したときは,Bの相続放棄に係る相続放棄申述受理証明書の提供を省略することができる」という肢は誤りです。また「当該一覧図の写しに記載された法定相続情報番号を添付情報として提供すれば,Aの法定相続人がB及びCであることを特定することができる戸籍の全部事項証明書の提供を省略することができる」という肢は、出題当時は番号だけで一覧図の写しに代える仕組みが無かったため誤りです。令和6年4月1日からは法定相続情報番号を申請情報の内容にすれば一覧図の写しそのものを提供しなくてよくなったので、番号の扱いは施行日で答えが変わります。

代位原因証明情報を登記済みを理由に省略することはできません

抵当権者が競売を申し立て、債務者の相続人に代位して相続登記を申請するときは、代位原因を証する情報として競売の申立てを受理したことを証する書面などを提供します。「代位原因を証する情報は,平成 22 年 4 月 2 日受付第 1234 号をもって本物件に抵当権設定登記済みであることにより添付省略する」という記載で済ませる肢は誤りです。抵当権の登記があることは代位の前提にすぎず、代位の原因である申立ての事実は登記記録から読めないからです。

不動産登記規則 第37条第2項

前項の場合においては、当該添付情報を当該一の申請の申請情報と併せて提供した旨を他の申請の申請情報の内容としなければならない。

試験ではこう問われる

  1. 同時申請で共通する添付情報は一方の申請だけに添えて済ませられるか(済ませられる。他方の申請情報にその旨を書く)
  2. 不動産番号を申請情報の内容にすれば他の登記所の登記事項証明書を省略できるか(できない)
  3. 一覧図の写しで廃除の記載のある戸籍や住所証明情報を省略できるか(できる)
  4. 一覧図の写しで相続放棄申述受理証明書を省略できるか(できない)
  5. 抵当権の登記があることを理由に代位原因証明情報を省略できるか(できない)
不動産登記を肢別で解く

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